うぃんたぁ

すぷりんぐ番外編 　（１） 嫌いだ・・・人間なんて・・・大嫌いだ・・・ ・・・・くそっ！ 身体が動かねぇ・・・・ はぁ・・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・・・・ 息が白い・・・・空が暗い・・・・ 寒い・・・痛い・・・ 血のにおいがする・・・・あぁ、俺か・・・・ 足に、棒が刺さって・・・でももう、これまでだな・・・ 目が霞む・・・きっともうすぐ悪魔が俺を迎えに来る・・・・・・ ちりん ・・・・・・・・・・・何の音だ・・・・・・・・・・・？ なんだ、この紅いの・・・・・？ 『ねぇ？アンタ、大丈夫？』 へぇ・・・これが悪魔か・・・俺と同じ形なんだな・・・ 『・・・・ケガ・・・・してるの？』 そんなこと聞いてどうするんだ・・・？ もうすぐ俺は死ぬのに・・・魂しかいらないんだろ？ 『・・・ねぇ・・・ねぇ・・・』 ？・・・・どうして、悪魔のお前が泣くんだ？ 変なヤツだな・・・ ぴちゃん 『死なないで・・・よぉ・・・』 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・なんだか・・・あたたかいな・・・・・・・・・・・ ・・・お前は、いったい・・・・・・・・・・？ あぁ・・・悪魔じゃなくて、天使だな・・・・いや？太陽か・・・・・？ 『・・・あ！そうだ・・・りな、りな呼んでくる！』 リナ？ 『りな、人間だから、こんなケガ簡単に治してくれる！助けてくれる！』 ・・・・・・・・人間！ 『まってて！すぐ呼んでくるから！！』 『やめろ！・・・やめろ！！ 人間なんて、大嫌いなんだ！ 人間は、最低だ！』 『・・・・・・どうして？』 『あいつは・・・人間は、ずっと俺を閉じこめた！ 暗くて、狭い檻に、ずっと・・・・ずっと！ 毎日、毎日・・・俺を殴って、火を押しつけて笑ってた・・・。 変な矢の的にされて・・・・やっと・・・・やっと逃げてきたんだ！ だから、人間なんかに捕まるわけには行かないんだ！ また、あそこに連れ戻される・・・それなら、このまま死んだ方がいい！！』 『ち・・・・違う！りなは・・・がうりいは、そんなコトしない！ 優しい！あったかい！』 『違うだと！ 悪魔のお前に何が分かる！？ 俺の、何が解ると言うんだ！！』 『・・・・・・・あたしは・・・・ただ・・・・・・』 『消えろ！ 二度と俺に前に現れるな！ この、悪魔！』 ちりん・・・・・・ はぁ・・・・はぁ・・・・ 少し、言い過ぎたか・・・？ あいつは、本気で俺を心配してくれただけなのに・・・ でも、・・・・人間だけは・・・・ はぁ・・・くそっ！・・・もう、前も見えねぇ・・・ 結局あいつは、ただの猫・・・だったのか・・・？ あぁ、どうせなら、あんな悪魔が迎えに来てくれないだろうか・・・？ ・・・・あっ・・・・俺、酷いこと言ったな・・・・悪魔・・・・なんて。 謝りたいな・・・さっきの、お節介なチビに・・・ ふっ・・・今更無理・・だな・・・ もう、あいつは戻ってこない・・・ 『・・・・・りな早く！・・・・・早く！』 みゃぁ〜ん！！みゃぁ！ ん？・・・あれ？・・・さっきのヤツの声がする・・・気のせいか・・・？ 「もぉ、どうしちゃったのサン？」 『りな！・・・こっち！早く！助けて！助けて！』 みゃぁっ！みゅあん〜！ あいつ・・・人間を・・・こんな俺・・・見捨てればいいのに・・・ あんなに、酷いこと言ったのに・・・ 「きゃぁ！・・・こんなに酷いケガ・・・ すぐ、病院連れていってあげるからね！」 『よかったね・・・りなはいい人間・・・信じて・・・ 絶対、アンタを助けてくれる！！』 へっ・・・そんなこと、信じられるかよ・・・ でも・・・なんだか、あったかいな・・・この人間・・・ ―――――信じられるか・・・・な・・？――――― お節介な、あのチビの声と、俺を抱く暖かい温もり・・・信じて見ようか・・・。 おわるん♪ あとがき ふっ・・・いきなり思いついてしまった番外編・・・ サンちゃん以外の猫ちゃんの視点からお送りしましたが、いかがでしょうか？ ちなみに、題名は、この猫ちゃんのイメージ季節ですね。 サンちゃんは、春のイメージ。ほんわか暖かい感じです。 この仔は、イメージは冬・・・人間に虐待されて、頑なになってます。 でも、冬って寒いとか、冷たいってイメージだけじゃないと思うんです。 この仔は、どっちかって言うと、雪解け間近の冬って感じですかねぇ。 他にも、「さまぁ」とか、「お〜たむ」とか出てきたりして・・・ （秋は、他にも言い方があるけど、らぐぢすは、こっちの響きのが好きｖ） ガブリエフ家が、猫屋敷になる日も間近・・・（汗）