白銀の継承者
〜第3話〜











   こんにちわ。
   さて・・・・・。
   今回で出発までいけるかな?
   ・・・出発してからは・・・リナ、ガウ夫婦・・出てきません(まて!)
   んではでは・・・。


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    白銀の継承者  第3話   〜出発〜


    

   パシャパシャ。
   「わぁぃ!」
   「こら!セリナ、風呂の中ではしゃがないの!」
   そういいつつ、母親でもあるリナの目は笑っている。
   にこにこ。
   そんな二人をにこにこと眺めているガウリイ。
   「?ガウリイ?何?」
   セリナを抱きかかえて、はしゃがないようにしている、
   リナをみつつ、笑っているガウリイを見咎めて。
   リナが問いかけると。
   「いや・・幸せだなぁvと思ってナv
     愛するリナとセリナと一緒に風呂に入っていることがv」
   ・・・・ボン!//
   さらりというガウリイの台詞に、瞬く間に真っ赤に成り果てる。
   「あれ?リナママ?かおがあかいよ?おねつでもあるの?」
   そんなリナの顔を見上げて心配そうにいっているセリナ。
   「あ・・・ああ。違うわよ。」
   こいつは・・。
   以前、保護者してたときは、そんなくそ恥ずかしい台詞なんか、
   一度もいったことなかったくせに・・。
   その・・・結婚してからは・・毎日のようにいってくるのよね//
   などと、心でつぶやき照れているリナ。
   ちなみに、どういう仕組みなのか。
   リナの魔法のアレンジと、ルナの協力もあり。
   この家の風呂は、実は二つある。
   一つは、少し小さめで、きちんと、家の中に存在してるのだが。
   もう一つは、家の別館。
   外からみたら、完全に、窓とか、外が見えないような、木の作り。
   しかし、一度、中にと入ってしまえば。
   中からは、外がよく見える。
   つまりは、魔法で、外からは中が見えないようになっており。
   また、中からは、外がよく見える。
   いわゆる、露天風呂。
   しかも、ガウリイが、温泉を掘り当てているのであるからして。
   ここの露天風呂は正真正銘、天然の温泉なのである。
   石が綺麗に引かれて、ちょっとした温泉宿の雰囲気であるが。
   ここは、リナ達が住んでいる家と棟続き。
   家の中から出ないと出入りが出来ない。
   リナが以前、温泉が好き。
   といってたのをガウリイが覚えてて。
   結婚する前、リナがルナにつれられて、特訓に入っているときに。
   地下深くの温泉の元をかぎ当てて。
   そこに家を建てているガウリイなのだが。
   まあ、この温泉を作るのに、なぜか、ルナも協力している。
   という事実があるのだが。
   ルナ曰く、二人や、数名に分身することは、たやすいことらしく。
   リナに特訓をつけつつ、分身したもう一人の自分によって。
   リナの結婚式などの準備をちゃくちゃくと執り行っていたのである。
   まあ、それも、数年前のこと。
   「・・・・確かに、その・・あたしも・・その・・・幸せよ//」
   世界よりも大切な人。
   その人との間に産まれた娘。
   その二人と生活できるのが、何よりもうれしい。
   「リィナv」
   バシャ!
   「きゃあ!ちょっと!何処さわってるのよぉ!だ・・めぇ!//」
   ワシャワシャワシャ・・。
   ・・・・・・?
   リナママ達・・何してるのかな?
   只今、髪を洗っているセリナは。
   両親が何をしているのか、目をつむっているので見えてない。
   最近、ようやく一人で髪を洗えるまでにセリナは成長している。
   以前は、リナ、もしくはガウリイが、洗っていたのだが。
   「かわいいなぁvリナはv」
   「・・・ん・・や・・あ・・ひぁ!」
   「こらリナ、声だしてもいいんだぞv」
   「ば・・か・・できるわけ・・・あぁぁぁぁ!」
   ・・・・・?
   何やってんだろ?
   何か、ぱしゃぱしゃと、風呂の水が鳴る音と。
   何か両親がやっている気配がするが。
   とりあえず、髪を洗うのに専念しているセリナ。
   「ええと・・・・桶、桶・・・。」
   セリナ専用、子供用の小さな桶に、
   お湯をすくい。
   「んしょ。」
   バシャ。
   頭の上からお湯をかぶる。
   ブルルル!
   少し頭を振り、目を開くと。
   「・・・ばかぁ//」
   はぁはぁと、息を切らせて、ガウリイに抱きついているリナの姿が。  
   「リナママ、セリナ、髪、洗ったよ?」
   ちょこんと、椅子に座り、母親に言っているセリナ。
   「・・・え?あ・・ああ。って・・セリナ、まだ泡が残ってるわよ?」
   そういいつつ、バシャリ。
   リナも風呂から上がり、桶にお湯をすくって。
   セリナの髪をゆすいでやる。
   リナの全身が桜色にほてっているのは・・・お湯に浸かっていたため、
   だけのせいではない。
   ・・・・あれ?
   さっきまで、リナママのここ・・。
   アザ無かったよね?
   母親のとある数箇所に出来た、首筋の紅いアザに首をかしげつつ。
   「はい、これでいいわ。」
   バシャリ。
   「ありがと!ママ!」
   セリナの髪に残っていた、泡を。
   綺麗に流し去り。
   「さ、今度は温まろうね?」
   「うん!」
   ひょいとセリナを抱きかかえる。
   「あ、ガウリイ、あたし、先に出て、夕飯、仕度してるから。
     セリナをお願いね?」
   「ああ、まかせとけ。
     よおし、セリナ、じっくりと温まろうな?
      風邪なんかをひかないように(はあと)」
   「うん!パパ!」
   セリナを抱きかかえていた、リナが。
   風呂に浸かっているガウリイにとセリナを手渡し。
   そのまま、先に風呂から上がってゆくリナ。



