disturb



















女の扱いには、慣れているつもりだった。
女なんて、皆同じだと思ってた。


でも――――


お前と目が合った瞬間、それらは砕け散ったんだ。


初めてだった。


全てを見透かすような瞳。
全てを知り尽くしたかのような瞳。
全てを圧倒するような強い意思を宿した瞳。

そしてなにより

全てを燃やし尽くす炎のように鮮やかに輝く紅い瞳。



俺は思わず息を飲んだ。
言葉が、出てこなかった。


  * * * * *


あの出会いから、すでに5年以上―――――


お前は、ずいぶん綺麗になった。
それに、お前は大人になった。

少しずつ町並みも変わり、俺達の関係も変わった。


でも――――


お前の瞳は変わらない。
闇を知ってなお、輝き続けるその瞳は。

そしてその瞳は、あの頃と変わらず、俺の心をかき乱すんだ。


自由気ままに生きるお前は、決して俺の腕の中に収まってはくれない。


出会った頃と変わらずに、走り続けているから。

ただ前を見て、戦い続けているから。

未来を信じて、輝き続けているから。


 * * * * * 


俺はお前を護り続ける。

誰よりも、何よりも大切だから。



お前を邪魔する奴は、俺が許さない。

俺の心を動かせるのは、お前だけだから。




俺はお前に誓う。

どんなに永い時が経っても。

季節が移り変わっても。

俺はお前の側にいて、お前を護り続けると―――――。











             ***end***