すぷりんぐ |
(1) 紅い目は、あくまのしるし・・・ あいつに近寄っちゃだめだ・・・ きっと、あいつの家族の様に殺される・・・ 今は、おとなしそうな顔をしているけど、 そのうち真っ黒な翼が生えて、私たちの子供達を食うんだ・・・ ほら、あいつが来た・・・ みんな逃げるぞ・・・ ―――――紅い目の悪魔から――――― ・・・・・どうして・・・・・? どうしてみんな、あたしを見て逃げてくの・・・ そんなおびえた顔するの・・・? この目のせい・・・? 紅い目だからいけないの・・・? 紅い目はあくまのしるしだから・・・? 真っ黒の翼がいつか生えるの・・・? みんなの子供をあたしは食べるの・・・? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 むかむかむか・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ばっかみたい! あたしは、あたしよ! そんな急に翼なんて生えるわけないじゃん! それに、紅い目があくまの印なら、あいつらだってソウじゃない! 長い耳のふわふわで、草ばっかり食べてるあいつらだって赤目じゃない! 黒い翼が生えるとあくまなの!? じゃあ、空で飛んでるあいつらはあくまなのね!? いつも、い~っつも、かぁかぁー鳴いてるやつらはあくまの使いなのね!? なによ、なによ、なんなのよ! みんなで、あたしをのけ者にして・・・ ・・・・あたしは、何もしてないのに・・・・ ただ、寂しいだけなのに・・・ あたしが赤目でも優しかった母さんは・・・冷たいかたまりに、はねられちゃった。 他の兄弟達も一緒に・・・・・ みんながあたしのせいだって・・・ あたしが呪い殺したんだって・・・ あいつのそばに行っちゃだめだ俺達まで殺される! どうして、そんな酷いこと言うの? どうして、あたしを認めてくれないの? あたしはただ、寂しいだけなのに・・・ 誰かと一緒にいたいだけなのに・・・ 抱きしめてほしいだけなのに・・・ 母さんみたいに、 かわいいね。 って、言ってもらいたいだけなのに・・・ 誰か言ってよ・・・かわいい・・・って。 抱きしめてよ・・・とっても寒いの。 独りにしないで・・・怖いよ・・・。 ひょい なに? 身体が浮いた。 きらきらしてる・・・太陽みたい・・・きれ~ あ!きらきらの向こうに、空がある。 真っ青だ・・・ これなに? これはなに? 「お前、真っ赤な目だな。」 そいつは言った。 あ!人間・・・ 太陽みたいなきらきらは、人間の髪・・・ お空みたいに真っ青なのは、人間の瞳・・・ 母さんが言ってた・・・ 人間は怖いって・・・ あたし達を捕まえて何処かに連れていっちゃうって・・・ どうしよう、どうしよう・・・ 「かわいいな、お前さん。」 え? なんて言ったの? ・・・かわいい・・・ ずっと言って貰いたかった言葉・・・ うれしい、うれしい・・・ でも、どうして? あたしの目はあくまの目だってみんな言ってるのに・・・ みんな、みんな逃げてくのに・・・ 人間はあくま、こわくないの? 「・・・・・・・・・・似てる・・・よし、決めた!」 何を決めたの? いったい何なの? 変なの、この人間ちっとも怖くない。 ・・・母さんが言っていたのとは、きっと種類がちがうんだよ! そうだ、この人間はいい種類! きっとそう! だって、あたしのことかわいいって言ってくれた。 ずっと、欲しかった言葉をくれた。 「お前さん、独りなら俺の家来るか?」 いえ? いえってなに? 「あったかいし、美味しい物もいっぱいあるぞ。」 おいしいもの? それってなに、どんなもの? ネズミより、おいしい? みずより味ある? 「こんなに痩せて・・・泥まみれだし・・・綺麗にしような? あったかい、ミルクも用意してもらわないとな。」 あったかいミルク・・・ いく!いく! あたし、アンタと一緒にいくぅ! みゃ~みゃ~! すりすり・・・ 「ははは・・・わかったって、一緒に行こうな!」 人間はそう言ってあたしをおっきな布でくるんで抱きしめた。 それは、人間の瞳と同じ色のもの。 人間が、首にまいてたもの。 ・・・・あったかい・・・・ それに、いい匂い・・・・・・・・・・。 もう、独りじゃないね。 この人間が一緒。 うれしい、うれしい。 んぅ・・・なんか、眠くなっちゃった・・・・・・ おやすみ、・・・・・きらきら・・・の・・人間・・・・・・・・ おわりん♪ あとがき ふふ、飛鳥様に差し上げようとしていた小説がいきなり失踪した事件が未解決で終 わり、 新たに書き直したこの作品。 はじめと、ちょっと違う・・・。まぁ、しかし・・・猫ってかわいいですよね~ あのぷにぷにの”にくきゅう”が・・・はふぅ、かわいい~~(><)ぢたばた×2 これには、まだ、続きがありますので、(1)とさせていただきました。 でわ、らぐぢすでしたっ★ |
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