   ・・・・だれかさんのせいでまだ仕度・・できてないのよね・・。
   ま・・まあ、材料はあるから。
   ちゃちゃっと作りますか。
   などと、顔をほのかに染まらして。
   「・・・・・んっとに・・//」
   少し赤くなりながら、自身の体を抱きかかえる。
   さきほどの行為の後遺症か、まだ体が火照っている。
   「・・・ま・・まあ・・いやじゃ・・ないけど・・さ//」
   そういいつつ、タオルで体を拭き。
   夜着である、ネグリジェに服を着替えて。
   ぱたぱたと、家の中にと戻ってゆくリナ。



   「パパ、きょうは、まけないからね!」
   「はは、頑張れよ?」
   「うん!」
   何を負けないかというのかといえば。
   風呂に入っている中で。
   精神集中して、剣の稽古をセリナに施しているガウリイ。
   つまりは、イメージトレーニングといったところか。
   それでも、互いの精神をリンクして、事実、
   精神同士で戦っているのだからして。
   よくまあ、そんなことが可能である・・。
   セリナがおぼれないように、抱きかかえて。
   二人、仲良く、しばらく温泉にと浸かっているこの父娘。
   しばらく、目をつむり。
   精神のみでの戦いに没頭してゆく二人であった。 
   このセリナ、まだ幼いというのに、めきめきと才覚を表して。
   今では、かなりの剣の腕にと成長している。
   それでも、まだ父親にはかなわないのだが・・。
   



   「ほら!いつまで入ってるのぉ!!!
     ご飯、できたわよぉぉぉぉ!」
   ガラリ。
   扉を開けて、叫んでくるリナの声にはっと我に戻り。
   「じゃ、出るか?セリナ?」
   「うう・・・またまけたぁ!」
   悔しそうに少しいじけているセリナの姿が。   
   「それに、パパ・・てかげんしてるし・・。」
   「当たり前だろ?かわいい、セリナに、怪我でもさせられるかよ?」
   いくら、精神トレーニングとはいえ。
   その精神でのダメージは、肉体にも及ぶことがある。
   「うう・・いつか、ぜったいにパパにセリナ、かつからね!」
   「ああ、まってるさ。ほら、リナが呼んでるから。
     出るぞ?」
   「はぁい。」
   バシャリ。
   ガウリイに抱きかかえられて。
   風呂から出てゆくセリナの姿。


