Sweet Trap










一体いつからだろう?
凍り付いたはずの心が解け始めたのは――――

一体いつからだろう?
冷え切ったはずの感情が激しく燃え始めたのは――――

一体いつからだろう?
魂が震えるほどお前を求め始めたのは――――


*************


ひょっとしたら俺は
初めからお前に捕まっていたのかも知れない


紅く輝くその瞳と
出会ってしまったその瞬間に

強い意志を宿した瞳と
視線を交わしたその瞬間に

離れられなくなってしまったのかも知れない


そう まるで
猫のように身勝手で 悪魔のように残酷で

でも時に
天使のように優しくて 散る花のように儚くて

宝石よりも美しい 俺だけの女神―――


全ては作戦だったんだろう?

危なっかしい行動で 俺をハラハラさせるのも
月の光より妖しい笑みで 俺をドキドキさせるのも


分かっていた。分かっていたんだ。


ならなぜ捕まったって?


簡単さ。

気付いた時には、もう俺はお前から離れられなくなってたんだ

お前なしでは生きられないほど、お前を愛してた――――


*************


そう。きっと。

全ては必然だったんだ

俺がお前に惚れたのも 俺がお前と出会ったのも―――


そう。全ての引き金は

おそらく神が用意した、

あまりに自然で あまりに複雑で 時に何より単純な



         ―――――甘いワナ―――――



気付けなかったのは俺。

いや 気付こうとしなかったんだ。

なぜなら その時すでに

俺はお前の 虜だったんだから――――