スレイヤーズふぉうえばあ















                    第九章
                 ゼルガディスの告白
                     前編





あたしたちは今レイたちの空間移動でセイルーンの城の前にいる。
本当に空間移動できたんだ・・・・・。
「本当にできたんだな・・・・・空間移動・・・・・ゼロス以外にも」
ゼルはあたしも考えたことを口にする。
「まあ、これでも異世界の魔王ですから。レイは」
ケイさんがレイに目をやり微笑みながら言う。
「ま〜・・・・・・(笑)」
レイは頭をかきながら照れている様子。・・・・なんか可愛い・・・・・・。
でも、いきなり城の前に現れて良かったのかな・・・・・。
なんか門番の兵士・・・・びっくりしてたおれてるし・・・・・(汗)。
「何者だ!?、お前らは?」
倒れていた兵士の一人が立ち直り聞いてくる。
「オレたちはアメリアが誘拐されたと知りフィリオネル王子に会いに来た」
ゼルがいう。
「アメリア様を呼び捨てにする輩を信用するわけいかん!、誘拐されたのは事実だが・・・・」
おい。・・・・・信用しない輩にそんなこと言っていいのか・・・・・。
あたしがそんなことを思ってるとゼルがさっきの手紙を取り出した。
「オレたちのところにこんなものが届いたのだが・・・・・」
門番はその手紙を見て。
「こ、これは・・・・・・!、わかった。今、王子に知らせてくる。お前の名は?」
なぜか、門番はゼルじゃなくあたしにきいてくる。
「あたし?、あたしはリナ、リナ=インバース」
「リナ=インバースだと!?、わかったいますぐ入れ」
門番は道をあけた。
「え、でも・・・・」
「リナ=インバースが来たら中に入れるように言われいる」
「あ、そう」
あたしたちは中に入った。


「おお、噂を聞きつけてきてくれたのかリナ殿」
あたしたちの前の玉座に座っているのがフィリオネル王子・・・・フィルさん。
「いえ、噂聞いて来たんじゃなくてこんな手紙があたしたちのところに来たんですけど」「手紙?じゃと」
「はい」
そう言ってあたしはゼルに手紙を出させた。
「これは・・・・・・なんじゃと!・・・・ゼフィーリア・・・・・」
「はい、ゼフィーリアはあたしの故郷です」
「そうか、じゃ、助けに行ってくれぬか?」
「そのつもりです」
あたしはそう言って頷いた。
「ところで・・・・・・おぬしか、ゼルガディスという男は?」
フィルさんはゼルに目をやった。
「なぜ、オレの事を!?」
「な〜にいつもアメリアから聞いておる。キメラの身体を人間に戻す方法を探しているとま、わしはキメラだろうが、魔族だろーがなんだろうが生き物皆兄弟だから関係ないがながはっはっは・・・!」
フィルさんは大声で笑った。
やっぱこの人すごいわ・・・・・・。王子って顔じゃないし・・・・・髭にあの輪郭・・・・シルフィールなんかショックで倒れてトラウマになったもん。
「今日はもう昼じゃ。この町でやすむといいわしも早くアメリアを助けてほしいのじゃがゼフィーリアまではなにぶん日がかかるじゃろ、ゆっくり休んで明日出発するといい」
「いいえ、今から行きます!」
ゼルが強い口調でいう。
「ゼル・・・・」
あたしがつぶやく。
「なんじゃと?・・・・そう言ってくれるのはありがたいが・・・・休んでから行ったほうが・・・・・・」
フィルさんは言いかけてゼルの目を見た。
「わかった。よろしく頼む」
「はい!・・・・・ゼロス、レイ、ケイ空間移動でゼフィーリアまで連れて行ってくれ」また強い口調で言った。
『え!?』
三人の声がハモった。
「気持ちはわかるが、オレとケイここの魔道士協会に用があるからすぐはちょっと・・・・」「ええ」
レイが言ってケイさんが頷いた。
「僕もちょっと獣王さまに報告が・・・・・・ダークスターのことを・・・・・」
ゼロスも言う。
「そうか・・・・・」
ゼルは残念そうに言った。
そのな様子を見たレイが。
「夕方か夜までには終わるから・・・・・そしたら出発するか」
「本当か!?」
ゼルが勢いよく問いかける。
なんかいつもと違う・・・・・ま、わかるけど。あたしもそうだったから。
「ああ、じゃ、オレたちはちょっと行ってくる。
そう言ってレイとケイさんは行った。
「じゃ、僕も」
ゼロスも消えた。
残ったあたしたち三人は町の宿で三人(ゼロスはどうでもいいけど)を待つことにした。



「ね〜ゼル、あんたやっぱりアメリアのことすきなんでしょう?」
あたしたちは宿の部屋で三人話をしていた。
「・・・・・・」
ゼルは黙っている。
「ま、それならそれでいいんだけど」
「何がだ?」
「だから!いいかげん素直になりなさいよね」
「お前には言われたくないとおもうが・・・・」
ガウリィが横から口をはさむ。
「その通りだ」
ゼルも言う。
う・・・・・わかってるわよ・・・・・でもね・・・・あたしはちゃんと告白したもん!。
「・・・・・なによ!ガウリィ!、こういう場合はあたしたちのことはいいの!・・・・で!、アメリアのことどう思ってるのゼルは!?」
あたしは二人の言葉にむかつきやけくそになりそんなことを言った。
「・・・・・・・好きだ・・・・・」
ゼルから返ってきた言葉はそれだった。
「でも、オレはキメラだ・・・いつ人間の身体に戻れるか・・・・・・そんな男を・・・・・・・・・・」
なに言ってんのよこの男は!。
あたしはむかむかし、ゼルをびしっ!っと指さし。
「あんたね!、何いってんの?、さっきフィルさんの言葉聞いてなかったの!」
「それは聞いていたが、アメリアがオレのことどう思ってるかは・・・・・・」
むか、むか。
「アメリアはね!、あんたのこと好きなのよ!。あんたが元の身体に戻ろうがもどれまいが!、男だったらしゃきっとしなさい!」
あたしは言い放つ。
「おいリナ」
ガウリィの声が聞こえる。
「何よ!」
「小さいころに人指さしちゃいけないって習わなかったか?」
真顔でいうガウリィ。
ばしっ〜ん!。
あたしのスリッパがガウリィの顔面に直撃する。
「今はそんなことどうでもいいの!」
あたしはガウリィをにらみつける。
「くくく・・・・」
その様子を見ながら苦笑するゼル。
「お前らにはかなわん」
「当たり前でしょっ!いいアメリアを助けたらちゃんと告白すんのよ!?」
「ああ、わかった。そうするよ」
ゼルは頷いた。
そしてドアの向こうで一人黒いマントで口に布を巻いている髭の男があたしたちの会話を聞いていたとはこのとき誰も知らなかった。



つづく・・・・・・。