  
   「それでね・・あのね!」
   「ほらほら、セリナ、食べるか、しゃべるか、
    どっちかにしなさいね?」
   セリナの口の周りを拭いてやりつつ、リナが微笑む。
   セリナの日課。
   食事時に、一日あったこと全てを両親に報告しているのである。
   なごやかに、夕飯の風景は過ぎてゆく。




   「・・・・寝たわね?」
   「・・・だな。」
   すやすやすや・・。
   一人で寝るのがまだ慣れないセリナを寝かしつけるために。
   リナとガウリイ、二人でセリナの部屋のベットの上で。
   娘を寝かしつけている二人。
   「・・んじゃ、そーいうことでv」
   もぞもぞ。
   「ちょ・・ガウリイ!」
   スッパァァン!
   やがて、セリナのベットの下から、リナがスリッパを取り出し。
   ガウリイをしばき。
   「お休み、セリナ。」
   「お休み、いい夢を。」
   愛する娘にお休みのキスを送り。
   二人の夫婦の寝室に戻ってゆくリナとガウリイ。
   後には、残されたセリナが、すやすやと寝息を立てていた。






   次の日の朝。
   何でもない会話の後に。
   ちょっとしたハプニングが持ち上がり。
   まさか、セリナにいつも夜、見られていたとは。
   リナが真っ赤になっていたりする。
   そんな、リナとガウリイに。  
   次にセリナが言った台詞。
   「あのね!セリナね!おじいちゃんから、
       いっしょにしいれにいかないかって。
       きのうさそわれたの!だから、セリナ、おじいちゃんとおでかけする!」
   ガッタァァァァァァァァァァァン!!!!
   その予想外の言葉に、まともにひっくり返るリナとガウリイ。
   「セセセセセセ!?」
   父ちゃんの仕入れっていったら!?
   最低でも一ヶ月!?
   そんなに・・・・セリナ、一人で行かせられるわけない゛しゃない!
   かなりパニクっているリナ。
   「だぁぁ!一人でなんか行かせられるかぁぁ〜!!」
   セリナに悪い虫がついたらどうする!
   セリナの相手は俺が認めた奴以外でないと認めん!
   かなり親ばかが入っているガウリイ。
   リナと、ガウリイ、両親、二人、同時に叫ぶ。
   「セリナ、おねいちゃんになりたいもん!
     ということで。はい。もう、セリナ、きめたもん!
      いっかげつくらいかかるって、おじいちゃんいってたから。
       もどってきたら、せりなにきょうだいよろしく!ママ!」
   ・・・・どうやら、両親が二人だと、兄弟が出来る。
   と、勘違いしてしまったようである。
   セリナは。
   『リナと二人でやらないとな?出来ないんだよ?
       セリナ、一人で寝られるか?』
   会話の中で、ガウリイがこうセリナにいった台詞で。
   そう、勘違いをしているセリナなのだが。
   「セ・・・セリナァァ〜!!」
   一人で旅・・じゃないけど!
   ガウリイと二人っきり!?
   な・・・・何とか考え直させないと!
   かなりすでにリナはパニック。
   「ま・・・・義父さんと一緒なら・・・。
     おう!任せとけ!セリナが戻ってきたら、
       お姉ちゃんになっているように、
       必ずリナには身ごもってもらっておくからな(はあと)」
   せっかく、セリナがこういうんだし(はあと)
   う〜ん(はあと)セリナがうまれてから殆ど、夜だけだったもんなぁ(はあと)
   リナとやるの(はあと)
   気がきくなぁvセリナのやつ(はあと)
   ま、義父さんがいるから大丈夫だろうし。
   などと思っているガウリイ。
   「ガ・・・・・ガウリイぃぃぃぃ〜〜!!!!////」
   そのガウリイの表情から、何を考えているのかを読み取り。
   瞬く間に真っ赤になってゆくリナの姿をみて。
   少し首をかしげつつ。
   「じゃ、おじーちゃんにれんらくしてくる!」
   ぱたぱたと。
   報告を入れるために。
   通信オーブのある部屋にと進んでゆくセリナ。



