スレイヤーズふぉうえばあ















                   第四章
                   合 流






「なんか騒がしいわね。むこうのほう・・・・行ってみましょうか?」
「ああ、そうするか」
あたしたちは人だかりの方へと行った。
そしてあたしが人だかりを割って入るとそこには倒れて居る女性にキスをしている男性がいた。人工呼吸か・・・・・いや、違う・・・・男性は女性に覆い被さった形になっている。男性が女性を襲っているのか?・・・・・!。
あたしは男性を見たとき、愕然とした。金の長い髪に整った顔立ち・・・・・・多分、青い瞳・・・・。それは、あたしの婚約者・・・・・ガウリィ=ガブリエフ。そのひとだった。
「が、ガウリィー!!!!」
あたしは叫んだ。
「えっ、リ、り、り、リナー!っ」
ガウリィは唇をはなしとっさに立ち上がった。
「あ・・・・・・あんたっ!・・・・」
あたしの時は止まった・・・・・・。
ガウリィは女性から離れあたしのほうに来て言う。
「リナ・・・・・・・こ、これは・・・・・事情っていうかなんていう・・・・・事故なんだよ!・・・・」
あたしの肩にガウリィは手をかけようとしたがそれを手で払う。
そして、ガウリィを思いっきり睨みつける。
「リナ・・・・・」
「・・・・・・・・」
あたしはガウリィの呼びかけに答えない。倒れてる女性は呆然としている。こっちを見ている、それはそうだいきなりキスされたのだから・・・・・多分。
その時。
「ケイ!、どうしたんだこんなところで倒れて?」
レイの声がした。レイは群衆に割って入って女性を抱き起こす。
「レイ・・・・・やっと来たのね・・・」
「何があったんだ?」
レイがケイと呼んだ女性に聞いたとき。
ばたっ!。
ガウリィがあたしの横に倒れてきた。
「ちょ、ちょっと・・・・」
「レイ!、ガウリィさんに『光の力』を!」
「お、おう!」
レイはケイという女性・・・・・ケイさんをおろし、ガウリィ
のほうに来た。
「リナ、ガウリィの傷を治す!」
そういってガウリィ手をかざし
見れば、ガウリィは傷だらけで血も滲んでいた。
「光の力!」
レイの言葉と共に掌から青い光がでてガウリィの傷は跡形もなくなった。
意識は戻らない。
「このまま宿屋に運ぼう」
レイはガウリィの巨体を軽々と背負い。ガウリィの泊まっている宿へ行った。


