思 惑 |
彼女はベッドに横たわる。 だが、どれほど頑張っても眠りは訪れない。 溜め息をひとつ吐き、起き上がる。 瞳に決意を秘めて・・・ 隣の部屋の気配が動いた。 オレは起き上がり、部屋の鍵を開けた。 椅子に座り、目を閉じる。 扉の前に彼女が来る。 が、そのまま動かない・・・ためらいが伝わってくる。 呼びかけそうになるのを堪え、ただひたすら待つ。 コン、コン しばらくして、遠慮がちな音がした。 「ガウリイ、起きてる?」 「どうしたんだ、こんな時間に?」 我ながら意地悪な質問だ。 また、リナにためらいが浮かぶ。 「ちょっと話があるんだけど・・・」 「入れよ。鍵は開いてるから」 扉が開かれ・・・・・瞬間、息を呑んだ。 リナはパジャマ姿だった。 崩れそうになる心を何とか押さえ込む。 「話って?」 何とか、静かな声を出すことができた。 声に誘われるかのように、リナが近づいてくる。 オレの前にリナが立つ。 彼女の瞳は少し潤んでいる。 うぐっ!? 更に強くなる衝動を耐える。 オレはまた、彼女が動くのを待った。 耐えかねたのか、リナは叫んだ。 「なんで、なんで何も言わないのよ!!!!」 「なにを?」 「あたしがノエルに・・・・」 そこまで言い、口をつむぐ。 オレはリナの瞳を覗き込み、語りだした。 「オレにはそれを言う資格は無いからな。」 「どういう意味よ。」 「オレはリナに愛してるって伝えたけれど、リナから返事をもらってないから」 「なっ」 とたんに顔が赤くなる。 ・・・・ほんと、かわいいよな。 抱きしめたくなるのを堪え、言葉を続ける。 「なぁ、リナ。おまえはオレのことどう思ってるんだ?」 「そ、それは昨日」 「オレは言葉が欲しい」 悲しげな表情で、リナの言葉を遮る。 「あたしにそんなことを言えと?」 全く覇気の無い声で聞いてくる・・・・・もう一息だな。 「だめなのか?」 すがる瞳で見つめる。 リナの顔がますます赤くなっていく。 少しして、リナが目線をそらした。 「一度しか言わないから、心して聞きなさいよ。」 「あぁ、リナ」 笑みを浮かべ、名前を呼ぶ。 リナは全身真っ赤になった。 それでも、オレの方を向いて、待ち望んだ言葉を言った。 「す、すきよ」 ・・・・心に染み渡る・・・・このときを待っていた!!! 「愛してる、リナ」 そして、抱きしめた・・・・ぬくもりが伝わる。 唇を耳元に寄せ囁いた。 「じゃあ、お仕置きだ。オレの思いじっくり教えてやるよ。」 「へっ?」 突然の変貌に呆然となる・・・・ふっ、もらった!!! くぅぅぅぅぅ!!!あぁ、えらいぞオレ!!!!!! オレの理性もたいしたもんだ・・・・まっ、このためだから我慢できたんだが・・・ さすがに、パジャマ&潤んだ瞳のダブル攻撃はつらかった。 だが、それも全てはこのため!!!!! この機を逃さず唇を奪う。 「んうぅぅぅぅっぅぅうぅぅ」 ようやく事態に気づいたのか、リナが抵抗する・・・だが、もう遅い!! リナから完全に力が抜けるまで、オレはキスを続けた。 「あ・・・あんた・・・い・きな・り・な・・・に・・すんのよ」 息も絶え絶えに訴える・・・・・まだ分かってないようだ。 「だから、お仕置きだって言っただろ」 「なんであたしが、そんなことされなきゃいけないのよ」 「オレ以外の奴にキスしようとしたから」 「さっきまでそんなそぶり・・・ま、まさか・・・ガウリイ」 リナから血の気が引く。 やぁっと、分かってくれたみたいだな♪ そのままリナを押し倒す。 