Goodbye…

第一話 『さようなら』 たった一言の別離の言葉。 これだけであたし達の旅は終わりを告げた。 ガウリイと旅してもう三年以上も経つ。 もうあたしも19になった。 だから保護者はいらない。 だからあたしは言った。 「さようなら」 本当は、失うのが恐かった。 ガウリイ、あなたをあたしのせいで失うのが恐かった。 もうあたしは子供じゃない。一人で生きていけるから。 だから安心して保護者をやめて。 「大好きだったよ、保護者さん。」 『保護者』という言葉に『自称』という言葉はつけなかった。 ガウリイには『保護者』として大好きだったと告げるために。 嘘よ、本当はね。 『男』としてのあなたが大好きでした。 でもあなたには伝わらなかったね。 最後まで隠し通した想い。 『被保護者』としてじゃなく『女』としてあなたが大好きでした。 「そうか…」 それ以上何も言わなかったガウリイ。 言えなかった、のかな？ それは自惚れ？ あたしはもう一度さようならを言ってにこりと笑って。 ガウリイは、結局最後まで何も言わなかった。 踵を返して歩き出す。こぼれる涙を見られたくなくて。 いつかこの想いは思い出にかわるよね？ 何も言わなかった彼の代わりに風が彼の長い髪をかすめて金の残像だけがあたしの視 界に入って、消えた。 〜〜続く〜〜