DESIRE

〜中編〜





DESIRE 中編

長く短い夜が始まる。
それぞれの想いを乗せて。

この夜に少女は何を思うのか。
何を思って部屋の扉を叩くのか。

この夜に青年を何を望むのか。
何を望んで少女を待つのか。

月の無い夜は更けていく。
少女の想いを隠すが如く。
青年の願いを包むが如く。




〜Gourry〜

「鍵なら開いてるぞ。」
今まで何を考えていたかなど微塵も見せず。
オレは再び保護者に戻る。


―――古い扉を軋ませて
入ってきたリナはパジャマ姿で。


「どうしたんだ?」
誰よりも愛しいこの少女から
オレは一人の男と認められない。


「ごめん。こんな夜中に。」
そんなことは問題じゃない。


夜。男の部屋に来る意味を
お前は理解してるのか。


オレの中で噴きあがる欲望。
お前は今も知らないだろう。


「ねえ・・・・何であたしと旅するの?」
お前のことを愛してしまった。
命すら捨てれる程に惹かれてしまった。


「お前をほっとくと危ないじゃないか。」
気づいてくれオレの想いに。


「それだけなの・・・?」
聞かせてやりたいオレの想いを。


「お前と旅するのに理由なんか要らないだろ。」
口から出るのは卑怯な言葉。


そして目の前には美しくも残酷な少女。


何でそんな事を聞く。
一番聞かれたくない事を。
一番言いたくない事を。


「オレはお前の保護者だからな。」
「もう保護者は要らない。・・・別れよう・・・ガウリイ」



∇続く