誕生日は、お前を・・・・ |
「なぁ〜っ、リナ?」 そうオレは、隣で本を読んでいる相棒のリナに 話し掛けていた・・・。 実の所では、今日 オレにとって、 自分の人生を掛けた、大事な日であった。 「何?・・」 リナは、そう言って 読んでいた厚い本から、 顔を上げて微笑む。 いつも思うが、本に熱中しているリナも、 カワイくて・・・。 時々、自分の視界に入ってきた髪をかき上げる 姿も、その時に、見えるリナの白いうなじも、 男としては、絶対にソソられるであろう シュチュエーション、だと思う。 うおぉぉぉ〜〜っ! どうして お前さんは、 こぉ〜んなに可愛いんだよぉ!! こんな事を心の中で、思いつつも、そんな事、 顔に微塵も出さず、オレは、リナに言った。 「お前さん、今日誕生日じゃないのか?」 そう・・、今日は、リナの誕生日なんだ。 だから、サラッと リナの欲しい物なんかを 聞いてみて、オレは、それと一緒に・・ 自分の気持ちを、リナに『告白』なんて、 ガラにもない事をしょうとしている。 でも、リナ本人が、おもいっきり キョトンと している所からして、コイツ 自分の誕生日を 忘れていたな、たぶん。 「おおおおっっ、ガウリィが、人の誕生日を 覚えているなんて!」 どさくさに紛れて、酷い事を言われている様な 気がするのだが・・・(汗) しかし、そんな驚いた顔をしたリナも可愛い、 と思ってしまうのも、惚れた男の弱味って ヤツだよな。 「・・・おひ。いくらなんでも、それは、 無いんじゃないか?」 オレは、思わず 苦笑いをしていた、確かに 考える事は、大抵 いや大部分、リナに任せて いるが、リナの事となると頭の脳ミソが、 回転するらしい。 その・・・、リナの事だけだぞ、 ハッキリ、キッパリと言えるが。 「だって ガウリィが、あたしの しかも・・・、一度しか言ってない 誕生日を、覚えているなんて うみゅ〜ぅ、天変地異の前触れかも」 天変地異って、おっ お前・・・。 オレは、無意識に 地面に『のの字』を 書いていた・・情けねぇ・・・。 だが、リナの言った通り、リナに生まれた日を 訪ねた時。 リナは、あの時・・、 『レディに誕生日を聞くなんて御法度よ』 とか魔法をブチかましつつも、オレに 聞こえるか、聞こえないか 分からない位の 小さな声で、ちょっとだけ 赤くなりながらも 答えてくれたんだよな。 でもな、オレは、その時のリナの小さな声も 聞き取る程、しっかり はっきりと、 聞いていたんだぞ。 「お前さんの誕生日なんか、 忘れてたまるかよ・・・」 ボソリと、言ったオレの呟き・・・、 オレの本音。 リナの事だから、覚えていたい。 リナの事だから、無い頭も少しは、動く。 スライムだって、生きているってコトさ。 「今、何か言った ガウリィ?」 やべぇ、聞かれちまったかなぁ? リナの耳が、エルフ並だって事を、すっかり 忘れてたぞ。 いつも、その事を、時々 忘れちまって、 要らぬ一言を リナに聞かれて、 魔法を浴びちまうんだよなぁ。 「まぁ、それでだな。 何か、誕生日のプレゼントでもっ、 と思ってな」 オレは、とてつもなく、焦りつつも、リナに 話を振ってみる。 今の所は、リナから欲しい物を聞き出すのが、 オレの目的でもあるからな。 「・・・その気持ちだけで十分よ。 その・・・・・ありがとね、ガウリィ」 しばらく リナは、考え込み・・・、 口を開いたが、答えは、意外なものだった。 言葉を発した時のリナは、少々 頬が赤くて オレから、目をそらしている。 ん?・・、照れてるナ コイツ。 リナは、こ〜ゆ〜の苦手だろうからなぁ、 ・・・でも、いらない?? オレの気持ちだけでって、多少以上嬉しい モンがあるが、それじゃ オレの告白をする っていう、崇高な目的がぁぁぁ!!! 「へっっ?」 オレの間の抜けた声、まったくもって 意外だったぞ。 リナの事だから、目を輝かして オレに高い 品物を吹っ掛けてくると 覚悟して、 腹を括って、リナの目を盗んで、コツコツと、 簡単な依頼をこなして、少しは、リナの欲しい 物を買える程度の金も手に入れたのに。 それもこれも、リナの為を思えば、 出来た事・・・。 