迷いの森・誘いの湖 |
第四話 「ふわぁああ〜〜〜〜、おはよガウリイ。」 「あぁ、おはよ。」 朝、目が覚めるとガウリイはもう起きていた。 「ずっと起きてたの?」 「いや、ちゃんと寝たよ。」 「そう、ならいいけど・・・みんなまだ、寝てるわね。」 「疲れてるんだろ、いきなり別の世界に来ちまったんだからさ・・・」 「そうね・・・で?どうしてあんたはここにいるの?」 「はい?」 間抜けた返事を返してきたのは、生ゴミ魔族。 「だ・か・ら・!ゼロスなんでここにいるのよ?」 「いやですねぇ〜僕が理由もなく出てきてはいけないとでも?」 「だめよ!」 「そんなぁ〜・・・リナさん冷たい・・・(泣)」 えぇ〜い、魔族のあんたがウジウジしないでよ!鬱陶しい!! 「で?ホントは何しに来たんだゼロス?」 「・・・きりきり白状しないと、アメリア直伝の生の讃歌歌うわよ!」 「う゛・・・分かりましたよ(泣) 別に今回は命令じゃないですし、僕の興味で来ただけですから話しますよ・・・」 器用にも涙を浮かべてゼロスは話し出した。 「この湖をちょっと調査にきたんです。」 「なんで?」 「興味がわいたんですよ、異世界とつながる湖に・・・」 「ふ〜ん、昨日の話きいてたわね?」 「あ、ばれちゃいました?」 「わからいでか!」 悪びれもせずゼロスは笑うと 「あぁ、それと、この湖今回を逃すともう二度とつながりませんよ、この方達の世界 に。」 ニッコリと笑いながら、とんでもないことを言う。 「な!?」 「ホントか!」 いつのまに起きたのか、キールがゼロスに詰め寄った。 他のみんなは固唾をのんで見ている。 「どうして、僕が嘘をつかなくてはいけないんですか?」 「どうって、お前の言っている事が真実だとでも言うのか?」 「あ、キール、ゼロスの言っている事は多分本当よ、嘘だけは言わないのが唯一の取 り柄なヤツだし。」 「リナさん、酷いですよぉ〜」 「じゃぁ、どうやって調べたんだ?」 「はははっ、そんなの簡単ですよ、この湖の内から流れてくる力が高まってきてい る。 そして、昨日の話から推測すると、無くなっちゃうそうですからねぇ、あなた方達の 世界。」 あ・・・そうだった。(汗) そりゃそうよね、この湖が入り口なら、出口の湖がある世界が無くなったら帰れるは ずがない・・・ 「で?今も湖の入り口開いてるの?」 「いいえ、今は閉じてますよ。 アレは元々、空間にかかる不可によって開いちゃったんですから。」 「付加だと・・・?」 キールはゼロスに聞いた。 「えぇ、そうですよ、もともとこの森と湖には強い魔力があって、 っていうか、昔、獣王様が、この辺りに別荘建てて暮らしてた名残ですかねぇ〜? 変な風に変化しちゃった動物が今も住んじゃってますし。 この湖も、『大パノラマで水浴びしたい!』っていうおもいで作ったものですし。 で、ですね、そのときの魔力と、あなた方の世界の何か大きな力が反応しあって、開 いちゃったんです。 いやぁ〜なんて偶然、はっはっはっは・・・」 『・・・・・・・・・』 キール達は固まった。 「・・・ゼロス・・・そんな物騒な動物とかは早く処分しときなさいよ!!」 「え〜でも、別に可愛いもんじゃないですか、レッサーデーモンに毛の生えたような 動物くらいv」 「普通の人間にとったら、十分驚異よ!!」 「おい・・・まだ固まってるぞ・・・」 ガウリイが凍り付いているキールをつついている。 「すまない・・・あまりに非常識な話に、ついていけなかった・・・」 「あははは・・・気にしないでこいつはいつも非常識だから。」 とりあえず彼らにゼロスの正体を話しておいた。 「あのな、メルディ聞きたいよ?」 「何ですか?」 ゼロスは、メルディの方をむくとニッコリ笑った。 「ゼロス、人間じゃない・・・まぞく?・・・なのに姿人間いっしょ、なんでな?」 「そのことですか? 別に僕たち魔族に姿形なんて無いですよ? ただ、高位の魔族になるほど人間に近い形を取れるようになるというだけで、 基本的には何にでもなれます・・・ほら・・・」 ゼロスはそう言うと、メルディになって見せる。 『な!?』 「バイバ!