Sky Blue |
あたしはときどき夢を見る。 考えたくもない悲痛な夢を―――――。 先の見えない空間に、あたしは独りでいた。 辺りを見渡してみると、岩が剥き出しになった大地の所々に、 何かが崩れ落ちたかのような、ガレキの跡があった。 おそらくここも、昔は街があったのだろう。 そんなことを想像していると、不意に声が聞こえてきた。 ――――お前がやったんだ―――― 「誰!?」 思わず身構えるが、姿が見えないどころか、気配すらしない。 ――――お前が殺したんだ―――― 再び声が聞こえた。先ほどとは違う声。 「なんなのよ、一体・・・?」 ――――お前が奪ったんだ―――― ――――お前が壊したんだ―――― ――――俺の人生を返せ!―――― ――――私の子を返して!―――― 「やめてっっ!!」 必死で耳をふさぎ、そう叫ぶ。 それでも、声が止むことはなく、小さな子供の泣き声や悲鳴まで聞こえてくる。 どうすることも出来ず、ただ首を横に振り続けていると、 目の前に、金色の光が広がった。 その光が、妙に暖かで、優しくて。 あたしは、その光に飛び込んでいた―――。 ・・・・そして・・・・ 目を開けると、夢で見たのと同じ、優しい金色が見えた。 そう、隣で寝ている、ガウリイの髪。 軽く引っ張ると、彼の目が開く。 「どうした、リナ?」 蒼空のような色の瞳に、あたしが映る。 「怖い夢でも見たのか?」 その言葉に、小さくうなずく。 「大丈夫だ。俺はここにいる。絶対、どこにも行かないから」 そういって、いつものように髪を撫でてくれる彼に身体を預け、あたしは今度こそ深い眠りに付いた―――――。 ***end*** 〜〜〜〜あとがき〜〜〜〜 このお話は「Ruby Red」の リナちゃんバージョンと言うことでお送りしました。 楽しんでいただけたら幸いです。 ではではっ。 読んで下さった方、ありがとうございました。 |