白 鳥 の 湖


〜序幕〜




 森と湖に恵まれたとある国に、それはそれは見目麗しき王子様がいらっしゃいました。

 成長するにつれ、その美しさは増すばかり。少年時代より近隣諸国、はては遠方の国々より求婚の申し込みが殺到しておりました。しかしお年頃になっても、そのようなお話に王子様は見向きもしません。なにしろこの王子様、女性に対して全くと言っていいほど関心がないのです。それというのも王子様、幼少の頃より愛らしい顔立ちをされていたわけですが、そこに原因があると申せましょう。
 非の打ち所がない外見をお持ちの上、剣持てば国一番。性格も大らかで屈託がなく、女性やや子供にお優しい、となれば。もてないはずはありません。その上博愛主義者的傾向があったようで、身分をとわず、老若とわず、既婚未婚もといませんでした。門戸を大きく開き、数々の女性と関係を持たれたのです。ただし一度限りのご関係。結果、受け入れたお相手の数は計り知れないものとなりました。それでもその性格ゆえか、不思議と憎まれることはありません。
 ただ、引っ切り無しに現れるお相手に、流石の王子様も辟易してしまい。成人前にはとうとうご婦人方を遠ざけるようになってしまったのです。別に冷たい仕打ちをなさるわけではありません。ただ、肌を重ねることをやめただけ。
 
 女性とのお遊びにはもう飽き飽きの王子様。今は同姓のご友人達とお遊びになるのが楽しくて仕方がない様子。同性に毛嫌いされてもおかしくない所業をなさっていた王子様ですが。能天気な笑顔は同性にも有効です。皆、温かい目で王子様を見守ってくれています。
 ですが、心配がないわけではありません。ただ一人の後継ぎに、やはり腰を落ち着けて欲しいと思うのは当然のことでしょう。王様もお妃様も大層困り果てておいでです。しかし当の本人は周囲のそんな様子にもどこ吹く風。生来の能天気な性格が災いしているようです。

 ところ変わって隣の国。こちらにもそれはそれは可愛らしいお姫様がいらっしゃいました。
 ただ、お姫様としては多少、多少、多少・・・変わった性格をなさっておいでかもしれません。
 そしてそのお姫様はある秘密を抱えていたのです。

 さて、もうすぐ王子様の成人式が催されます。国中の人々がそれを祝うために集まります。そして王子様の花嫁候補も・・・・・。

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 はじまりました『白鳥の湖』です。
 見ての通り続いてしまいます・・・。
 できれば見捨てずにお付き合いくださると嬉しいです。