限界  Gourry side


〜後編〜




「今までありがとう。別れましょう、ガウリイ。」


・・・・俺はその言葉だけは聞きたくなかった
・・・・だから、血を吐く思いをしても保護者でいたのに

   ぱりぃぃぃぃん

心の中で枷が外れる音がした。


「どいてよ!!」
身動きすらしない俺に、リナが声を荒げる。
そして、一歩足を踏み出す。
それが引き金となった。

   カチャン

後ろ手で鍵をかける。
音に気づいたのか、リナが顔を上げる。
そのまま動きが止まる。

俺はゆっくりとリナに近づいた。






「許さない」
そして、抱きしめた。
耳元でつぶやく。

「許さない」

  びくっ

リナが震えた。
「敏感だな」
細い顎を掴み、顔を近づける。
とたんに暴れだすが、俺を押しのけることができるはずもない。
強引に唇を奪う。

動きが止まった。
その隙に唇を開かせ、舌を差し入れる。
「ん・・・は・あ・んうぅぅぅぅぅ・・・」
リナが必死で逃れようとする。
許さず、舌を絡め力を奪っていく。

 ・・・・乱れた吐息、潤んだ瞳、上気した頬・・・・

煽られた俺は、更に激しく貪る。
耐え切れず、リナが瞳を閉じる。
顎を抑えていた手は、栗色の髪ごと頭を掴んでいる。
逃がさないために・・・・


リナは一人で立っていられなくなった。
俺は彼女を抱き上げた。
そのまま、ベッドに放り投げる。

「かはっ」
・・・・苦しげな声がもれた


彼女を白い布が包んでいる・・・他の男のものが。
気づいた時には服を引き裂いていた。

「やぁぁぁぁぁ・・・・」
・・・・・・か細い悲鳴がする
心の闇が更に深くなる。
「そんな声を出してもおれを煽るだけだ」
リナの顔が強張る。
だが、もう止まらない。

「おまえを逃がすつもりはない」
俺はリナに覆い被さった。
暴れるが、難なく押さえ込む。

そして、俺は本音をぶちまけた。

「おまえを誰にも渡す気はない。
 ノエルにも、他の奴らにもだ。」

 ・・・・おまえは俺のものだ・・・・

「おまえを奪うものは誰であろうと許さない!!
 たとえリナ、おまえでもだ!!!」

 ・・・・俺から離れることだけは許さない・・・・

「おまえを縛るためなら何でもしてやる!!
 なんでもな・・・・・」

 ・・・・離れられなくしてやる・・・・

俺はリナの体に手を滑らせた。

「ま・・って、待ってよ」
「いやだ」
それ以上聞きたくなくて、リナの息を乱れさせる。
「う・・・そよ・・・ノっ・・エルと一緒・・に
 ・・・い・・・くってのはぁぁぁっっ」

 え?

「なんだって」
掠れた声で返事が返ってきた。
「だから、ノエルと行くってのはうそよ。」

じゃぁなんでそんなうそついたんだ?・・・・もしかして!!
「それじゃぁ・・・」
「やっとわかったか、この鈍感エロボケくらげ!!!!」

  うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

俺の顔は嬉しさのあまり緩みまくった。
「リナ!!!!!!!!」
そのままリナを抱きしめる。

はぁ、人生ってすばらしい。
オレは喜びに浸っていた。
んっ、リナが静かだ・・・・げっ!

  (リナちゃん酸欠、顔青い)

「す、すまん!!」
慌てて力を緩める。
だんだんリナの顔色が戻って、それを通り越して真っ赤になった。
「あんた!!あたしを殺す気!!!」
「いやぁ、嬉しくってつい」
おぉ!!更に赤くなった。
くくぅ、食べちゃいたいくらいかわいいなぁ〜
はっ、この状況なら・・・・(ニヤッ)

「ねぇ」
リナがさっきより心持ち、いやかなり赤くなっていた。
照れてるのかぁ、ここはやはりオレが・・・
「ん、なんだ」
「いいかげんどかんかぁぁぁぁぁ!!!!!!」

   ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

顔面をスリッパではたかれ、オレは吹っ飛んだ・・・・
いつもより2.5倍増しの威力、それにオレは無防備だった。
さ、さすがにこれは効いた〜

「乙女にあんなことしといて、この程度で済むのを感謝なさい!!!」
言い捨て、リナは出て行った・・・・

 (くそ〜、逃げられたかっ!!!!)


  俺はその日幸せな気分で眠りについた

・・・・もうリナはオレのもの♪
   さすがに今日は夜這いなんてしないが・・・・

・・・・明日になったら・・・・覚悟しろよ、リ・ナ(はーと)

   などと考えながら









すいませぇぇぇん、えらいもん書いちゃいました。
 うっ、うっ。楽しみにしてた方、申し訳ありません。
 でも、読んでくださってありがとう(はーと)