文化祭で、どちらでしょう!
――第4回――















『いよいよ!勝負も終盤にさしかかってきました!』
「あ、このクッキーおいし〜♪ねえゼロス、これどこのお店の?」
「これは駅前に新しく出来たところのですよ。」
「ふーん…今度あたしも買いに行こうかな……」
「あ、俺も俺も!」
「んじゃ、日曜日にでも行こうか。」
「おう!」
『はたして、どちらがリナさんをモノにするのでしょうか!』
「あ〜ずるいですよ、ガウリイさん。それじゃあまるでデートじゃないですかぁ」
「ばっ……!なにいってんのよゼロス!」
「ふふーん♪いいだろー♪」
「ガーウーリーイー……?」

 …………………
 くすん。誰も聞いてくれない……
 一体誰の為にこんなイベント催したと思ってるんですか。
 わざわざ一週間も前から用意してたのに……
 いいですよ、いいですよ。
 いぢけてやるぅ!
 わたしはくるり、と向きを変えてステージの端の方へ歩いていく。
 と……

「おいおい、俺の出番はまだなのか?」
「あ」

 そうだ!この人が居ました!
 ふふふ。やっと進行できます!

 わたしはつかつかとステージ中央へと引き返す。
 そしてマイクのスイッチを入れ最大音量で、

『みなさーん!三回戦、はじめますよーー!!』

 きーん!

「「うわあ!?」」
「うきゃっ!?ちょ…アメリア、なにもそんな叫ばなくても……」

 耳を押さえながらリナさんが言う。

『だって、リナさん達お話ばっかりして競技の事すっかり忘れてるじゃないですかーー!』

 きーーん!

「分かった!悪かったわよ!だから音量下げて喋って!!」
『……分かりました』

 ふぅ。これでなんとか進められます♪

『では!気をとり直して!三回戦目の対決内容は……これは対決呼べるのでしょうか!リナさんのお父さんにお許しを貰おう対決です!』
「ぶーー!」
『これはもうこの段階でお許しを貰えばあとはなにしてもおっけー☆と言う画期的な対決です。』
「ち、ちょっと待ってくれ!もしかしてもしかしなくてもあのおやぢがきてんのか!?」
「おいガウリイ……そんな事言って、いいのか……?」

 ああ!まだ出てきていいって言ってないのに……
 まぁいいか。

『えーと、呼んでないけど出てきてくれたこの方のご紹介をしましょう!この方は、リナさんとルナさんの……お父さんでーす!』
「うわぁ……サイアクだぁ〜……」
「リナさんの……お父さんですか。はじめまして。僕はゼロスといいます。」

 ふかぶかとお辞儀をするゼロスさん。
 それを見てリナさんのお父さんは……

「ふーん……こいつはガウリイと違って礼儀正しいみてぇだなぁ……」

 言ってガウリイさんを一瞥。

「まぁいいや。さて、勝負とやらを始めてもらおうか。」
「っくしょー!何がなんでもリナをもらってやるぅ!!」
「へっ!やれるモンならやってみな!」
「上等だ!ぜってー勝つ!!」

 なんか趣旨が変わってますけど……(汗)
 あ。なんかゼロスさん隅のほうで泣いてるし。『の』の字かいて。
 可哀想かも。
 では始めてあげましょう!

『え〜、では。競技はじめっ!』
「……で。どうやって勝負すんだ?」
『それはリナさんのお父さんに聞いてください!』
「え゛っ……(汗)」
「ふふん♪さて?どうしてやろうかな……♪」
「っくしょ〜」

 もはや涙目でリナさんのお父さんを睨み付けるガウリイさん。

「…………あ、あの〜……」
『はい?なんですか、ゼロスさん』
「突然なんですが……すいません。棄権します……」
『え?』
「では。僕はこれで。」
『ああ!ちょっと、ゼロスさん!?』