   ピロロロロン♪
   「お、セリナからか?」
   相手先を示す言葉に。
   顔をほころばせ。
   オーブを機動させる。
   想像通り、水晶の上にと浮かび上がる、愛しい孫娘の姿が。
   「よう!セリナ!」
   火のついてない、葉巻を口にくわえて、孫娘にと話しかける、マルス。
   「―お爺ちゃん!」
   映像の先のセリナが元気よく答える。
   「・・・・?お爺ちゃん?また、葉巻・・くわえてるの?」
   ぷっ。
   思わず噴出すセリナの姿が映像で映し出される。
   この装置、リアルタイムで相手の姿が映し出され、
   互いにそこにいるように話しができるという優れもの。
   「この方がかっこいいだろ?」
   セリナの言葉に、にっと笑みを浮かべて答えるマルス。
   「あ、きのうのね、おじいちゃん。
     セリナもいっしょにいっていいって。
      きょかでたよ!せりなもいく!いっしょに!」
   その言葉に。
   「―へえ、よくあの天然が許したなぁ。」
   よくまあ、あのガウリイが。
   セリナを旅に出すのを許したものだ。
   セリナの答えをききつつ、感心していると。
  「あのね!せりなね。きょうだいがほしいっていったの。
   リナママと二人でないとできないんだって。
    だからね、セリナがしばらくいなかったら。
     セリナにきょうだいのあかちゃんできるんだって!」
   ・・・・・・・・おい!
   さらりというセリナに、思わず目が点となる。
   ・・・・・やるな・・天然のやつは・・・。
   そう心で苦笑しつつも。
   「―・・・・・・・・・・・・・・なるほどな。
     リナのやつも我が娘ながら・・。
      ま、そういう理由か。」
   まあ、そういう理由なら・・・あいつは許すだろうな。
   そのときの娘であるリナの様子を思い浮かべて。
   思わず意地の悪い笑みがこぼれるマルス。
   「まあ、それなら、問題ないだろう。
     あ、そうそう、予定が早まって、今日でるが。
      大丈夫か?セリナ?」
   予定では、あさってのはずだったのだが。
   少し、天候とかの都合上。
   今日出発しないと、どうやら、目的の交渉の時間の日に。
   間に合いそうがないので、今日出発が決まったマルス。
   「―うん!」
   そんなマルスの言葉に、セリナは大きくうなづいた。 
   「じゃ、後で迎えにいくからな。」
   そういいつつ、セリナとの、通信を切る。
   「さて・・・。じゃ、俺もセリナと旅をするために。
    少し、準備でもするかな。あ、セシルにもいわないとな。」
   通信が終わり。
   とりあえず、妻にもその旨を報告すべく。
   すたすたと、その場を立ち去るマルスの姿が。
   インバース家の中で見受けられていた。


  「あのね!いま、おじいちゃんとれんらくしたの!
    きょうしゅっぱつだって!」
   ぱたぱたと、祖父との会話も終わり、
   台所に戻ったセリナが見たのは。
   まあ、いつものこととはいえ。
   リナを後ろから抱きしめているガウリイの姿。
   ママとパパ、いつも仲良し!
   そんな仲のいい、両親がセリナはとても好きであるのだが。
   「セリナぁぁぁぁ!
    お願いだから、ガウリイと二人っきりというのは・・・。
      考え直してよぉぉぉぉ〜!!!!」
    戻ってきたセリナに、少し顔を赤らめつつ、
    懇願しているリナ。
   「いいじゃないか(はあと)
     リナ(はあと)セリナ、赤ちゃんが欲しいんだもんなv」
    戻ってきたセリナに普通に話しかけているガウリイ。
    そのガウリイの前では、リナがだんだん顔をほのかに赤くし始めているが。
    「うん!」
    そんな父親の台詞に微笑むセリナ。
    「・・・・?リナママ?セリナのお出かけのようい・・いい?」
    そういって、なぜか、ぴったりと体を密着させている、
    リナとガウリイの下にいき、ローブのすそをセリナは掴む。
    「・・・・どーしてもいくの?」
    そんなセリナを涙目で見つめているリナ。
    「うん!だから、リナママ、あかちゃんよろしくね!」     
    「おう!だってさ(はあと)リナ(はあと)」
    「・・・・・と・・とりあえず、ご飯にするわよ!」
    ????
    何、パパ、ママの服のしたから手・・入れようとしてるんだろ?
    少しセリナは疑問に思うが。
    リナのご飯にするという言葉で。
    「わぁぃ!リナママのご飯!」
    思考を切り替えて。
    席にとついてゆく。
    
