I 妹 な関係 |
(10) 新しい朝が来た。 「・・・・いつまで笑ってる気なんだ?」 「だ、だって・・・うくく。」 次の日、届けられた花束に添えられたメッセージを見て、私達は1度父ちゃん達に逢いに向こうに渡った。 そこでガウリィは、その・・・私の家族にめっちゃ熱烈な歓迎を受けた訳で。 あはは、思い出しただけで笑えちゃう。 父ちゃんから、『やりゃ〜がったな、この天然!』とぼこぼこに。 姉ちゃんから、『約束は守ったみたいねぇ』とソフトなお仕置き。 母ちゃんから、『あら、まぁ。遅いくらいよねぇ?』と救急箱。 未だ消えない痛々しい傷も、いわば名誉の負傷ってヤツよね? 私だって、散々からかわれたんだから、お互い様よ。 「あんの親父め、本気でやってたぞ絶対。」 「こんな可愛いコを貰えたんだから、文句ないでしょ?」 「・・・ま、そうだな。」 「り〜なぁ!!早く早くぅ!」 「は〜い!・・・じゃ、行って来ます。」 「おう、しっかり見ててやるからな。」 厳かに始まる入学式。 父兄の席に待つ、ガウリィとゼルガディス。 拍手に包まれながら、私達は花道を歩いていく。 「・・・・・新入生代表の挨拶を。」 静まる会場から、壇上へとゆっくり進んでいく。 壇上の上から見える、大勢の人達。 アメリアが小さく手を振る。 見えない筈のガウリィ達が、微笑んでくれているのが判る。 「・・・・これから、私達はここで新しい生活を始めます。 色々な出来事が待っている事でしょう。 その一つ一つを、自分達を育てる糧として、一生懸命突き進みたいと思います。 今日が、私達の新しい始まりとして、確かな記念日となる事を願いつつ。 新入生挨拶と変えさせて頂きます。 新入生代表・・・・・・。」 「新入生代表、リナ=ガブリエフ。」 私は今日、正式にガウリィの妻になった。 曖昧だった二人の、確実な関係が。 今、始まる。 <終わり> |