リナだから、オレだって、半日 赤ちゃんの オモリだとか、川に落とした 落とし物を探し 出すだとか、ジィさんの話し相手になってやる だとか、色々な仕事をこなして来たのに、 涙モンの努力を重ねて、 ・・・しかも、リナの目を盗んで だぞ。 「十分だってば!! ・・・ガウリィがさ、 あたしの誕生日を覚えていてくれてた、 それだけでも・・・十分、価値があるわよ」 お前、本当にオレの事、スライムだとか、 クラゲだとか、思っているんだなぁ。 はぁ・・・、それは、それで 悲しいモンが ある。オレは、人間以下の存在か(トホホッ) 「でも、それじゃ、オレの気がおさまらないぞ 欲しい物だけでも、言ってみろよ リナ」 どうしても、今日のこの日を逃したくなかった 今日は、リナの誕生日なのだから・・・。 だからこそ、オレは、リナにオレの素直な 気持ちを伝えるって事を、逃したくなかった。 ・・・だから、無理にでも尋ねてみる。 「・・・そうねぇ、言うだけならいっか。」 おっ! リナのヤツもオレの事、少しは、 理解してるじゃないか。 今日のオレは、いつもより 思いっきり しつこいぞ。 それが、リナにも 分かったらしい。 「あたしの欲しいモノはね、お金では、 買えないモノなのよ。 それが、何かなんて 愚問すぎて 答えないケドね」 金では、買えない物?・・・、 それって、盗賊から かっぱらた物とか、 特殊なルートじゃないと、手に入らない物か、 何かなのか? 「リナが、買えない物なんて、有るのか?」 リナが、持っている金は、相当な額らしい。 持っている魔法アイテムを含ませると、 物凄い額にだと、聞かされたコトがある。 それでも、買えないなんて・・・ だから、オレは、ストレートに問い掛けた。 そんなオレに対して、オレの横にいるリナが 笑ったのが伺えた。 「そりゃあ、手に届きかけても、 それに触っても、あたしのモンにならない くらい値段が、付けられないモノよ」 ほぉ〜っ、リナが欲しい物は、特殊だけれども 手に入るかもしれない という代物なんだな。 早速、オレの頭の中に忘れないうちに、 インプットっと。 「リナが、買えないんじゃあ、オレには、 到底ムリな話だな・・・」 う〜ん、困ったなぁ。リナが買えないとなると オレの懐にある金では、買えない事は、 明白だしなぁ・・・・ はぁ〜っ。 「あたしが、欲しいのはね・・・。 この世界の全てと、天秤に掛けてしまう程、 手に入れたいモノなの。」 オレが、いじけているを余所に リナは、 そんな事を言った。 ・・・この世の全てと天秤に掛けたって 一体何の事だ? 「この世界って、それは・・・」 大袈裟すぎるぞ、それって。 オレは、再び苦笑いをした。 だって そうだろ、リナは、自分が一番 大切だって思っている女なのに、 ・・でも、オレは、その一番を オレに変えようとしている。 そんなリナが、大袈裟な事を言うなんてな。 (意外かな?) 「まぁ、信じる・信じないは、人の自由だし、 あんたの勝手だけどね!」 ・・・マジか? リナの目からして、それが ウソではないコトは、事実らしい。 そんなに思っても、 手に入らない物があるなんて、 オレは、リナの事を誰よりも知っている つもりだったのに、分からない事が 有るなんて・・・。 「そんなに欲しいのに、 手に入らない物なのか?」 「うん・・、一度ね、 それを他のヤツに取られかけて、 取り返して、その後は・・言わない・・・」 言わないって、そんな言われ方をされたら、 誰だって、気になるぞ。 「無くなっちまったのか?」 「・・・その話は、これでお終い!!」 リナは、オレの問いを無視する形で、床に 目を向ける。 そこには、先程 彼女が読んでいた本が、 落ちたままの形であった。 リナは、それを手に取る・・・、 そんなに、オレの問いに答えたくないのか? 「リナ・・・・」 「あたし、魔導書の続き 読みたいからさ・・・」 そう言うリナだが、開いた本が まったく 進んでいないのが分かる。 読んでいる目も、焦点が合っていない。 とてつもなく、狼狽しているのが・・伺えて、 オレの胸は、締め付けられた様に痛かった。 「リナ・・・、それが、欲しいのなら、 リナが手に入れるまで、トコトン 付き合ってやるから、 その物が、何か教えてくれよ」 オレは、リナが、今・・・、 考えている事が解らないけれども、 リナのそんな目を、見ていたくなかった。 