Behind the Red Curtain
〜第七幕〜





















「The French are glad to die for Love......」(フランス人は愛のためなら喜んで命をすてる)

空中ブランコに腰掛け、シルクハットを被ったスラリとした長身……。

「They delight in fighting duels......」(彼らは命を賭けた決闘が大好きなんですって)

ホールに響き渡る透き通った歌声……。

「But I prefer a man who lives......」(でも、私が好きなのはそんな男じゃなくって…)

闇の中に浮かび上がる、ダイアモンドが散りばめられた黒い水着のような衣装…。
透けるように白い白磁のような肌と、スパイラルカールのかかった燃えるような緋色の長髪……。

「And gives expensive──」(高いダイアモンドを......)

不意に照明が元のように明るくなったかと思うと──

「JEWELS!」(......くれるひとっ!)

その最後のフレーズを合図にしたかのように、トランペットがリードする軽快な演奏が始まり、
空中ブランコは大きく弧を描きながら、地上との距離を縮めていく。

そして──

「A kiss on the hand may be quite continental!」(手にするキスはとっても古風だけど)

彼女が地上に降り立ち、高らかと歌い始めると同時に、男たちの歓声が最高潮に達した。
彼女を取り囲むように群がる男たちの間を、媚びるような、しかし美しすぎる笑顔を浮かべて、
トップコーティザンは優雅に歩いていく。

「But diamonds are a girl's best friend!」(でもダイアモンドが女のベストフレンドなのよ!)

時折、クラブの男性ダンサーたちが彼女を持ち上げたりして、
その美しさをより一層引き立たせるような演出を加えている。

「A kiss may be grand, but it won't pay the rental on your humble flat!」
(キスって素敵なものだけど、あなたのボロアパートの家賃にはならないし)

彼女の歌うとおりに、男達はダイアモンドや札束を手に、コーティザンの気を引こうとしている。

「Or help you feed your pussy cat!」(子猫チャンの餌代にもならないわ!)

「Men grow cold as girls grow old!(女達が年をとると、男達は冷たくなっていく…)
And we all lose our charms in the end......」(そして私達は皆、最後には魅力を失ってしまうもの…)
「But square-cut or pear-shaped (でも、スクエアカットやペアシェイプ)
These rocks don't lose their shape!」(宝石は輝きを失わないわ!)
「Diamonds are a girl's best friend!」(だからダイアモンドは女のベストフレンド!)

そこまで歌うのを聞いて、あたしは彼女の美しさに、中てられてしまっていた。

気づいたときにはガウリイの手は、もうあたしの腕を掴んでいなくって…。
人込みにもまれて、彼がどこにいるのか、分からなくなっていた……。
                        
                                        
…to be continued