「2度と他の男に目がいかないようにしてやるよ」 「ちょっと、ま・・・んぅ・・・はめられたぁぁぁぁぁぁ!!!!」 こうして、夜は更けていった。 彼と彼女がどうなったかは・・・・皆さんのご想像にお任せします。 す、すいませぇぇぇん。思いっきり遅くなりました。 なのに出来上がったのは・・・・・(シクシク) お待ちくださった皆さん、ありがとうございました。 では、また別の話でお会いしましょう。 ・・・・え?もう少し読みたい。そんな優しい方は、下に行ってください。 かなりろくでもないですが・・・・ 読んで頂きありがとうございました。 ・・・・次の日・・・・ ・・・う〜ん、なんか暖かくって気持ちいい・・・ スリスリ・・・・ぎゅっ ・・・な、なんかきゅうに苦しい。なんで?・・・ 息がつまり、仕方なしに目を開ける。 目の前に金色のものが光っていた。 ・・・わぁ、きれぇぇぇ・・・ スリスリ・・・・ぎゅぅぅぅぅぅ げほっ?!?!なんなのこれは!! 苦しさで完全に目がさめる。 最初に映ったのはサファイアの瞳。 整った顔、流れる金髪・・・・・・あっ、ガウリイだ 「おはよう、リナ」 「おはよう、ガウリイ」 んっ、なんで一緒に寝てるの? ・・・・・・・?!#%&$‘(%(==(($(&#!!?>>!! お、思い出した・・・・昨日・・・・ って、ことはさっきまであたしが頬擦りしてたのは・・・・ ああああああああああ!!!!!!!!(/////) うっ、ガウリイの顔が見れない。 あたしは反対側を向こうとしたが、拘束されててできなかった。 「ちょっ、離して」 「嫌だ」 そういって、キスしてくる・・・しかも・・・ 「ん・・・や・め・・・・あんた、朝からなに考えてんのよ!」 「だってなぁ、あんな大胆に誘われたら・・・」 「あ、あれは寝ぼけてて」 「まっ、もともと離す気はなかったけどな」 えっ、それって・・・ 青くなったのが自分でわかった。 「オレの思いは一晩で伝えられるほど甘くないぞ」 「いや、十分分かったから」 「それに一昨日遅くまでなにしてたか、まだ聞いてないし・・」 「お、覚えてたの」 なんで、余計なことばっかり覚えてるのよ(泣) はっ、今はそんなことより 「ガウリイ、話し合いましょう(はーと)」 「そうだな。リナ、愛してるよ」 「まてい。そういう意味じゃ・・・・んきょあぁぁぁぁぁ!?!?!?!」 「奴が来るまで、ゆっくりしような♪」 ・・・・この後、あたしはノエルが来る日まで一歩も外には出られなかった ・・・・理由は、お願いだから聞かないで(シクシク) ・・・・4日後・・・・ なぜか、ガウリイのいない隙を狙ったかのようにノエルが訪ねてきた。 彼は全身ずたぼろだった。 なぜそうなったかは、いくら聞いても教えてくれなかった。 お金を受け取り、お別れというところでノエルが握手を求めてきた。 それを受け、手を差し出した瞬間、彼は脱兎のごとく去っていった。 な、なんで突然・・・・・もしや!!! 振り返るとやっぱりガウリイがいた。 こんなに近くにいて気配を感じさせないとは・・・・ でも、なんでノエルは逃げたんだろう? ・・・・・ま、ましゃか、あの怪我は・・・・ あたっていたら怖いので、あたしは聞かなかった。 全身に冷や汗が流れた。 そんなあたしを、ガウリイはにっこり笑顔で見ている。 ただし、目がぜんぜん笑ってない。 部屋に連行される道すがら、感じた。 ・・・あたし、とんでもない奴に捕まったんじゃあ・・・ おしまい |