お〜たむ









すぷりんぐ番外編


 お〜たむ




 (5)











今日は、朝から皆元気がない。


いつも元気でお転婆な・・・あのサンとヴィナでさえも・・・









ザァァァァァァァァァァァ・・・・








『あぁ・・・雨のせいか・・・』


そう呟くと、金色のアイツ・・・アースが言った。


『まぁ・・・こうも降り続けるとなぁ・・・』
『・・・そういうもんか?』
『あぁ・・・雨の日になると傷が痛むしな・・・』
『?』


数日いっしょに過ごす間に、それぞれの事情をいろいろと知った。


世の猫たちが噂する悪魔という特徴をもつサンは・・・ソレが理由で仲間も出来ずにいた・・・とか。
いまや、リナ命の、アースは人間に虐待され・・・今もリナたち以外の人間には心をひらかないとか・・・。

まぁ、そうかんがえると、俺も同じだな・・・。








ザァァァァァァァァァァァ・・・・・







『どうかしたんでしゅか?』


そんなこと、考えていた。
そしたら、いつの間にか俺のとなりに、ヴィナが来ていた。


『・・・別に』
『でも、アマルテアしゃん・・・げんきないでしゅ。』
『・・・・・・』
『・・・あの、あの・・・』


なんで、なきそうな顔するんだ?

元気がないのは、お前だってそうだろう?

きのうも、電話ってののあと・・・ひとりで泣きそうな顔していたじゃないか?


『・・・・いまは、お前達がいてくれるからな・・・』
『?』
『なんでもない・・・それよりも・・・』
『う?』
『おまえは・・・大丈夫か?』


そう聞き返したら・・・


『・・・・・うぅ〜』


泣いた。



みゃぁ〜ん・・・



『わ、おい、え、あ・・・』
『・・・アメリアしゃま・・・あいたいでしゅ』


ヴィナの無く気配に窓辺にいたサンがやって来た。


『どうしたの?どうしたの?ヴィナどこか痛いの?』
『・・・ちがいましゅ・・・あの、あの・・・』
『・・・・・・』


アースのヤツは何も言わない。
ただだまってじっと見ていた。


『・・・あの、あの・・・』
『だいじょうぶ?ヴィナ・・・あ、りな呼んでこようか?』
『だ・・じょ、ぶでしゅぅ〜』
『ダメ、りな呼んでくる!!』


ますます、おもいだしてしまったのだろうか?
泣きやまない。
心配になったのか、サンはリナを呼びに行ってしまった。


『・・・・・ごめんなしゃい・・』


泣きなが謝るヴィナ。
でも・・・


『・・・・しんぱい・・・ごめんなしゃいでしゅ〜』


泣いていることを謝るヴィナ。
よく考えたら・・・こいつ、こんなに小さいんだもんな・・・



ぺろ・・・



『・・・りゅ・・・アマルテアしゃん?』
『泣くな・・・今は俺達が傍にいてやる・・・だから、泣くな。』


そう言うと、一瞬目を大きくして・・・


『はい!そうでしゅね!!わたし、なきましぇん!!』
『・・・・・』

『それに、そうでしゅよね、ここには、リナしゃんも、ガウリイしゃんも、
サンしゃんやアースしゃん・・・それに、アマルテアしゃんもいましゅもんね!!』


どうやら、元気になったみたいだ。
サンがリナを連れてやってくる頃にはすっかり元気になっていた。






雨も止んでいた。






『でもでも、やっぱり早くアメリアしゃまに会いたいでしゅ♪』


窓の外の虹をみて、ヴィナはそういった。
そんなに会いたがるアメリア・・・って人間は、いったいどんなやつなのかな・・・?

すこしだけ、俺も会ってみたい。


『アマルテアしゃんもきっと好きになりましゅよ♪』


俺の考えが分かったかのようにヴィナはそういう。
そして、にこにこ笑っていた。



とことことこ・・・



しばらくたって、ヴィナが眠ってしまった頃アースがやってきた。


『・・・・・』


何も言わずににやにやして俺を・・・俺達を見ている。


『な・・・なんだ・・・』
『・・・別に』


そういうと、また・・・とことこと去っていた。


『・・・・・?』


なんだ?
と思いつつも、なんだかすこし・・・気恥ずかしかった。
















おわりだ・・・




あとがき

あぁ・・・愛ですわ(笑)
ふっ、アマルテア&ヴィナ組の方が、アース&サン組よりもらぶらぶですわ♪
まぁ、今のところ妹みたいな存在ですけれどね(爆)