成 長 曲 線
リナばーじょん



















「似てないけど、兄妹なのかい?」
脳みそスケルトンのガウリイと旅するようになって、宿屋や依頼人からこう聞かれる
ことが多い。ガウリイがあたしの自称保護者を名乗ってるので、兄妹という関係が一
番しっくりくるのかもしんない。血は繋がってないけどね。実際にはあたし達の関係
は、気があったから一緒にいるっていうだけで、お互いに男女や血縁のしがらみがな
いんで気楽なんだと思う。
まぁ、ガウリイに聞いた事ないから本当のところはわかんないんだけどね。保護者な
んて気軽に言っちゃって、今後の人生どうすんのかしら。あたしだって、ずっと一緒
にいるとは思っていないし。

「おふたりさんは、どういった関係なんだい?」
脳みそスケルトンのガウリイと旅するようになって1年ぐらいたったころから、兄妹
とは言われなくなってきた。悩んだ末に兄妹という結論にたどり着く人もいたけど
ね。
昔は、勝手に兄妹だって誤解して納得してくれたので楽だったのにー。今はいちいち
説明しなくてはいけない。めんどくさいなぁ〜。あたしの年で旅をして仕事をしてい
るというのは実はあまり多くないけど、いないこともないので、大抵は仕事の相棒で
済む。
大抵というのは、それで納得しない人もいるということだ。何故かガウリイに惚れて
しまった娘さんとかにね。
「じゃあ、何で一緒に旅をする必要があるんですか?」
とか、ガウリイじゃなくてあたしに聞いてくる。きっと、ガウリイに聞くと「保護者
だから」とか要領を得ない答えが返って来たとか、余計なことを聞いて嫌われたくな
いとかいう理由なんだろうなと推測している。っていうか、冷静に分析でもしてない
と、うざったくて切れちゃうからねv
そんな時は、美少女だという特権(?)を生かして、実は恋人だとか、実はあたしが
某国のお姫様でガウリイは護衛なのだとか、その時々で適当に遊んじゃう。そうでも
しないと、うざったくて・・以下同文。
うざったい想いまでして、一緒にいることはないとは思うんだけど、なんせ光の剣!
!伝説級の剣よ!!見逃す手はないわよねvうん!

「・・恋人かい?」
脳みそスケルトンのガウリイと旅するようになって2年ぐらいたったころから、恋人
と間違えられるようになってきた。年頃の乙女といい年のにーちゃんが一緒に旅して
るんだもん、疑われても仕方ないとは思う。一緒に旅をする理由はない。必要ないと
言われたけど、裏を返せば、別れるときも理由の必要はないんだよね。互いの気持ち
次第。でも、何でガウリイはあたしと一緒に旅をするんだろ。何であたしはガウリイ
と一緒に旅をするんだろ。


「ガウリイ!何であたしと一緒に旅をするの?」
とある町のとある宿屋で、ガウリイの部屋の扉を開けて開口一番聞いてみた。疑問点
は直ちに解決すべきよね。
「というわけで、気になって眠れないってほどじゃないけど、指に出来たささくれ程
度には気になるから答えてよね!」
「何が、というわけでかはわからんが、オレがリナと旅する理由だろ?」
「そうよ。さっさか答えて。」
「理由はいらない・・という返事じゃ納得しないんだろーなー」
「まぁね。保護者という答えもダメよ。」
ガウリイはあごに手を当てて真剣な顔で考え出す。こうやってみると、こいつって顔
だけはいいのよねー。これでちゃんと脳みそが伴ってればなー。おしいぞ!ガウリイ

「う〜ん。そうだな。リナこっち来てみろ。」
「何?ここでも聞こえるから言ってよ。」
「こっちに来てくんないと、わからないぞ。」
などと言いながら手招きなんぞをしてくれちゃってる。それにつられ、トコトコとガ
ウリイの前に歩いて行くあたし。

ちゅ。

・・・・は?今、何かありましたか?って・・
「・・・ガウリイ、今、何かした?」
「お前、鈍いからなぁ。今のでわかっただろ?それがオレの答え。」
「・・・って、えー!!!ガウリイ、あたしの事が好きなのー?何でー?どうしてー
?」
「うーん。オレも趣味悪いとは思うんだけど、いや、悪い!オレが悪かったので呪文
を唱えるのは止めろ。な?」
趣味が悪いですって〜〜〜〜!!!!あたしほど美少女で賢くて華奢な乙女を捕まえ
て、趣味が悪いとは何事だ!!そういえば、こいつあたしのファーストキスを簡単に
奪いやがった・・(怒)
「おい、何か顔が怖いぞ・・。でな、いつからかは覚えちゃいないが、お前のそばで
一緒に居て守ってやりたいと思ったんだよな。」
ふ〜ん。そうなんだ・・。うっ・・恥かしいかも。
「で、オレはお前に告白というものをしたんだが、リナの返事を聞きたいんだが。」
「へっ?返事?」
「そう、お前さんは何でオレと一緒に旅をするのか?お前から聞いたんだから当然オ
レの質問にも答えるんだろうな?」
「・・うっ」
痛いところを・・。って、ガウリイ、頭良くなってない?
「・・わかんない・・じゃダメ?」
「だめ」
「・・じゃ、キライじゃない・・じゃダメ?だって!本当にわかんないのよ。嫌いな
奴とはこんなに長いこと一緒にいないだろうし、だからといって好きかと言えば好き
なんだけど、美少女のあたしといえど、男女交際というものをしたことがないので、
そういう方面の好きという種類がわかんないの!!わかった!?」
段々、言ってるうちに腹が立って来た。何でガウリイに問い詰められなきゃいけない
のよ!いきなり言われたって知らないわよあたしは!
「わかった。」
「へっ?わかったの?何を?」
今のあたしのセリフで何がわかったというのだ?わからないことがわかったのかな?
「リナがオレの事を好きだという事がわかった。」
「!」
何か、すっごく都合のいいところだけ聞いてませんか?つっこみを入れたいところだ
けど、今更気付いたんだけど、ベッドに座ったガウリイと半抱きにされているあた
しって、もしかして危なくない・・・?・・・逃げよう!あたしの第六感が逃げろっ
て告げてるわ。
「両思いだって事がわかったんだから、遠慮しなくていいんだよな。」
「・・聞くのは怖いんだけど、聞かないのも怖いのし、聞くけど。遠慮って・・何?
うひゃぁ!」
「こういう事v」
逃げようとしたあたしを引き寄せて、抱きしめながら軽くキス(!)をしてから、言
いやがったー!!
「楽しみだなー」
ガウリイはあたしを抱きしめる手を緩めずに、意味深な発言をする。あたしってこれ
からどうなるのかしら・・・(汗)
・・一番わかんないのは、あたしが嫌がってないかもしんないってことなんだけどね
(///)




−おわりv−










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