Behind the Red Curtain 〜第二幕〜 |
あたしたち三人は、男のおごりってことで、コーヒーを三つ注文した。 ウエイトレスが会釈してテーブルを離れると、あたしの向かいに席をとった男が咳払いをする。 「申し遅れましたが、私はこの街で“ジャルダン・ド・ミース”という店を経営しております、 クリス・ガードナーという者です。」 ち、ちょっと待って…いまサラリと凄いこと言ったぞコイツ……。 「ジャ、ジャルダン・ド・ミース!?」 ──といえば、世界で三本の指に入るといっても過言ではない、超高級ナイトクラブぢゃないのっ!! しかも経営ですってぇっ…!? 「あ、あんたって…あの享楽の夜の王者と言われるナイトクラブの…支配人なわけぇ!?」 「正確には、ダンスホールと娼館です。これでも、なかなか繁盛させていただいておりまして♪」 相変わらず人好きのする笑顔で応えるガードナーさん……。 な、なんか、どこぞの生ゴミ魔族みたいな雰囲気をかもしだしてるかも…。 「そ、それで、依頼内容は?」 そして冒頭の騒ぎへと発展するわけである。 まぁ、騙すと言っても、そんなに悪質で陰気でタチの悪いものではない。 店のトップコーティザンに、ガウリイをどこぞの国の公爵だと信じさせればいいのだ。 …to be continued |