数 え 唄









一つ    一際 強き意思

      瞳に秘めるは ヒの乙女

二つ    ふとした弾み 巡り会う

      二人とおらぬ 深き蒼(あお)

三つ    自ら生くる為

      身を尽くしてや 立ち向かふ

四つ    夜より深き王(もの)

      呼び覚ましたるは 人の意思(こえ)

五つ    幾多の戦い 繰り返し

      何時まで我ら 生き廻(めぐ)る

六つ    無常の無辺世界(むへんせかい)

      無明の内に 惑い行く

七つ    流れに逆らいて

      長き夜の闇 汝兄(なせ)と越ゆ

八つ    闇より深き性(さが)

      安くはなけれど やがて過ぐ


九つ    今生(こんじょう) 金色世界(こんじきせかい)

      今身(こんしん) いつか 帰るまで

十で    常盤に繰り返す 

      永久なる旅路 彼方へと





数え唄(訳)





一つ    一際 強き意思を

      瞳に秘めた ヒの乙女



二つ    ふとした弾みに 巡り会った

      二人といない 深き蒼(あお)



三つ    自分が、自分として生きる為

      命・心。己の全てを掛けて 戦う



四つ    夜より深き王(もの)を

      呼び覚ましたのは 人の想い



五つ    どれだけの戦いを 繰り返して

      何時まであたし達は 生き続けられるのだろう



六つ    何の当てもなく、儚いこの世界

      闇の中、迷いながらも歩いていく



七つ    自分が自分であるために。力や時間、その他諸々の流れに逆らって

      長い夜の闇を 貴方と越えて行く



八つ    闇よりも深い人間の性(さが)

      簡単ではないけれど やがては乗り越える



九つ    今、生きているこの世界こそ 掛け替えのない世界

      この身が いつか 全てのモノの母へと帰るまで



十で    永遠に繰り返していく 

      果てのない旅路 彼方へと







ちなみに、最初の『ヒの乙女』は「火」「緋」「陽」etc…最後の『彼方へと』は、
「かなた」でも「あなた」でも、読まれた方の好きな方で採ってください。