    とりあえず。
    そんなこんなで朝食は。
    滞りなく進められてゆく。

    「よう!セリナ!迎えにきたぞぉ!」
    時間的にそろそろいいはずだからな。
    ちょうど、タイミングを見計らい。
    家を出て、セリナを迎えに来ているマルス。
    大きな声で家の中にと話しかける。
    「あ、おじいちゃんだ!」
    すでに、リナに出発の用意をしてもらい。
    ご機嫌でまっていたセリナの元に。
    大好きな祖父の声が届いてくる。
    そのまま、リナが作ってくれた荷物を背中にしょって。
    そのリュックを背負い、ぱたぱたと、
    玄関にと出てゆく。
    「おお!セリナ!」
     玄関にと出迎えるセリナをにこにこと。
     抱きしめているマルス。
     その口には、火のついていない葉巻がくわえられている。
    「・・・・・・父ちゃん・・・。
       何でセリナを連れて行くなんて・・・。」
    娘であるセリナを抱きしめている父親に向かって。
    リナが恨めしそうににらみつけるが。
    「まあ、いうじゃないか。かわいい子には、
       旅をさせろってな。」
     くしゃり。
     にっかりとわらって、セリナの髪の毛をなでるマルス。
     「ま、久しぶりの夫婦水入らず。
       しっかりと楽しめよな。」
     そういって、リナとガウリイに軽くウィンク一つ。
     「ああvそうさせてもらうつもりさ(はあと)
       折角、セリナが気をきかしてくれるんだしなぁv
        セリナ、戻ってきたとき、楽しみにしてろよ?(はあと)」
     リナをしっかりと、後ろから抱きしめて、満面に笑みを浮かべているガウリイ。
     「うん!」
     「ガガガガガガウリイ!?あんた・・ヤッパリ!?まさか!?」
     ガウリイの言葉に、目を丸くしているリナ。
     ぽん。
     そんなリナの肩にマルスの手が置かれる。
     「ま、頑張れ。次の孫を期待しているぞ。」
     そうあっさりいって。
     にかっと笑うマルスに。
     「〜〜〜!!!父ちゃぁぁぁぁん!!!!
       助けてよぉぉぉ〜〜!!」
     真っ赤になって、父親に助けを求めるリナ。
     「ガウリイ!ぎばれよ!出来たら男の子!
       何しろ、ルナもリナも女の子だしなぁ。
         ま、どっちでもいいがな。」
     にやりと笑うその言葉に。
     「ええ。そのつもりですよ(はあと)お義父さんvv」
     「・・・ま、ほどほどにな。リナ、頑張れ!」
     「父ちゃぁぁぁぁんん〜!!!」
     そんなほのぼのとした会話を交しつつ。
     セリナを連れて、外にでる。
   
     「じゃ、リナママ、いってきまぁす!」
     玄関の先で見送る両親に手を振りつつ。
     祖父の手をつかんで、出発してゆセリナ。
     本日は、雲ひとつない快晴。
      空は澄み渡り、青空が広がっている。
    「よぉし、セリナ、しばらくお爺ちゃんと二人で、
     旅しような?」
    「うん!」
    手をひきつつ、隣にいるセリナにそういって話しかけるマルスに。
    にこにこと返事を返しているセリナ。
   
    「きゃきゃきゃ!」
    初めての、お出かけ。
    いつもは、パパとママとだけど。
    今回は、お爺ちゃんといっしょv
    それでかなりはしゃいでいるセリナを。
    暖かく見守りつつ。
    ふと。
    顔をしかめるマルス。
    「・・・と。とりあえずは、害虫退治だな・・。」
    そういって。
    空の一点をみつめ、にやりと笑って。
    カカカカカ!
    懐から取り出した短剣を。
    一箇所に向かって投げつける。