それから三日・・・。
あたしはケイさんから事情聞いた。
ケイさんがいうにはガウリィはこの近くの川で男に襲われたらしい。
で、セイールンで目覚め、そこでガウリィに会い、光の剣を渡しこの村に一緒に戻ってくる途中また襲われ、怪我をしケイさんは傷を治すことができないらしくそのまま三日前この村に来てガウリィが貧血で倒れ、ケイさんに覆い被さり、おまけに唇まで重なってしまった。そこにあたしたちが来たらしい。
で、ここは宿屋一階の食堂・・・・。夕食。
「・・・・だから言ったろう、事故だって!。それなのに睨みつけて・・・」
あたしの隣に座ってステーキを食べているガウリィ。
「だからごめんって謝ってるでしょう」
あたしはエビフライを食べいる。
ちなみにガウリィは今朝目覚めた。
「じゃ、今夜それを態度で示してもらうからな〜」
ガウリィはそんなことを笑顔で言った
「ダメなんてダメだからな」
ぎくっ!、ゆおーとしてたことゆわれた。
仕方ない、一ヶ月ほったらかしにしてたのと誤解をしたからおとなしく従うか・・・・。
今夜は眠れない〜(涙)。
「ところでリナ。いままで何やってたんだ?」
「レイに魔法を教えてもらってたのよ」
「魔法?、お前さん魔法ならたくさん使えるだろう。今さら修行するもんじゃないだろ」
「あんたね・・・・」
あたしが言いかけたとき。
「あのう、ガウリィさん私説明したわよね・・・・・」
あたしの正面に座ってコーヒーを飲んでたケイさんが口を開いた。
「そうだっけ?」
「やっぱりリナさんの前ではクラゲなんですね(笑)」
な、なにこの人・・・・なんでこいつの本質を見抜いた?ような発言は・・・・。
「いや・・・そんなわけじゃないんだが」
ガウリィは頭をかきながら言った。
「うふふふふ」
な、なんだこの二人の会話は・・・・。
なんでこの人笑ってんの?。
「あんたにはかないそうにないや・・・・ああ、知ってるよ。この世界の魔法が効かない相手だから異世界の魔法修行してたんだろう」
「わかってんじゃない」
「で、この男は誰だ?」
ガウリィは自分の正面のレイに眼をやった。
「あ、まだ自己紹介してなかったな。オレは天原レイこっちのケイとは夫婦だ。
で、異世界で魔王やってる」
「え〜っっっーーーーー!」
あたしは絶叫した。
「あ、あんたー!!!!、今の『魔王』って言った!?」
「ああ、言ったよ。事実だもん」
「じゃあ、魔王直々にきたわけ、あんたの世界の魔族を倒しに?そんなに強いわけ王鬼ってのは?」
「いや、仲間内でジャンケンやってオレ達が負けたから(笑)」
こいつ笑顔でそんなこと言うな・・・・・。それにジャンケンっていいのかそんな決め方で!。
「ジャンケン・・・・ってそんな決め方でいいんか」
あたしは言ってしまった。
「だって、誰も来たがらなかったから・・・」
ケイさんが言った。
「まあ、必ず倒しますから」
カツサンドを食いながら言うレイ
「あ、こっち、Aセットください・・・・」
「私も(笑)」
あ〜、こいつ等の世界って・・・・・。
「じゃ、オレはBセット・・・・」
ガウリィまで・・・・。
あたしは頭を抱えた。
「どうした、リナ、頭でも痛いのか?」
ちが〜う!!!!、こいつやっぱ状況を理解してない・・・・。
異世界の魔王まで出てくるなんて今回の敵って・・・・・。
「まあ、はぐ・・・もぐ・・・・気にしたってしかたないだろ・・・がり・・・今までだってなんとかなってきたんだろう?」
レイは、チキン食ってる。
「そうよ、そのために私たちがきたんですから(笑)」
レイとケイさんはあたしの心境を知ってか知らずか・・・言った。
「そうなんだけど・・・・」
「なんだ、リナ飯頼まないのか?、これほしいっていってもやらないぞ」
ガウリィ!こいつは・・・・・。
「まあ、とりあえずセイルーンにでも向かうか」
「え、またセイルーンに行くの?」
「うん、ケイはこの前いったんだろう」
「うん・・・・」
「なんかあったのか?」
「いや・・・・ちょっと・・・・」
レイとケイさんはそんな会話をしている。
セイルーンか・・・・・・アメリア元気かな・・・・・。
ゼルもいるのかな・・・・・。
そう言えばガウリィに光の剣届けに来たって・・・言ったけど。ケイさん。
「ケイさん」
「はい?」
「なんであなたが光の剣持ってたんですか?」
「それは、もともとそれはうちの世界の前魔王が自分の旦那のために作ったものですから、ねぇ、レイ」
「ああ」
「うちの世界・・・・って、だってこれあたしたちが前のダークスターとの戦いのときにその世界の奴に返したんだけど・・・そのときレイたちは来なかったじゃない・・・・それともあれ仲間なの?」
「いや、あの連中とは別の世界らしい」
ガウリィが口をはさんだ。
「へ?、なんであんたがそんなこと知ってるの?。ガウリィ」
「ケイが言ってた」
「『ケイ』ってあんたね!勝手に呼び捨てしてるんじゃないわよ!」
「あんだよ、お前さんだってレイのこと呼び捨てしてるじゃないか・・・」
「あたしは、いいの許可もらってるから」
「そう。呼び方なんて大して気にしないから(笑)、オレなんかガウリィより五つも年下なのによびすてしてるし」
「そうそう」
「ほーら」
あたし達三人同意見。
「そーいやー、ケイとリナって声そっくりだよな〜」
ガウリィの奴話すり替えたな・・・・・。でも、そう言えばそうね。
「オレも思った。雰囲気の似てるよな」
「うん、うん。胸はリナの方がない・・・・・・あ!」
どかっっ!ばしーんん!!!!。
あたしのスリッパが見事に二人に決まった。
「なんで、オレにまで・・・・いてえ!」
「あんたがこの話降ったから
きっぱり言うあたし。
「異世界の魔王にスリッパを直撃させるなんて相変わらずですね。リナさん」
どっかから聞いたことのある声が聞こえた。
しかも会いたくない奴。
「ゼロス!!!!!!!!っ」
いつのまにかあたしの隣に立っていた生ゴミパシリ魔族のゼロス。
「あんた、何しに来たのよ!?」
「獣王様のご命令であなたたちと行動するように言われましたのできました、まさか相手があの王鬼だとはね〜レイ様。ケイ様」
「ああ、久しぶり。ゼロス」
「久しぶりね」
「久しぶりねって・・・知ってるの?ゼロス」
「はい、ちょくちょくお邪魔させてもらってるんですよお二人のいる世界に・・・・最近はお二人にはお会いしてなかったんですが」
あたしの問いに答えるゼロス。まあお互い魔族みたいだからなにがあっても不思議じゃないが。
「おや、増幅機(コンバーター)じゃないですか〜やはり異世界の力を操るには必要でしたか〜」
「うん、そうみたい」
「ゼロスも必要だろう。お前の力でも無理だろあいつと渡り合うのは?」
「いえ、ご心配なく。ある人から僕ももらったので(笑)」
「そうなんだ・・・・・そろそ休むか」
「そうね」
「もう行っちゃうんですか?、せかっくお会いしたのに・・・・」
「ああ、明日早くセイルーンに行かないとまずいからな」
レイとケイは部屋へ行った。
ゼロスは残念そうに二人を見送った。
「さて、じゃあオレたちも部屋に戻るかリナ」
「うん」
「リナさんたちも部屋に戻るんですか〜」
「そうだけど」
「せっかく面白い話持ってきたのに」
ゼロスはいつも以上の笑顔をしていた。

つづく・・・・。