その瞳から、今にも涙が、流れてきそうな そんな悲しそうな瞳。 ・・・欲しい物を聞いたダケなのに、なんで そんな瞳をするんだ? オレの好きな真紅の瞳は、今 濁っている。 「良いんだってば。 ありがと、ガウリィ・・・」 リナの微笑み・・・、 無理をして作った時の微笑み。 そんなんじゃ、オレに無理してますって バレるの、リナだって 分かっているだろうに 「なぁ・・、 オレって そんなに頼りないか?」 ・・・悔しかった、リナに頼って欲しいのに、 リナは、いつでも、無理をしてでも、 自分の小さな肩に、全ての事を抱え込んで しまう。 それが、分かっているのに、リナに頼られて いない自分が、歯ガユかった!! 「そんなコトないってば!」 リナは、オレに向かって、手をパタパタと 振っている。 ・・・オレにバレていると、分かってても、 リナは、強情に強がっているのが、リナらしい と言えば、らしいケドな。(苦笑) 「だったら、どうして 教えてくれないんだ?」 好きだから、頼って欲しい。 ・・・もう、彼女は、十分 大人の女なんだ、 だから、オレは、保護者として、今までいた ポジションを捨ててまで、告白なんて、 ガラにもない事をしようと心に決めた。 この事によって、リナに振られたって オレは、諦めるつもりは、サラサラなかった。 もし、振られたって オレは、彼女の側を 離れるつもりは、まったく 考えてもいない。 「だって、あたしの欲しいのって、モノは、 モノでも・・・・」 ・・・リナは、最後まで言わず、口を紡ぐ。 今まで、見せた事のない リナの顔・・、 大人の女性が見せる様な、そんな悲しそうな顔 オレは、そんなリナの力には、なれないのか? そんな顔なんて、今まで見た事すらない。 「リナ?」 「ガウリィの言っているのは、 物体のコトでしょ・・」 「だって、普通はそうだろ?」 リナが顔を上げて、そんな事を言った。 普通は、物って言ったら、形のある物体だろ? その他に、何か有ったのか?? 疑問を並べた顔をしてたら、横に居たリナの 顔に、呆れた様な、そんな姿が伺える。 ・・・そんなリナを見て、ホッとした自分の姿 リナには、あんな顔は、似合わないから、 呆れた顔でも、オレには、嬉しかった。 「あたしが欲しいのは、お金では買えないの。 ・・・いえ、買えるとしても、あたしには 似合わない光」 ・・・光? リナのヤツ、 今 光って言ったよな。 「光?」 「そう・・、あたしは、それを失いたくないが 故に、禁呪を唱えた」 禁呪!? 確か、リナの使える魔法の中で、 トップクラスの呪文で、リナが、リナでは、 なくなった あの忌々しい出来事か!! リナが、その事を言っているのなら、 オレには、どうしょうもない事じゃないかよ! 「!!!??」 「それにね・・、言ったら、 いなくなっちゃいそうで、 ・・・・怖いんだ」 怖い?・・、リナが怖がるって?? そんなオレに対して、下を向いていたリナが、 オレの方に顔を上げて・・・。 途端、オレと目が合う。 ・・・何だ? リナの真紅の瞳に闘いにいる 様な、そんな熱い何かが、見え隠れしている。 「ガウリィ、好き・・・」 ・・・・・は? リナのヤツ、今 何て言ったんだ? オレの耳が、おかしくなってないかぎり、 リナは、オレの事が、好きだって言ったよな。 あぁ! これが、夢なら覚めないでくれ。 こんな都合の良い夢なら、オレは、喜んで 寝たままでいるぞ。 しかし、これが夢ではない事が、今判る事実。 「世界よりも、あんたを選んだ あたしには、 そんな資格なんて無いのにね」 世界よりも欲しいのって、オレの事なのか? クスッ、モノって、『物体』じゃなくて、 人の事を指す『者』の事なのか。 これは、リナにしてやられたな、 ・・・でも、自惚れて良いんだよな。 リナが、オレの事 好きだって事に・・。 「ガウリィには、迷惑だと思うケド・・・・、 あたしは、もう あんたを保護者として なんか 見ていないんだよ」 淡々とした口調で、リナは、語っている、が リナの様子からしても、相当 勇気がいった 様に感じられる。 それが証拠にリナの頬は、綺麗にバラ色に 染まっている。 ・・・保護者にみられている事に、オレも、 苦痛を感じていた。 リナの事を好きだって、自覚してからは、 自分で、自分を殺していた、 リナの側にいられるだけで、オレは、 幸せなんだって、自分に言い聞かせてさ。 自分で語って、引いたポジションなのに、 それが、今となって、オレ自信を苦しめていた 「だから・・・サヨナラだね」 その言葉と共に、リナの頬を伝う涙。 あっちの世界に行っていたオレは、いきなりの リナの涙に、現実の世界に スグに戻って 来れた。 「サヨナラって 何だ?!」 オレに言いたい事だけ言って リナは、 別れるって言うのか?!! オレから、離れるって言うのか?!! そんな事、許さない! オレは、認めない!! オレは、リナに オレの本当の気持ちを、 伝えてさえいないのだから・・・。 「迷惑なんて、 オレは、思ってなんかない!!」 オレの発言に、リナの瞳が、更に大きくなった ビックリした様子。 まだまだ、こんな所は、子供じみてるよなぁ。 まっ、そこも、可愛いんだけどな。 「リナがな、・・オレが欲しいって言うのなら オレの全てをくれてやる!!」 そう・・・、オレは、リナと共に生きていたい と、思っている。 だから、オレは、言わねばならない・・・、 リナが望むならば、リナが望むかぎり オレは、リナ自信に誓ってもいい! ・・・・お前 一人だけに、全てを捧げると。 「残りの人生、全部 リナにくれてやる。 オレからの誕生日プレゼント、受け取って くれるよな?」 オレは、リナの言葉を待たずに、自分の 腕の中に、リナを引き寄せた。 ・・・この小さな、華奢な身体で、 全てを背負うなんて、 オレは、絶対に許さないぞ。 だから、これからは、オレだけを頼って欲しい オレもリナだけを見続けて、 リナだけを愛し続けるから・・。 ・・でも、こんな事、このオレでも、 恥ずかしくて口では、言えんぞ。 「好きだ リナ、・・・オレの側で輝いてくれ オレが、リナの光なら、 ・・リナは、オレの太陽だよ」 おおっと、リナのヤツ、顔が真っ赤になってら だが、もう 離さないからな!! オレに んなコトを言わせるのは、 リナだけだからな!! 「・・・迷惑じゃないの?」 ん?・・、迷惑? オレは、リナのそんな問いに対して、 怪訝に思った。 「誰が、んなコト言ったんだよ!」 オレは、ぶっきらぼうに、言い放つ。 「だって、あたしのコト、子供扱いしてて・・ それで迷惑じゃないなんて、普通なら、 まったく、思わない・・・わよ」 ・・なんだ、そんな事か。 でも、子供扱いって、そんなに嫌だったのか? ・・・女ってヤツは、判らないモンだな。 オレは、リナの顎に手を掛けて、自分の方に 向かせた。 「リナは、可愛いし、美人だ・・・、 そんなリナを、子供扱いしないと、オレが、 リナを壊しちまいそうで・・、 だから・・我慢してた、子供扱いしてた」 ・・・そう、だから、オレは、リナの事を 子供扱いし続けた。 しかし、それでも、町に入った時のリナを見る 男共の熱い視線が、オレの嫉妬心を、 掻き立てていた。 リナは、ちっとも 気付かなかったケドな。 何度も、抱きたくて触れたくて、それを 自分が引いた保護者と言うポジションが、 大きな壁となって、立ち塞がったんだ。 ・・・リナのヤツ、オレの言った言葉に、 ボ〜ッとしてら。 自分から、告白して来た割には、こんな事には 本当に免疫力ってヤツが、無いよなぁ。 「ガウリィ・・」 「オレを繋ぎ止めていた壁・・・、 保護者なんて、壁はってさ・・・・」 何度、この壁を壊そうと思ったか。 その数は、もう 計り知れない。 しかし、それをしなかったのは、リナが 一番大切だったからだ。 リナが、子供なら、オレだってそうさ。 自分の好きなモノを、手の届く所に置いて、 無くさない様にしている気弱な子供。 「それで、今日 リナに好きな物を、 プレゼントして、告白しようと思って いたのに・・・先を越されたな」 自分の頬を、指で、ポリポリと掻きつつ、 オレは、そんなコトを言った。 ・・オレ、今 顔が赤くなっている、絶対に! 脈も早いし!!(静まれ オレの心臓! リナに聞かれちまう!!) ・・・きょ、今日の目的である、 リナの誕生日に告白をするって事は、以外にも リナの告白で幕を下ろそうとしている。 