リナちゃんの突撃りぽーと







・・・只今、午前2時を廻ったところです。
現在、私リナ=インバースは、自称保護者のガウリィの部屋に来ています。
・・・何変な想像してるのよ?
あのね、私が此処に居るのには、海よりも深っか〜〜〜〜い訳があるの!

最近、ガウリィの様子が変なのよね。
妙に私を避けているみたい。
・・ね、気になるでしょ?
あれ程しつこく私に干渉してきたくせに、いきなり避けられちゃあ、何が
何だか訳わかめなのよ。
それに、ね。
正直、ちょこっとだけ(本当にちょっとよ!)・・・淋しかったりするし。

だ〜か〜らぁ!
ここは本人に直接聞くっきゃない!ッてコトで。
・・・だからって、こんな時間に聞く事ないだろって?
そこがミソなんじゃないの。
人間、寝ぼけてる時の方が本音を現しやすいっていうじゃない。(・・・そうか?)
だから、美容の大敵の夜更かししてまで、こんな時間になるのを狙ったって訳よ。

名付けて
『リナちゃんの突撃リポート!』
う〜ん、我ながらナイスなねーみんぐ?

それじゃあ、いってみましょうか?


「ガウリィ・・・聞こえますか〜?」
「ん・・・・んん・・・?」
・・・それにしても、相変わらずイイ顔してるなぁ。
えい、突ついちゃれ。うりうり。
ガウリィの頬に触れた途端、枕元にあった剣を掴み、私に向かってそれを構えた。
「ががががが・・・・ガウリィ?!」
「・・・・・何だ、リナじゃないか・・・。」
剣を置くと、再びベットに突っ伏してしまう。
ね、寝ぼけてる。こいつ完璧に寝ぼけてるよ!!
あ〜びっくりした!あ〜びっくりした!
ガウリィも、あんな怖い顔する事あったんだ。
とにかく、気を取り直して。
「ね・・・ねぇ、ガウリィ?」
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜?」
「最近、私のコト避けてない?」
「ん・・・・ん?」
「私・・・何か気に触る事でも、した?」
「・・・・・・んにゃ?」
「だからね・・」「ん〜・・・」「私が・・」「・・・・」「・・・ガウリィ?」
「ぐ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・」

・・・忘れてた。
そぉいえば、ガウリィって普通の人間じゃなくて・・・クラゲだったよね。
この作戦って、根本から間違い、ってヤツ?
・・・・はぁああああああ。
ひょっとして、私っておバカさん?
ガウリィの寝顔を見る。
・・・本当に幸せそうな顔してるのね。
何だか、すっごく空しくなってきちゃった。

「ガウリィ・・・。あんたが何考えてるのか、時々解らなくなるよ。」
ベットに寄り掛かって、眠っているガウリィに話し掛ける。
「そりゃ、さ。あんなにしつこく『保護者』顔されるのも、本当はちょっとイヤ
なんだけどね。・・・でも、訳も解らないのに避けられたら・・・。」
コテン、と。
ガウリィののばされた腕に、頭をのせて。
「・・・少し・・・淋しいな。」
言ってしまってから、急に恥ずかしくなった。
・・・き、聞こえてないわよね?
あ〜もぉ、やめやめ!
部屋に帰って寝ちゃおう。

髪の毛を掴まれて、そのまま仰向けにつんのめる。
あれ?どうして?
目の前が見えなくなったかと思うと、急に唇に熱い感触が降ってきた。
「今の・・・本音か?」
逆さに見つめてくる顔。・・・ガウリィ?
「あああああ、あんた、起きてたの?」
「そりゃ、まぁ。」
バツが悪そうに、頬をぽりぽりと掻きながら。
ッてコトは・・・聞かれてたぁ?
って、それより、今の感触は・・・。

かぁああああああああああああああ!!

「〜〜〜〜!!そ、それなら私の質問に答えなさいよね!!」
「・・・何だっけ?」
「だ〜か〜らぁ!近頃何で私を避けるのかってコトよ!!」
「・・・避けてるって・・・俺がか?」
「あんたの他に誰がいる〜〜〜〜〜〜〜?!!」

ふと、ガウリィが困った様に横を向く。
そして、ぽつりと。
「・・・押さえが・・効かなくなりそうだから・・だよ。」
「・・・はい?」
押さえって・・・何の?
「自覚ないだろうけどな。最近のリナ・・すっごく綺麗になってきたから、さ。」
綺麗になってきたって・・・私が?
「だから・・その・・・あ〜、やめやめ!!」
そう言った途端、いきなり私をベットに引っ張り込んだ。
「ガウリィ?」
「つまり、こうしたくなるのを押さえてたの!」

それって、つまり・・・ええええええええええ?!!

ガウリィが、不敵な笑みを浮かべた様な気がした。

「それにしても、リナ。こんな時間に男の部屋に来るなんて、勿論意味解ってるよな
〜?」
「いいい、意味って何のよ?」
「つまり、『夜這い』かけに来た、ってコト?」
「ち、違うってば〜!」
「いいからいいから。それじゃ遠慮なく。」
「こら、ガウリィ!!調子に乗ってると・・・・・うにゅ・・・?!」

『リナちゃんの突撃りぽーと』の筈だったのにぃいい!!

・・・結局は、『突撃』かけられたのは、しっかり私の方だったみたい。

浅はかなりは、愚かな私・・・あぁん!!(泣)

<終わる!>