大嫌いな貴男へ











あんたなんか 大嫌い


大体 デリカシーの欠片もないのよね
出逢った時の 最初の台詞覚えてる?

『なぁんだ、子供か』

・・・確かに 子供だったかもしれないけどさ
それにしたって 他に言い様があるでしょ?

人の話は聞かないし 自分勝手に納得してるし
揚句の果てには 『保護者』ですって?

呆れて物が言えないわね


一般常識もろくにナシ
言った側から 右から左

あんたの頭に 脳味噌は不在

スリッパ攻撃なんて 甘いぐらいだわ


一番腹がたつのはね

あんたのその余裕の態度

確かに 剣の腕は超一流よ
顔だって 一級品
スタイル抜群
妄信的な女性もいるし

頭を撫でないでよ 子供じゃないのよ?


敵が現れると 私の前に立ち
戦いが始まると 私の後ろを護る

男が女を護るのが 『当然』だって思ってるの?
私はそんな 弱い女じゃないわ


いくら私が我侭言っても 呪文で吹き飛ばしても

「仕様がないヤツ」って 平気で微笑むし

恥ずかしいのよ あんたの笑顔って
見てるこっちが 赤面しちゃうじゃない


私の領域にずかずか入り込んで
いいだけ 心をかき乱して

謝りもしない
図々しい男


女の涙は 貴重なモノなのよ

それを平気で 『泣いてもいいよ』なんて

・・・自惚れるのも 大概にしてよね


あぁ もぉ
言いたい事はまだまだ一杯あるのに
キリがないのよ 腹が立つわ



とにかく 私

あんたの笑顔も
あんたの強さも
あんたの優しさも


全部全部 大っ嫌いなんだから!!

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「何読んでるの?」
「いやぁ、ちょっと、な。」
「ちょっとじゃなくて、見せなさいってば・・・・って・・・・こ、これわ・・。」
「リナからのラブレター♪」

「い・・・いやぁああああああ!!!何であんたが持ってるのよぉおおおお?!!」
「それは、秘密。」
「やめんか、それはぁあ!!え〜い、破っちゃるぅううう!!」
「こら、止せって。俺の宝物だぞ?」
「私にとっては、ゴミなんだってばぁ!」
「だ〜め。いやぁ、こんなに『大好き』って言われると、すげぇ嬉しいぞ、リナ?」

プチっ。
「・・・だから、あんたなんか大嫌いなのよ!!」



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追伸:

こんな天の邪鬼な私でも

本当にいいの?

・・・・ガウリィ


<終わり>