I 妹 な関係 |
(4) 白紙の願書。 提出日は・・・1週間後。 「はぁあああ・・・。」 どうして、時間って何もしなくても経っちゃうのかしら? 姉ちゃんが帰るまで、あと3日しかないじゃんかぁ! 答えてあげられなかった、あの日以来。 ガウリィは、何処か私と距離を持つ様になった・・気がする。 でも。 ・・・迷っちゃったんだもん。仕様がないじゃないか。 「元気ないね、どうしたのリナ?」 「う〜ん、ちょち、ね。」 「・・・・ルナさんの事?」 「・・・!な、何であんたが知ってるのよアメリア!」 「うん、昨日御馳走になったから。ゼルガディスさんと一緒に。」 ね・・・姉ちゃああん? ひょっとして、周りから口説こうって魂胆ですかぁ? 「ん、んで?どんな話した訳?」 「え〜・・・ご免ね、それだけは今は言えないの、てへ。」 「てへ、じゃないっ!さぁ吐け〜アメリアぁああ!」 「だってだって!ルナさんに口止めされてるし、言ったら私がルナさんに殺されるぅうう!!」 ・・・・そうだった。 アメリアも、姉ちゃんの恐ろしさを知っている1人だった。 ・・・ちっ、使えない! 「で、でも。リナの事すっごく想ってるってのは、絶対確かだと思うよ?」 「・、そりゃ・・・解るけど、さ。」 ぐるぐるぐるぐる、と。 まとまらない考えだけが、いつまでたってもシコりとして胸に残る。 ぴんぽんぱんぽ〜ん。 『3年のリナ=インバース。電話が入ってるから至急職員室まで来る様に。繰返す・・・。」 「・・・誰だろ?」 「さぁ?・・取り合えず、その話はまた今度ね、アメリア。」 職員室に向かう私の背中に、アメリアが言った言葉は聞こえなかった。 「でも・・・何だかルナさん、本気には見えなかったけどなぁ?」 「はい、インバースですけど・・・姉ちゃん?どうしたのいきなり?・・・うん、 うん・・・・ ひょえぇええええ?!!」 「リナは?」 「え〜と・・・何処からか電話が掛かって来た後、モンの凄い勢いで帰りましたけど。」 「帰った?・・・まさか!」 これまた凄いスピードで走り去るガウリィを見て、アメリアとゼルガディスは小さくため息をついた。 「ひょっとして・・・例のアレか?」 「多分・・・そうだと思います。」 ゼルガディスは、珍しく楽しそうに笑いながら。 「それにしても、何だな。あの二人があんなに振り回されるとは、あのルナって人、凄い女なんだな。」 「そりゃもぉ!あの人に適う人なんて、きっと世界中探してもいませんよ!」 「・・・・そこまでか?」 「はい!・・・怖い人です。」 二人は顔を見合わせ、思いきり吹き出した。 「そりゃ、見物だな。あいつらがどうなるかってのが。」 「えへへへ、実は、ルナさんからさっきメールが入りまして、空港に来ると面白い モノが見られるらしいですよ?・・・行きませんか、ゼルガディスさん?」 「・・・勿論!」 「リナ!・・・ちくしょう、ルナのヤツっ!」 部屋に戻ったガウリィは、テーブルの上の紙を見た途端、再び物凄い勢いで飛び出して行った。 紙には一言。 「リナは連れて帰ります。悔しかったら追い掛けてくる事ね?」 |