I 妹 な関係 |
(8) 安心する。 幸せだと感じる。 温もりを感じる為に引き合う。 多分、それが『接点』だったんだよね? アメリアに聞いてみたの。 『怖くなかった?』って。 そしたら、ね。 アメリアは真っ赤な顔をしながら、それでも幸せそうに言ったんだ。 『初めは怖かったけど、でも、すごく嬉しかったよ?』って。 そう。 変にこだわったりする必要なんてないんだね。 怖いのは、変わってしまう事。 でも・・・変化は必ずやってくるモノだから。 だから・・・。 「あ〜あ、あいつらに先越されちまったなぁ。」 くすくす。 どっかりとソファーに横たわるガウリィ。 口調の割には、楽しそうだけど。 「今回の貸しはかなりでっかいからなぁ。何で返して貰おうか、リナ?」 「そりゃあ、向こう1ヶ月は二人のおごりでお食事ってのが妥当よねぇ?」 顔を見合わせては吹出しながら、自然と寄り添いあう。 「・・・幸せそうだよね。」 「そうだな。」 「私達も・・・あんな風になれるかな?」 「勿論、それ以上になるさ。」 「そっか・・そだね。」 私を抱き締める腕に、微かにこもる力。 すぐ目の前に、ガウリィの端正な顔。 「・・・・結婚、しよう。」 「・・・・・・。」 「今日改めて思った。リナを早く俺だけのモノにしたいって。だから・・・結婚してくれないか、リナ。」 「・・・・いきなりだね。」 「俺はずっとそう思ってたけどなぁ。」 「姉ちゃんとの約束だから?」 「・、怖い事思い出させるなよな。」 「うん・・・いいよ、ガウリィ。」 私のあっさりとした返答に、ガウリィは一瞬表情を固め、そして、極上の微笑み。 「あ、あのね、だからって今すぐとかはちょっち無理だけど!」 「じゃあ、いつ?」 額にキス。 「けじめ・・つけてから。」 「けじめって?」 頬にキス。 「高校卒業して、大学合格して、そしたら・・・お嫁さんになったげる。」 「それまで、まだ駄目?」 「・・・・それまで待ってて欲しい・・・じゃ、駄目?」 静かな、唇へのキス。 ガウリィはおもむろに立ち上がると、カレンダーのとある日にちに赤丸を付けた。 ・・・あまつさえ、花丸に旗まで書いてるよ。 その日は、いわずと知れた私の合格発表日。 「ガウリィ・・・それって露骨すぎ(汗)。」 「いいだろ、これぐらい。・〜、あと(指折り数えて)・・・結構長いなぁ。」 「・・・馬鹿。」 私の、本当に小さな決意。 あと少しだけ・・・待っててね、ガウリィ。 |