好きなのは・・・。









好きなのは・・・。


     いつ頃からだろう。ガウリィを「保護者」ではなく
     1人の「男」として見るようになったのは・・・。
     それは冥王フェブリゾにガウリィがさらわれたときからだろうか?
     いや、ひょっとしたらもっと前からだったかも知れない。
     あいつを好きになったのは。
何故この、自分で言うのもなんだが超テレ屋なあたしが
こんなことを考えているというとちゃんと理由がある。
ちょっと前、あたしたちは大切な仲間を失った。と、いうより
あたしが手に掛けたのだ、ルークを・・・。
少なからずあたしは落ち込んでいた。そんな中、自称保護者くんが
あたしの実家に行きたいと言い出した、なんでも葡萄が食べたいそうだ。
女の子の実家に行くってどういう事か分かってるのかしら?
そうでなくてもあたしは・・・。


「リナどうした?ぼーとして」
「あ、ごめんちょっと考え事してたわ」
「リナはいつも考え事してて大変だよな、俺はあまり考えないから楽だぞ」
「くらげぇぇぇぇ!あんたもたまには考えないと脳みそ腐るわよ!」
「ん〜確かにそうかもしれんが・・」
おひ、認めるなよ。
「おまえさんの悩みくらいは聞いてやることはできるぞ?」
えっ?
そっかぁ、ガウリィにはわかっちゃうわけね。
でも、もしあたしがこの事話してガウリィと別れることになちゃったら
今の関係が崩れたら・・・あたしは・・・
「話したくないならそれでもいいよ、ただ1人で抱え込むなよ?」
そういってガウリィはあたしの髪をくしゃっと撫でた。
そうよね、いつまでも抱え込むのはあたしらしくない。
「じゃあ部屋に戻ってるよ」
「まって、あとで部屋に行って良い?話したいことがあるの」
「ああ、もちろん」


トントン
「開いてるよ」
きぃー。
なんだかすごい緊張する。心臓がバクバクいってるし、顔も紅潮してるかも。
ガウリィは窓の近くの椅子に座って、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめた。
蒼く綺麗な瞳。少しだけ緊張がとれてきた。
「あ、あのね・・・ガウリィはいつまであたしの保護者してるの?」
「ん、一生だけど」
「うん。それはとてもうれしいしあたしも今の関係を崩したくない。だけど、
あたしの保護者として実家に行きたいのなら・・・ここで別れましょう」
ガウリィの腕が伸びてきて、いつの間にかあたしはガウリィの腕の中にいた。
「ち、ちょっと」
「保護者としてはダメなのか?」
「ダメ。あたいといても魔族に狙われるだけだし、やっかい事も多い。そして
ガウリィにはガウリィの道がある、あたしがあなたの人生を妨げたくないの。
それに・・・」
「俺はリナといてデメリットだと思ったことはないし、
俺の人生はリナの側にいることだ」
「その意味分かって行ってるの?」
「一生リナを守っていく」
「ちがうちがう。そういう保護者としてじゃなくて、
あたしは・・あたしは・・・」
無性にやるせなくて、苦しくて涙が出てきた。
「ガウリィのことが好きなのっ・・だ・・から・・ガウリィがあたしのこと
なんとも想ってないなら・・あた・・・」
その言葉を続けることはできなかった。
あたしの唇はガウリィの唇によって塞がれてしまったのだ。
「・・ん・・んんっ・・・んぅ」
もうあたしは考えることができなくて、やられるままになっていた。
その内にどんどん深いキスになっていて、脚なんかガクガクで
ガウリィにもたれ掛かるようになった。
「はぁ・・はぁ・・」
あたしは声を出すのもままらなくて、
しばらく沈黙が流れた。
その時もガウリィはまるで、壊れ物でも抱くように優しく抱きしめてくれていて、
とても落ち着いていて心地良いと思ってしまう自分に苦笑する。
「リナ、俺はな。・・・すごく怖かった」
「え?」
「リナのことが出会ったときから好きでたまらなかった。
だけど、もし言ってリナが拒絶されたら、別れることになったら・・・
って思うと何も言えなくて。リナが望むなら
ずっと保護者でもいいと思ってた」
「うん。あたしも似たようなこと考えた」
「でも、おまえさんはちゃんとぶつかって乗り越えいけるんだな。
何事にもめげず、ぶつかって、戦って、決して負けることのない
そんな姿に惚れたのかも知れないな」
かぁぁぁぁぁあああ
「お、赤くなってる」
「う、うるさい」
「だからさ・・・結婚しないか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
「リナはイヤか?」
「・・・ううん・・・うれしいよ」
「りなぁぁあ」
ガ、ガウリィがギュゥって///
「ガっガウリィ?」
「幸せになろうな」
「う・・・うん・・・///」