月とウサギと少女と魔法










             《エピローグ》


 そして、朝が来る。
「こらガウリイ!仕事でしょーが、何時まで寝てるつもりよ!?」
 少女の甲高い声にうるさそうにガウリイは目を開けて。
「きゃあっ」
 彼女をベッドに引っ張り込んだ。
 少女の方は逃げ出そうとするのだが、なにぶん基礎的な力に圧倒的な差があるためあっさりと組み敷かれてしまった。
「リナ」
「………あんた、あたしが来るの寝たフリして待ってたわね!?」
「当たり」
「当たりじゃないわよ!ご飯が冷めちゃうでしょ。さっさと起きろ!!」
「………俺、別のものが食べたい(妖笑)」
「いーーーかげんにしろーーーーーーっっ」
 そして今日もガウリイはスリッパで引っ叩かれるのであった。


 ぶつぶつ言いながらリナははだけられた胸元を直していく。その様子を捨てられた子犬のような顔でガウリイは見ている。
「あ〜の〜ね〜〜〜っっ」
 これがたまの休みの時というのならリナも考えなくも無いのだが、毎朝こうとなるといい加減怒りたくなるというものである。
 ……あの月華祭の夜。本当ならあのままただのウサギになってしまうはずだったのがこうしていられる。それはそれで嬉しかったのではあるが。
 ゼロスのかけた魔法を銀の月見草に宿る魔力で解いた後、リナはまる二日の間眠り続けた。彼女が目覚めるまでガウリイはつきっきりで看病してくれていた。
 目覚めた後、家のこともありリナは一度自分の家に帰っていった。
 後で聞かされた話によると、リナが再びガウリイを訪れるまで仕事中も上の空で使い物にならなかったらしい。
 結局リナの方もガウリイが嫌いではなかったし、何よりガウリイの方がリナに惚れこんでいたし。正式に付き合い始めてから一年たってようやく収まる所に収まったのではあるが。
 毎朝毎朝これでは、リナでなくても頭を抱えたくなるものである。
「何時までも子供みたいに拗ねてるなら、ご飯あんたの分だけ作ってやんないからね」
「それは困るなぁ。リナの作ってくれる飯は世界で一番うまいから」
 にこにこしながら言われて思わず真っ赤になってしまうと、ガウリイはくすくす笑いながらリナを引き寄せた。
「ホントにリナは可愛いなぁ」
「馬鹿。何言ってるのよ」
 そのままリナの唇を奪おうと……
「…………お取り込み中、悪いんだが。俺がいること忘れてないか?」
 困り果てたゼルガディスの呟きに、泣く泣くガウリイはリナを離した。


 ……ま、何にせよこの二人は幸せになれたわけで。
 あまりのアツアツぶりに当てられてげんなりしてる人や、「俺の想いよ〜〜いつになったら届くんだぁ〜〜〜っ」ってな人もいますが。
 終わり良ければ全て良し。
 物語の終わりはいつものあれで。


めでたしめでたし♪




「そういえば……」
「何だ?」
「あんた、ウサギがあたしだってわかった後、なんで知らないフリなんかしてたのよ?」
「あぁその事か」
 ガウリイはにっこり笑って言った。
「こういう場合、正体がばれたらいなくなるってのがお約束だろ?リナがいなくなるなんて絶対に嫌だったからな」
 そう言いながらキスをするとリナは見事に真っ赤になった。
「黙ってたおかげでリナはもう俺のもの♪」
「誰が誰のものよ!?あたしはあんたのものなんかじゃないわよ」
「真っ赤になって何を言うかなぁ〜。それに」
 ニヤリと人の悪い笑みを浮かべてガウリイはリナの胸元をつついた。
「こぉ〜〜〜んなに俺のモノってしるし付いてるし♪」
「ちょっとやだっ!何やってんのよ!!」
「もちろん夫婦の愛のかたらいってやつ。もっとも話すだけじゃ物足りないからなぁ〜〜(アヤシイ笑み)」
「こらっ明日も早いんでしょうが!!いーかげんに………って、こら、あ、あんっ………」

 ………おあとが宜しいようで………

「ちっとも良くありません!!」(By,ゼロス)











平謝りのコーナー

 ごめんなさい。また妙なシロモノできました。
 秋→お月見→月といえばウサギ、という妙な思考回路のもと出来あがった駄文です。
 何だか書けば書くほど収集がつかなくなってきている気がするのですが。
 ゼロスがどうなったかと言うと、リナにかけた魔法が解けちゃった事をものすご〜〜く悔しがってます。んで、結婚式に花嫁誘拐しに来たりしてますが、アメリアの正義の心とガウリイの愛のパワー(笑)にあえなく失敗してます。
 ま、ゼロスが不幸になるのは構わないのでどんどん不幸になってもらっちゃうんですけどね〜♪
 気がついたら随分ご都合主義な展開……しょせん私じゃこんなものよね(開き直り)
 それでは突発の駄文にお付き合いくださって有難うございました。