スレイヤーズふぉうえばあ















                    第十一章
                  ゼルガディスの告白
                      後編





そして朝。
「あ〜、おいしかった〜」
あたしたちはレイの作った朝食を食べ終わったところだった。
「レイって料理うまうんだ。料理のうまい魔族ってはじめてみた」
ま、当たり前かこの世界の魔族はご飯食べないんだから(笑)。
「本当、わたしと居たこと全然料理の腕落ちてない〜」
「・・・・・・・」
姉ちゃんの言葉にケイさんが反応する。
「どういうこと?レイ」
レイに問いかける。
「え、一年ぐらいお世話なってたから・・・・そのとき」
「・・・・・・・ふ〜ん・・・・」
目が怖い・・・・・。
「そんな目でみんなよ・・・・あのころはまだ・・・・」
「・・・・・・・・」
ケイさんは何も言わなかった。



それから一時間後。
「さて行きますか」
「うん。で、どこ行くの?」
「ついてくればわかるわよ、ね、レイ、ケイさん(笑)」
あたしたちは姉ちゃんたちに言われるままついていった。



「ここは?」
あたしたちのついたところは森の奥深く。
目の前には小屋がある。
「お〜い出て来いよ」
レイが小屋に向かって呼んだ。
「来たかやっと・・・・・」
中から一人の男が出てきた。
「まさかお前が、ゼルガディスと知り合いだとはな・・・・・いいかげんヒトの女に手ださんほうがいいと思うぞ・・・・・・・・」
「こいつはちがう、おれはゼルガディスをおびき出すためにこの女をさらった」
そういってアメリアを連れた男がもう一人出てきた。
アメリアは後ろ手に縛られている。
そして頭には魔法を封じる封輪がついている。
「アメリア!」
ゼルが叫ぶ。
「ゼルガディスさん!、気をつけてくださいこいつかなり強いです」
「アメリアを離せ!」
「返してほしけば、おれに命を捧げろ。お前に殺された弟のために!」
「なんだと!?」
ゼルが殺した・・・・・・・?。
「お前とレゾが殺した・・・・おれはルルクの兄だ!」
「なに・・・・・・・・」
ゼルは言葉失った。
「最初はお前をただ殺そうと考えた・・・・だがそれじゃあ面白くない・・・・・だからお前の仲間そして愛する人の前で殺してやる!」
男は殺気満ちている。
「なんか、前に会ったときとは全然違うな・・・・・」
レイが呟いた。
『ええ』
「私がこの世界に来たときはただの変態だったのに」
ケイさんもいう。

「さあ、死ぬがいい」
男はゼルに向かってくる。
あたしたちは一斉に飛び散る。
「お前らはこれでも相手していろ!」
男がそう言った途端、レッサーデーモン、ブラストデーモンがわんさか出てきた。
ざっと、百はいる。
「ち、雑魚が!」
レイは剣を構える
「魔光剣!」
そしてケイさんもガウリィも。
「黒龍剣!」「光よ!」
ゼルは放心状態。
あたしは呪文を唱えていた。
姉ちゃんは殴っていた。
ぐおおおおおおおん。
ざしゅ、ばしゅ、がしゅ。
レイとケイさんとガウリィは次々にデーモンたちを斬っていった。
「さすがにこれだけの雑魚は疲れるわね、なんか次々出てくるから・・・・」
「そうだな」
レイとケイさんがそんなことを言ってる。
こいつは召喚者を倒さないと無理か。
「なあ、ゼルのほうはどうなってかな?」
ガウリィの言うとおりゼルのほうが心配である。
あたしたちは囲まれていてあの二人は見えない。