    どでっ!
    そこから出てくる一つの黒い影。
    「あ!ゼロスお爺ちゃんだ!」
    ずがしゃ!
    その影を認めて、セリナが叫ぶと。   
    ものの見事にひっくり返っている、
    何もない虚空から落ちてきた黒い塊。
    「セリナちゃぁん!何回もいいますけど!
      その呼び方は止めてくださいぃ!」
    この、出てきた黒い物体は。
    実は人ではない。
    一応、これでも、まあ、信じられないが。
    この世界の魔王。
    赤瞳の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥの。
    腹心の一人。
    獣王(グレータービースト)ゼラス=メタリオムが。
    作り出している、ただ一人の、直属の部下である。
    それゆえに、他の腹心の部下達とは違い。
    実力的には、腹心の次に力があるというかなりの実力の持ち主。
    どこにでもあるような錫杖をもち。
    黒い神官服に身をつつみ。
    いつも、にこにこ、人のよさそうな笑みを浮かべている、
    紫の髪に紫の瞳をしている、この男性。
    獣神官(プリースト)ゼロス。
    それがこの黒い物体の名前。
    「セリナ、こんなのは、害虫以外の何ものでもないからな。
      生塵以下なんだから、名前を呼ぶ必要なんかないぞ?」
    抗議しているゼロスを無視して。
    セリナを諭しているマルス。
    「・・・何しにきやがった?」
    いつも、こいつは、セリナにチョッカイかけてくるからな。
    少し警戒しつつ、一応聞いて見る。
   「いやですねぇ。決まってるじゃないですかv
     セリナちゃんのかんゆ・・。」
   にこにこにこ。
   いつもの笑顔で、指をちっちっちっと左右にふりつつ。
   にっこりと言いかけるゼロスのその言葉に。
   「永久にこなくていいい!!」
    どがっ!
    「ひ・・・ひどいですぅぅ!」
    叫びつつも、突如として出現した。
    大きな岩の塊の下敷きに完全になり、
    腕をぴくぴくさせているゼロスの姿。
    いきなり岩が出てきたので、首をかしげているセリナに。
    「さ、セリナ、いくぞ。」
    「・・・でも・・。」
    岩の下からぴくぴくしている手が見えている様子を見て取り。
    ・・・・大丈夫かな?
    ゼロスおじいちゃん?
    などといらない心配をしているセリナ。
    セリナは、両親ににて優しい心の持ち主なのである。
    「気にしなくていい。」
    「うん!」
    まあ、マルスお爺ちゃんがそういうんだったら。
    気にしなくてもいいんだろうな。
    あっさりと納得して。
    「さ、いくぞ。」
    「はぁぁぃ!」
    ぴくぴくと。
    岩の下敷きになっているゼロスをそのままに。
    何事も無かったかのように、進んでゆく、祖父と孫娘の姿が。
    うららかな、ゼフィーリアの街道にて。
    見受けられていた。




    ・・・・・・・。
    「・・・・・まったく、ここの人達って・・・人間離れ・・
      本気でしてますよねぇ・・。」
    いつのまにか。
    岩の下から出たものか。
    ・・まあ、彼等にとっては、物理的なダメージなど。
    関係ないとはいえ。
    「・・・ま、何かあっても困りますしね、
     追いかけるとしますか。」
    命令が命令なので、セリナに何かあってもらっては困る。
    そんなことになったら、自分が上司からお叱りを受けるのだから。
    とどのつまりは。
    セリナを魔族に勧誘しろと命令されているゼロスにとっては。
    セリナの護衛もまた仕事のうちなのである。
    そういいつつ。
    ゆら・・。
    瞬く間にその姿をかき消していた。



                      −続くー

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   あとがきもどき:
      ちなみに、分かった人には分かるかと・・。
      はい。『欲しいもの』バージョンの一、二と。
      同じ箇所がかなぁぁりあります(まて!)
      さて、次回でよーやく、セリナとマルスの旅の始まりv