でも、告白は、オレから したかったな・・、 まぁ、・・可愛いリナが、何度も見れたから 良しとしよう。 「でも、リナが オレの事を好きだって 言ってくれて 倒れちまいそうな程・・、 嬉しいんだぞ」 オレは、リナに向かって笑いかけた、 本当に、嬉しいから。 ・・・んっ? リナのヤツ、更にボ〜ッと してるぞぉ?? そして、オレと目が合った途端、 クスクスと笑う。 「リナとオレは、相思相愛ってヤツ だったんだなってな・・・・」 自分で言っときながらも、リナが言う所の 『寒イボ』ってヤツが、出て来そうになって いるが、それは、根性で抑えてっと。 我ながら、良い言葉ではあるが、『寒イボ』は ちょっとな。 「オレはさ、リナに逢わなかったら、 暗闇の中を一人で、たった一人で、 ずっと 歩いていたと思う・・・」 ・・・逢った頃は、何とも思わなかったのに、 リナと共に旅をする様になってから、 リナの人柄に惹かれていった。 その真っ直ぐな真紅の瞳に、 オレにないモノをみた・・・。 そして、何時の間にか、オレの心を全て、 盗んでいったんだ。 いや、今 思えば、初めて逢った時に、 もう 捕まっていたのかもしれない。 この真紅の、何者にも屈しない赤い瞳に・・ オレのその言葉に、リナは、何か考え込んで いるが、オレと目が合うと、ニッコリと笑った ・・・ったく、今 何か ろくでもない事を 考えていたなコイツ。 「だから、光が差し込んできて・・それが、 リナで、リナと言う存在で、嬉しいんだ」 オレは、リナの顔を凝視した。 おっ、ますます 真っ赤になっていくなぁ。 これ以上 見たら、間違い無く リナに 魔法で吹っ飛ばされるかもしれないので、 オレは、取り敢えず、違う話題を振ってみる。 「でもなぁ、金の掛からんプレゼントで、 良かったなぁ・・・・」 「お金の掛からないプレゼントって?」 あははっ、リナのヤツ、判ってないって 顔してるな。 そりゃ、そうだろうなぁ、クスッ。 「オレが、プレゼントなんだから、 元手は、ゼロだろ。 タダ、無料!」 ニカッと笑いつつ、オレは、名残惜しいが、 リナを抱き締めていた腕を緩めて、 その上で、リナの髪に軽く接吻をした。 「・・・ばか」 「これ程、あげて喜ばれるプレゼントは、 無いし・・、その上、オレは、 リナの気持ちも分かって、嬉しすぎだぞ!」 リナの小さな呟きを、耳で受け止めつつも、 オレは、聞かないフリをする。 ・・・にしても、オレが プレゼントなんて、 普通は、考えないもんなぁ。 リナだから、許される事であって、リナだから 受け取って欲しいモノか。 今更、要らないって言っても、もう遅いからな 返品は、受け付けんし、返されるいわれも ないぞ。 オレは、自分を指さして、リナに、送った プレゼントだと、キッパリと言い切った!! オレなんかが、プレゼントなんて 安い買い物を、リナにしてはしたもんだな。 でも、お買い得だったモノを手に入れたなぁ、 今なら、ブラスト・ソードの おまけ付! 自分で言ってて、笑える事だなぁ(うんうん) ・・・一生、付いてくからな覚悟しとけよ! 「それって、あたしにとって、マイナスで しかないってコト?」 「・・・あのなぁ、ここまで来て意地を張る 必要は、無いんだぞ」 リナらしい答え、これが、お前さんの答え方だ って事は、オレが、よ〜く知っているし、 リナの意地っ張りな所だよな・・・・。 「意地なんて、張ってないモン!」 そっぽを向いてしまったリナに対して、 オレは、我慢の限界値に来ていた。 可愛すぎるリナを一瞬にして、腕の中に 引き戻す。 「・・・・可愛い」 「ちょっと、 色ぼけスライムゥ〜〜ッッ!!!!!」 ホホ〜ッ、んな事を言うヤツには、 お仕置きだなぁ。(にやり) オレは、そんな事を思うと、悪魔の様な 微笑みを放ちつつ、リナの唇を塞いでいた。 憧れていたリナの唇は、柔らかく、 ・・・そして、甘かった。 ここから先は、子供は、知らなくていい 世界だぜ・・・・。 ここには、お子様はいない、 ・・・愛しい、大人の女性以外はな。 Fin |
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