「死ね!。弟の敵」
やつは迫ってくる。
そう、オレはやつの弟を殺した・・・・・。
なんも罪もないヤツを・・・・・・・。
だからオレは殺されてもしかたない・・・・・。
いくらあのころのオレがしたことでも・・・・・・オレがやったことは・・・・・・。
どしゅ!。
オレの身体を貫く音。
やつの剣がオレのからを・・・・・・。
「ゼルガディスさん!」
アメリアの声が聞こえた。
アメリア・・・・・・オレはお前が好きだ・・・・。



ゼルガディスさんは地面に倒れた。
「いーーーーーーーーーーやーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!!!」
わたしは思いっきり叫んだ。
わたしは・・・・・・・・あなたが好きです。過去に何があっても・・・・・どんな身体でも・・・・・・・・・・・。



アメリアの叫び声が聞こえた。
「アメリア!」
あたしはファイアーボールでデーモンをけしらし道を造りゼルたちのところへ行った。
そこには貫かれたゼルがいた。その上に馬乗りになってる男。男はもう一度刺そうとしている。
「ブラムブレイザー!」
あたしは呪文で男を吹き飛ばし。ゼルに駆け寄った。
「ゼル!」
これはまずい出血がひどい。地面は血のうみ。
顔も紫。
これじゃ、リカバリィじゃ・・・・。
男が寄ってくるのに気づかなかった。
「リナ!」
「え!?」
気づくと男は倒れている。アメリアを捕まえていた男。
ガウリィの手套によってたおされた。
「ガウリィ!?」
「デーモンのほうはあの三人にまかせてきた」
「そう」
ガウリィはアメリアの縄と封輪を解いた。
「ゼルガディスさん!」
アメリアはゼルを抱きしめる。そして。
「リザレクション!」
ダメだ!、リザレクションでも・・・・・。
ざしゅざしゅ。
ばん、どん。
レイたちがデーモンをはらい来る。
「どうした!?」
「ゼルガディスさんが・・・・・・」
「こりゃ、ひでえや」
「レイ、お願い。ガウリィの時みたいに!」
あたしは強い口調で言う。
「分かってる。地面に寝かせてくれ」
「え・・・・でも」
「大丈夫、アメリアこいつは(笑)」
あたしはアメリアに微笑みかける。
「は、はい」
アメリアはゼルを地面に降ろす。
「光の力!」
ゼルの身体は光に包まれみるみるうちに出血が止まり、穴がふさがる。
「副作用でしばらくは目覚めないけど、もう大丈夫だ」
「すごい・・・・・・あの怪我を・・・・・・・」
ざしゅ!。
「治療が終わったらこっち戻ってきてよ〜」
ケイさんの声が聞こえた。
あたしたちのそばにに来たのはレイと姉ちゃんだけだったのである。
「すまん」
どかどかどか。
レイの返事と共にデーモンたちが倒れていく。
「な、なに?」
あたしたちは驚いて、みると・・・・・一人のヒーロー?の姿。
フィルさんだった。
フィルさんはあのお家騒動のときの格好でデーモンたちをなぎ倒していたのだ。
「おまえたちかー!わしのかわいい娘をさらったのは!」
どかかかどか。ぱりん。
なんとゼルを刺した男までなぎ倒し、持っていた水晶を割った。
デーモンは消えていった。
「父さん!」
「アメリア!」
アメリアの声に気づきこっちにくる。
ものすごい勢いで・・・・・。
「とうさ〜ん!」
「アメリア〜」
ものすごい勢いで抱き合う親子。
感動の再会?。




それから三日後ゼルは目を覚ました。
そして・・・・・。
「ゼルガディスさん・・・・・わたしあなたのことが好きです!」
「しかし・・・・オレは・・・・・」
「過去は過去です!」
アメリアはゼルにキスをした。
そして・・・・・二人は旅に出た。
本当はあたしたちについてきたかったみたいだが・・・・・・。
もちろん婚約もした。
あの男は牢屋行きとなった。
かくしてアメリア誘拐事件は終わりを告げたのである。
めでたしめでたし・・・・・・・おわり。・・・・・・・・・。








終了。