犯罪者










穢れた思想に捕われて


思惑通りに 貴男は私を追い詰めた
そして 言ったわね

オマエガ ホシイ って

勝利を確信した顔で お前は俺に捕まった
そして 言ったよな

アナタガ ホシイ って

後は ひたすら互いを貪れば 思惑通りの二人になれる


責め立てても なお お前の躯は光を放ち
打ち付けても なお 貴男の唇は愛を紡ぎ

鬩ぎあう快楽に溺れても 互いが互いの勝利を確信しながら

ただひたすらに 愚かな心に落ちていく




「ん・・・はぁ・・っ」
「・・・っく・・」


紅く咲いた無数の華 穿たれた幾筋の爪痕


穢れを罪と言うのなら
罪を犯した我等は 紛れも無い『犯罪者』

甘んじて受けた称号の 烙印は常にこの身一つに

心も 躯も 魂さえも

そして 誇らしげな微笑

『愛してる』


逃げて 追って その果てに

辿り着いたは 何処やら