Twin |
「レイしょちょ〜、犯人はあにょなかですぅ〜!」 「じゃぁ、ルーリィけいぶ、突入じゅんびだ!!」 「はい!全警官に、つぐ〜ぅ、合図とともに、とちゅにゅう〜〜!」 「んで、犯人かくほ〜〜〜!!!!!」 「かくほ〜〜なの!」 きゃっきゃと、ソファーを使って遊ぶレイと、ルーリィ。 でも・・・警部はともかく署長が現場にいる? 子供達のお気に入りの遊び。 それは、警察ごっこ。 そういえば・・・前に本物の手錠をあたしとガウリイにかけたことあったわねぇ・・・ あのときは鍵が署にあったもんだから・・・朝恥ずかしかったなぁ・・・ 「ねぇ、かーさん。」 「ママ、ママぁ」 いつのまにか、警察ごっこも終わったのかレイとルーリィが傍に来ていた。 「なに?」 「今日もとーさん遅いの?」 「パパ、いつ帰ってくるの〜?・・・・・あぅ、ぱぁぱぁ・・・・」 やばい・・・ルーリィはものすごいお父さんっ子、このままだと泣く! しかも、泣いたルーリィはガウリイ以外に止められる人はいない!! 「ほ、ほら、ルーリィ。 今からガウリイのお弁当と、着替え届けに行くけど泣いちゃったらせっかくの可愛い顔が台無しだよ〜?」 「うん、あたし泣かないもん♪」 なんという変わり身の早さ・・・ もう笑って『パパ♪パパ♪』と歌いながら踊っている・・・。 ちなみに、ガウリイは警察官で今彼の署の管轄内での連続放火&殺人事件の捜査でもう3日ほど帰ってきていない。 ガウリイが帰って来ないことで機嫌の悪いこの小さなお姫様をなだめるのにどれだけ苦労したことか・・・ 「ねぇ、かーさん。とーさんの着替えは?用意したの?」 このみょーに落ち着いてるのは息子のレイ。 ルーリィとは双子でお兄ちゃんなのだ。 「着替え!?それ、あたしよういするの〜ぉ!!」 「じゃぁ、寝室のベットの上に置いてあるのを袋に入れて持ってきてくれる?」 「うん!」 「あ、僕もいく〜」 ぱたぱたぱた・・・ 二人して二階へと走っていった。 その間にあたしはおかずをお弁当箱に詰めてっと、出来上がり♪ 我ながら美味しそうなのが出来たわv ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ さて、着替えも持ったし、お弁当も持った。 家の戸締まりもしたし・・・ 「全部OKね?」 「OK!OK!」 「おっけ〜♪はやく、パパ、パパ♪」 「はいはい・・・じゃぁ、二人とも車乗って」 「「はぁ〜い」」 後部座席に二人とも乗って、シートベルトをしたのを確認するとあたしはセイルーン署に向かって車を走らせた。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ 夜の8時過ぎ。 ガウリイに一応服とお弁当届けると電話して置いたからご飯食べずに待ってるだろうなぁ・・・ バタン! 車が止まると勢い良く飛び出したルーリィ。 ガウリイの服の入った袋を抱えて、早く早くとあたしと、レイをせかす。 ホントにこの子はガウリイ命ね(笑) 「ママ、早く、早くしないとパパがぁ!」 「解ってるって。」 「あ、かーさんお茶忘れてる。」 「あ、レイ持ってきて〜」 「うん!」 バタン! レイが車を出ると、鍵を閉めてすでに走って入り口のところで待っているルーリィの所に急いだ。 「パパ♪パパ♪」 スキップしながら歌うルーリィをすれ違う人たちがほほえましく見ていく。 そして、角を曲がったところで・・・ どん! 「うきゃ!」 「と・・・大丈夫か!?」 ぶつかってこけそうになったルーリィの腕を掴んで心配そうに言ったのは、ゼルガディス。 ガウリイの同僚で友人だった。 「あ、ゼルちゃ〜ん♪パパはぁ?」 ぶつかったのがゼルガディスと知るとニッコリ笑ってこの質問。 「こんばんは、ゼル。」 「こんにちわ、ぜるがでぃすさん。」 「あぁ、ガウリイに届け物か?」 「そう、ガウリイ今日も泊まりだって言ってたからお弁当と着替え。 それに・・・そろそろルーリィがキレちゃうし・・・」 「あぁ、早くいってやれ、ガウリイのヤツまってるぞ。」 「わかったわ、じゃぁ行きましょルーリィ、レイ」 「うん♪」 「は〜い、じゃぁね、ゼルガディスさん」 「あぁ。」 あたしの後をついてパタパタと走ってくる二人。 そして、次の角を曲がって階段を上がった先。 捜査一課のドアを開けようとして・・・ ばん! 「へ!?」 「リナぁ〜〜!!!」 いきなりドアが目の前で開いて、ガウリイに抱きしめられていた。 しかも、く・・・苦しい・・・ 「ガウ・・・が・・・」 「リナぁ〜待ってたぞ!!3日も会えなかったから寂しかった!!!!」 「・・・が・・・うり・・・くる・・・」 苦しいと言おうとしても話してくれない。 というか・・・ますます力は強くなる。 「とーさんそれ以上抱きしめるとかーさん死んじゃう!!」 「え?あぁぁぁぁぁ、リナすまん!」 悲鳴じみたレイの言葉に慌ててガウリイはあたしから腕を放した。 そ、それにしても、死ぬかと思ったわ・・・。 「・・・・・・・・・うぅ。」 ふと目をやった先にはムスッとしているルーリィの姿。 今にも泣きそうな目で、ガウリイを見ている。 「ん?どうしたルーリィ?」 「んぅ!」 ほっぺたを、ぷぅっと膨らませて顔を背けるルーリィ。 なんで、ルーリィが怒っているか解らないガウリイにレイが耳打ちする。 「とーさんが、ルーリィ無視してかーさんに抱きついたりするから、怒ってるんだよ」 と。 いつもながら鋭い子である。 「ルーリィにもあいたかったぞ〜♪」 「ホント・・・?」 「おぅ!」 ぎゅぅ〜v 屈んでルーリィを抱きしめるともう、このお姫様はニコニコ笑っていた。 「パパ大好き〜♪」 「パパもルーリィが大好きだぞv」 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ その後は・・・帰ろうとすると、ルーリィが泣いて大変だった。 しかい、ガウリイの 「家でいい子にしてたら今度の休みに何処かいこうな?」 と言う発言にすっかりルーリィは上機嫌。 ニコニコわらって、署を後に後にしたのだった。 後部座席でははしゃぎ回ったレイとルーリィが眠っている。 ま、ルーリィはどこにも行けなくてもガウリイさえいればご機嫌な子なんだけどね(笑) END あとがき 飛鳥様10万ヒットおめでとうございましたぁ。 ということで、双子ちゃんのお話をお届けしましたです。 ガウ君警察官です(笑) しかも、捜査一課・・・ほんとに犯人とか逮捕できるのでしょうか? それよりも、聞き込みとか出来るのか!? そこはそれ、ゼルガディスがカバーしているのでしょう。 |