 すたすたと退場して行くおかっぱの哀愁漂う後姿。
 ああ……行っちゃいました……
 どーしましょう……
 うーん。まあ二人しか参加者がいないんだから……

『えーっと……突然ですがゼロスさんが棄権されました。と、ゆーことで…ガウリイさんの勝ちっ!』
「へっ?」
「やったーー!」

 ガウリイさん、ガッツポーズ。
 リナさん、目をぱちくり。
 なにやら呆気にとられている様子。
 うーん…まぁ無理もないですかねぇ……

「っち…つかえねぇなぁ…あのおかっぱ」
「ちっ……ちょっとアメリア!?これ、どーゆーこと!?」
『う〜ん……そんなこと言われましても……』
「もー!なんであいつは棄権しちゃうのよ!!とーちゃん、なんとかしてよ!」
「あー?なんとかしてやりてぇんだけどなぁ……」

 地団駄をふむリナさん。
 ガウリイさんはすっごく幸せそうなにやけた顔でひたってます。
 …っと、ガウリイさんがなにやら行動開始しました。

「リナ……」
「なっ…なによ……」

 真剣な眼差しでリナさんを見つめるガウリイさん。
 その眼差しに顔を赤らめるリナさん。

「お前は…俺のこと……嫌いか……?」

 寂しげな表情。
 おお。リナさん戸惑い気味です。

「そ…そんなわけ…ないじゃない……」

 呟いて、顔をそらす。

「じゃあ、なんで嫌なんだ?」
「だ……だって……」

 口篭もるリナさん。

「おい。俺ら無視して自分達の世界に浸ってンな……んがっ!?」
「ちょっと!良い所なんですから邪魔しないでください!」

 しゃしゃり出てきたリナさんのお父さんをステージの裾にひっぱりこむ。
 まったく。雰囲気ってモノを無視して喋らないでくださいよね!
 さてさて。あちらはどうなったのでしょう♪(わくわく♪)

「……リナ……」
「だって……恥ずかしいじゃない……」

 言って過去最大に顔を赤らめる。
 そんなリナさんを見てガウリイさんは、一瞬きょとんっとした後、満面の笑みを浮かべて…

「それって、俺の告白の答え。O・Kってことだよな……?」
「だっ……!誰もそんな事言ってないじゃない!」
「けどなぁ…そぉんなめちゃくちゃカワイイ顔して、恥ずかしい、とか言われたらそうとるしかないだろ?」
「ばっっ……!?」

 またまた顔を真っ赤に染めるリナさん。

「〜〜〜〜っ!帰る!!」

 くるりと向きを変えて、早歩きで出口へと向かうリナさん。

「あ!おい待てよ、リナ!」
 
 そしてそれを世界一幸せそうな顔をして追いかけるガウリイさん。
 ああ……なにはともあれ、ひっついてくれてよかったぁ〜(嬉涙)

『と、ゆーことで!リナさん争奪戦、終了です!』



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――おまけ♪――

「なあリナ。」
「なによ?」
「三回戦目の勝負って、勝ったら何してもおっけーなんだよなぁ……」
「そーいえばそんな事言ってたよーな……」
「だよな。なにしてもいーんだよなぁ……」
「な、なによ…そんなジロジロと……
 まさか……ガウリイ、変な事考えてないでしょうねぇ……?」
「変な事?考えてないぞ?」
「ほっ……ならいいのよ」
「あ。そー言えば、一回戦目の時ゼロスの奴がリナのスリーサイズがどーのとか言ってたよなぁ……」
「忘れなさいよ!それは!」
「でもゼロスは知ってて俺は知らないんだよな……」
「知らなくていいっ!」
「そーだ!俺が自分で確かめるっ♪」
「……へっ?」
「そーだそーだ、そーしよう♪」
「ち、ちょっと!?待ちなさいよって……………うにゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


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 と、いう訳で!
 やっとこさ第四回、終わりました!
 もともと文章力無いんですよ。自分。
 それでも読んでくれて、感謝ですっ!
 ……でもとーちゃんとゼル君。出番少な過ぎですね……(汗)