迷いの森・誘いの湖






第五話











「とにかく!あたしがドラグスレイブ一発撃てばいいことなんでしょ?」
「まぁ、そうなんですけど。」
「でもリナ・・・そんなコトしたらリッド達帰る前にケシズミにならないか?」

『・・・・・・・・ケシズミ・・・(汗)』

「あ・・・そうよね、扉が開く前に吹き飛んじゃったら意味無いわよね・・・」

『・・・そんな威力なのか・・・(滝汗)』

「どうしよう・・・」


なぁ〜んか、さっきからリッド達の掠れた声が聞こえる気がするけど・・・


「なんか、言った?」


あたしは聞いてみた。


「・・・・・・・・あ、いや、そのドラグスレイブって、そんなにすごい威力なのか
と・・・」

「あぁ、ドラグスレイブは人間が操れる最大最強の魔法なのよ。
まぁ、それ以上のもあるけど、そんなの使ったら世界滅んじゃうし、あははは・・
・」
「まぁ、僕としてはあの方の技を使っていただくと有り難いんですけどねぇ。」


完全に沈黙したのはキールだった。


「リナやっぱり強いよ〜。」
「うん、リナ達がいたらグランドフォールなんて簡単に止められそう。」
「あぁ・・・ある意味フォッグなんかより、不死身そうだもんな。」

「あははは、多分あたしがあなた達の世界に行っても何の役にも立たないわよ?」
「どうしてよ〜?リナ強いよ。フィブリル持ってる。」
「うん、確かにフィブリルっていうのは持ってるけど、あたしは魔法が使えなくなっ
ちゃうだろうし。」
「そっか・・・でもまぁ、自分たちの世界だもん、私たちで何とかできるよ、イケる
!イケる!」
「そうだよな・・・おい、キールいつまで固まってるんだよ?」

「あ・・・・あぁ、悪い、こんな世界もあるんだなぁ〜と思ったら急に・・・」


現実逃避してたのね・・・。
まぁ、無理もないと思うけど。


「さて、で?ゼロス。」
「『で?』とは?」
「はぁ・・・ケシズミにしないで力を加える方法、知ってるんでしょ?」
「分かります?」
「・・・ぜ〜ろ〜す〜ぅ!」
「はいはい、教えますよ・・・。」


そう言ってゼロスは錫杖を軽く振った。

そして、湖のすぐとなりにぽっかりと黒い穴が現れた。


「なぁ、これ何なんだゼロス?」


ガウリイののんきな声にゼロスは。


「これですか?アストラルサイドですよ。
この辺りの空間のアストラルサイドを開いてみました♪」

「そ・・・そんなの開けるのか?」

「はっはっは、イヤですよ、ガウリイさん、それくらいできますよ。」
「そうよ、これでも一応魔族の強い方なんだから、できてくれなきゃ困るのよ!!」

「リナさん・・・なんかトゲのある言い方ですね・・・」


一人涙するゼロスはとりあえず無視!


「さて、じゃぁ、時間も無いことだしさっそくはじめましょうか?」

「あ、あぁ・・・よろしく頼む。」
「いろいろ、ありがとう。」
「ありがとな、リナ達のことわすれないよ。な、クイッキー?」
「クイッキー!」
「サンキュ・・・まっ、俺も頑張ってみるよ。」


「元気でな、二つの世界守れるように・・・」
「頑張んのよ!諦めたら全て終わっちゃうからね!」


そんな短い会話をおえ、あたしは呪文の詠唱に入った。




―――黄昏よりも昏きもの、血の流れより紅きもの―――




「リナ・・・ありがとう!
私ね、ホントは不安だったの!」


ファラは、湖の近くに立ちながら言った。




―――時の流れに埋もれし偉大なる汝の名において―――




「昔の・・・私の犯した罪も・・・今の全てから逃げてる私も・・・大嫌いだった。
でもリナたちにあえて良かった!
なんだか力が沸いたの、まだまだイケる気がする!」




―――我、ここに闇に誓わん。―――




「ホントは怖かった、みんながあの事を知ったら離れていってしまいそうで・・・
でも私・・・ちゃんと言うね、私の罪も、何もかも!!」




―――我等が前に立ちふさがりし・・・―――




「忘れない!忘れないよ!」




―――すべての愚かなる者に、我と汝が力以て―――




「俺達も、忘れないぜ!」
「ありがとな〜!」
「勝ってみせるさ!自分たちの世界は守って見せる!」
「クイッキー!」




―――等しく滅びを与えんことを・・・―――




「また・・・会えるといいな!」



―――竜破斬!―――



あたしの放ったドラグスレイブは、ゼロスの開いたアストラルサイドの空間に飲み込
まれていった。



湖が輝き、眩しくて前が見えないくらいになって・・・





彼らは消えていた。
元の世界に、帰って行った。




















「ねぇ、ガウリイ・・・」
「ん?」


あたしはすぐ傍にいるガウリイを見上げた。


「みんなの世界は、救われるかな・・・?」
「大丈夫、何とかなるよ、あいつらならさ。」
「うん」






























「くっくっくっ・・・」


闇の中で笑うのは金の髪の女。


「どうかされたのですか?」


その女に尋ねたのは、赤目の魔王。


「いや、別々に作った世界・・・つながることもあるのだな・・・」

「?」

「なんでもない、それにしても、お互い引き合うか・・・強い力を秘めた者達は・・
・」

「ナイトメア様?」

「くっくっくっ・・・また我に還る者が増えそうだ・・・それは果たして光か闇か・
・・なぁ、レイシス?」



彼女の問いかけに金の髪の青年が現れた。



「さぁ、分かりません・・・しかし、リッド達なら・・・」


















彼らが世界を、二つの世界を救ったかは・・・ご自分の目でお確かめ下さい・・・















END







あとがき

最後はこんなのになっちゃったv
レイス出して見ましたvきゃ(><)!
TOEの世界も実は、このお方が作った世界だったのよ!
ってのは、私の勝手な思いつきなのだけど。
なんか、つながっててもイイなぁ〜と思ったのでv

でわ、最終話でした。