メルディな・・・すごいな・・・」 「そうですか?」 メルディ以外の三人は絶句している。 そして、ゼロスは元の姿に戻ると 「それで、話を戻しますと、あと5分で向こうの扉が開きますよ。」 『それを早く言え!!!』 全員の声がはもった。 「良かったじゃない、これで帰れるよ!」 ファラが言った。 「あぁ、そうしたらすぐにグランドフォールを止めよう!」 「はいな!シゼル倒すよ。」 「リナ、ガウリイ、色々ありがとな。」 「いいえ、どういたしまして。」 「がんばれよ・・・守るためにな♪」 「な!?」 「何々?何のことリッド?」 「う・・・別にいいだろ!」 「あ〜〜〜何か隠してるぅ!」 「隠してねぇよ!!」 「リッド顔まっかよ〜?」 「確かに赤いな。」 「あははは、白状しちゃった方が身のためよ?」 「あ゛〜〜〜〜もういい!帰るぞ、帰ってグランドフォールを止めるんだ!!」 「無理ですよ?」 意気込んで湖へと向かう彼らをゼロスの声が止めた。 「え!?」 一斉に振り返る面々。 「どういうことゼロス?扉は開いているんでしょ?」 「開いていますけど、こちらの湖の扉は開いていません。」 「はぁ?」 「要するに、二重扉なんですよ。」 『に・・・二重扉?』 リッド達の唖然とした声が聞こえた。 「はい。あなた達の世界には今、大きな力が加わっていますがこちらの世界には加 わっていないですから。」 「ちょっと、どうにかならないの?」 「無理ですよぉ〜元々のこの森に散らばった獣王様の長年の力は昨日扉が開いたとき に使ってしまいましたし・・・。」 「もう一度、その獣王とかに、力を加えるように頼めないのか?」 キールの言葉にゼロスが笑う。 「はっはっは、ご冗談を、獣王様がそんなめんどくさいことするわけ無いじゃないで すか〜しかも、異世界の人間のためなんかに。」 「・・・・・・・・・・・」 「・・・あ、気にしないで、こういうヤツだし、魔族ってみんなこんなもんだから・ ・・。」 『エターニアの世界よりすごいとこかも・・・(汗)』 彼らの小さなつぶやきは誰にも聞こえることは無かった・・・。 「一体、どうしたらいいんだ!!」 「大丈夫だよ、イケる!イケる!」 「はいな!なんか考えるよ〜。」 「まぁ、何とかなるだろ。」 真剣に悩むキールと明るく考える三人。 って、あたしも何か考えないと。 ゼロスの話だと、向こうの力の流れからしてあと20分くらいは扉は開いているそう だ。 20分を過ぎると、力が大きくなりすぎてこちらの世界とのバランスが取れなくなり つながらなくなると言っているし。 「・・・くそ!晶霊達が眠ってしまっていては、力をかりる事もできない・・・」 吐き捨てるように言ったキールの言葉に、 「あ!そうか!!」 あたしはあることを思いついた。 「何か思いついたのかリナ?」 「えぇ・・・ねぇ、ゼロス、こちらから与える力はどれくらいあればいい?」 「・・・そうですねぇ〜・・・山一つ吹き飛ばせるくらいの力があればいいですよ ?」 紫色の目を薄く開けあたしを見るゼロス。 こいつ・・・最初から開く方法知ってたわね・・・。 「そんなの、無理だ!山を吹き飛ばすほどの力なんて!」 「そうだよ、いくらなんでも・・・だって、晶霊銃くらいの威力なんでしょ?」 「む・・・無理だな。」 「無理なのか〜?」 そんな四人を見ながらガウリイはのほほぉ〜んと言った。 「あははは、リナならできるって、なんてたって『ドラマタ』だからなぁ〜」 「ドラマタってなんな〜?」 「あの泣く子も黙るドラゴンさえも、避けて跨いで通るという・・・」 ずこっ! 「やかましい!」 あたしのスリッパの一撃にガウリイが沈黙した。 まぁ、当然の報いね・・・って、みんなの目がちょっと脅えて見えるのは気のせい? (汗) つづくぅ・・・ あとがき さぁ、とうとうクライマックス! 彼らの帰る方法は!?・・・今からこじつけかんがえなくちゃv しっかし・・・登場人物多いと難しいね。 台詞配分とか・・・気がついたら喋ってなかった人とかいるし。 途中で思いついたように台詞入れたりして誤魔化してるけどねv でもって、次で多分最終回です! それでは、おたのしみにぃ〜♪ |