寒い日
〜ごく普通な日々の1ページ〜







窓の外を寒そうな音をたてて風が吹き抜けて行く。
あまり建付けが良くないせいか窓ガラスががたがたと揺れ、隙間風が首筋を撫で
る。
「寒っ!ったく、さっさと建て替えなさいよね!このボロ校舎!!!」
「まあまあ、リナさん。公立なんだからしょうがないじゃないですか。」
帰り支度をするアメリアの横で、リナが箒にもたれて、
あまりの寒さにぶつぶつと文句を言う。
「ゼロスの奴の所でも、占拠してやろうかしら…。」
真剣な顔をして考え込むリナ。
ゼロスというのはこの高校の保健医だ。
リナに弱みでも握られているのか、リナの下僕と化しているのは公然の秘密であ
る。
「リナさん…。それではあまりにもゼロス先生が可哀想ですよ。
この前、ゼロス先生に奢らせたうえに保健室でごろごろしたばっかりじゃないです
か。」
アメリアに詰るような目で見つめられ、あらぬ方向に視線をさ迷わせる。
「そんなこと言ったって、あの時はアメリアだって一緒になってやってたじゃな
い。」
「う゛っ。あの時はあの時です。」
「それにゼロスだからいいのよ。なんたってゼロスだし。」
びしりとアメリアを指差し、その白く細長い指を振りながら言った。
一体誰がそんな理屈で納得するというのか。
「まあ、そうですね。」
そう言われて思いっきり納得するアメリア。
「おい、お前らそれはいくらなんでもゼロスの奴が可哀想じゃないか?」
「でも、ゼロスだしなあ〜…。」
「ゼルガディスさん!?」
「ガウリイ!?」
二人が驚いて後ろを振り返る。
そういいながら教室に入って来たのは、あのクールさがたまらないと女生徒達から
人気のゼルガディスとそのモデル並みのルックスで女性たちを魅了する脳味噌ヨーグ
ルト男(byリナ)ことガウリイだった。
「そうですよねえ。そう思いますよね、ゼルガディスさん〜」
そのゼルガディスの後ろには何故かいじけモードの入ったゼロス。
彼も一応、ミステリアスな感じがイイと人気があるはずだったが今やそのみすてり
あすなどといったものは欠片も見当たらなかった。
「ゼルはともかく、何であんたがココ高校にいるのよ。」
ちなみにこのガウリイくん、脳味噌がリナ達も呆れるほど発酵しているというの
に、大学生である。一部の噂では推薦の試験官が女性だったからだというものもあ
る。
「あぁ、リナを迎えに来たんだが?」
「で、なぜか三年の教室の前をうろうろしていた旦那を俺が連れて来たってワケ
だ。」
呆れたようなリナとゼルガディスの視線がガウリイに注がれる。 
ガウリイはその視線を気にもとめず、ニコニコと笑いながら言った。
「昨日電話で言っただろ?今日迎えに来るって。」
「いいっていったじゃない。それにこの時期にバイクで出かけるのなんて寒いで
しょ。」
その言葉に珍しく考え込むガウリイ。
憮然としながらいったリナの言葉にアメリアが苦笑した。
「リナさん寒がりですもんねぇ。」
ぽむ。とガウリイが手を打った。
「おぉっ。寒いのが嫌なんだったら俺んちにこないか?」
「えっ!?」
「おぉ。ガウリイさんったら積極的ですっ♪」
「ガウリイの旦那が頭を使うなんて珍しいな。」
口々に勝手なことを言う二人。
「いや、な。知り合いがカニを送ってくれたんだよ。一人で鍋をするっていうのも
寂しいし、食べにこないか?」
「カニ!?」
リナの目がきらり〜んと光った。
「行く。さあ、さっさと行くわよガウリイ!」
何時の間に帰り支度をしたのか、あっという間にリナはガウリイを引きずって消え
ていった。取り残されて、しばし呆然と立ち尽くす二人。
先に口を開いたのはアメリアだった。
「あの、その、良かったら、残されたもの同士一緒に帰りません?」
頬を赤く染め下を向いたままのアメリアを見つめ、ふっとゼルが笑った。
その彼の頬も微妙に赤い。
「ああ。」
「あ、あの。駅前においしいコーヒーのお店見つけたんですっ。ゼルガディスさ
んってコーヒーお好きでしたよね?」
お互い照れながらも仲良く帰っていく二人。ゼルガディスがさり気無くアメリアの
荷物を持ってやっているのは流石といったところか。


「どうせ、僕なんて…。」
4人が帰った後、一人取り残されたゼロスが寂しくいじけていたとか。





==COMENT==
一応、現代版ガウリナゼルアメ風味。
なんか本当にありふれた日常を書いてみたかっただけなんです(−−;
相変わらず駄文やし・・・(TT)