すぷりんぐ |
(6) 今日は、朝からなんだかイヤな気分・・・ 何でだろう? 外、雪降りそう・・・雲が分厚い・・・ がうりいはお仕事。 りなは、お買い物・・・ なんだか、とっても寒い・・・ 「ただいまー」 りな! おかえり、寒くなかった? 外、雪降りそうだよ? みゃぁ〜ん? 「ただいまサン。 外は、すっごく寒いんだよ〜」 やっぱり? ・・・・・・・・・・ぁ・・・・・・っ・・・・・ ん? 何か聞こえた・・・ ねぇりな、何か聞こえなかった? みゃぁ、みゃぁ? 「どうしたのサン?」 なんか、変なのりな・・・ なにか、聞こえるの・・・苦しそうな・・・こえ・・・? 「え?サン?外出たいの?」 うん・・・出して・・・なんだか分からないけど行かなきゃ・・・・ 呼んでる・・・・。 ちりん・・・・・ 庭の植え込みに何か・・・・いる。 何? それに、なんだかイヤな匂い・・・血の匂い・・・。 いた! こいつ?この猫・・・あたしを呼んでたの・・・? 『ねぇ?アンタ、大丈夫?』 赤黒く血に汚れたそいつは、うっすらと目を開けるけど・・・ どうしたんだろう・・・血・・・いっぱい 『・・・・ケガ・・・・してるの?』 真っ赤な血がいっぱい、こびりついてるよ・・・ どうして、返事しないの・・・ 『・・・ねぇ・・・ねぇ・・・』 ど・・・して・・? 死んじゃうの・・・母さん達の様に・・・・・? ぴちゃん 『死なないで・・・よぉ・・・』 どうしたら、いいんだろう・・・ こいつを助けるには・・・ 『・・・あ!そうだ・・・りな、りな呼んでくる!』 そうだ、りななら助けてくれる! ぜったい、ぜったい!! だから、大丈夫だよ?だってりなは・・・ 『りな、人間だから、こんなケガ簡単に治してくれる!助けてくれる!』 はやく・・・はやく・・・りなを呼んで来なきゃ! 『まってて!すぐ呼んでくるから!!』 『やめろ!・・・やめろ!! 人間なんて、大嫌いなんだ! 人間は、最低だ!』 え・・・・・・・・・? 『・・・・・・どうして?』 『あいつは・・・人間は、ずっと俺を閉じこめた! 暗くて、狭い檻に、ずっと・・・・ずっと! 毎日、毎日・・・俺を殴って、火を押しつけて笑ってた・・・。 変な矢の的にされて・・・・やっと・・・・やっと逃げてきたんだ! だから、人間なんかに捕まるわけには行かないんだ! また、あそこに連れ戻される・・・それなら、このまま死んだ方がいい!!』 うそ・・・・・そんなこと・・・・・・ 人間は、やっぱり怖いの・・・・がうりいや、りなも・・・ホントは、怖い人間の仲 間・・・? 『ち・・・・違う!りなは・・・がうりいは、そんなことしない! やさしい!あったかい!』 そうだよ! 悪い人間ばっかりじゃない! だって、りなは、がうりいはそんなことしないもん! いい種類の人間だもん! 『違うだと! 悪魔のお前に何が分かる!? 俺の、何が解ると言うんだ!!』 『・・・・・・・あたしは・・・・ただ・・・・・・』 昔よく聞いた・・・”あくま”・・・の言葉。 あの、場所で・・・この緋色の瞳を持つために・・・ 『きえろ! 二度と俺の前に現れるな! この、悪魔!』 ちりん・・・・・・・ うぅ・・・・・ あくま・・・・やっぱり、あたしはあくま? あいつが死ぬのも、あたしに会ったせいなの・・・ 母さん達が死んだのも・・・やっぱりあたしのせいなの・・・・? 「サン、どうしたの?もう、外はいいの?」 りな・・・・ りな・・・りな、りな、りな、りな・・・りな! 「どうしちゃったのよ・・・急に甘えたりして・・・?」 悲しいよ・・・あたしじゃ助けることもできないの。 ただ、不幸を呼ぶことしか・・・この目はやっぱりあくまの目なの・・・。 「なんか、悲しいの?」 え? 「おひげが、曲がってるねサン? 耳も・・・しっぽも、垂れちゃってる・・・。」 ・・・・・・・わかんないの、りな・・・あいつホントは助けて欲しいって目に書い てあるのに。 でも、人間嫌いんんだって・・・ 「ほら、元気出してよサン・・・ 何があったかしらないけど、サンは元気なときが一番可愛いよ?」 ・・・・・・・・・そう、だね。 うん・・・・・うん、うん! ねぇ、助けて! ・・・・あいつはイヤだっていたけど・・・迷惑かもしれないけど・・・ でも、助けてりな! 庭の・・・血塗れの・・・あいつを助けて・・・ 晴れた空みたいに、真っ青な・・・悲しい目をしたあいつを助けてあげて!! 『・・・・りなはいい人間・・・信じて・・・ 絶対、アンタを助けてくれる!!』 信じて・・・・信じて。 おわりん☆ あとがき 「うぃんたぁ(1)」のサンちゃん視点から。 未だに、この新猫ちゃんの名前は考えてない・・・ でも、サンちゃんが”太陽”だから”月”とか? う〜ん・・・ありきたり・・・他の星の名前にしようかな・・・。 真っ青な目だから、アース(地球)とか? |