『好きな理由・・・だから惚れた?』 |
オレが、酔った女は、目の前にいる 只 一人・・・・ 少女から、大人の女へと 変わりつつある女性。 その姿からは、想像も出来ないが・・・彼女は、とても 強い。 ・・・だが、その反面 弱い所が有るのだが、その姿を 彼女の性格が手伝って、このオレにさえ、絶対に そんな素振りすら見せない様な女だ・・・。 リナ・・・オレは、彼女に惚れていた・・・・。 何時からなんて、知らない・・。 オレの目は、何時からか 自然に リナ・・彼女を、 追い掛けていた。 その彼女が、オレの方を向いてくれた時、オレは、 この世に、感謝した。 リナと言う存在に、逢わせてくれた、この世に。 ・・・いつもの様に、軽く飯を食べ、リナは、魔導書を 手にして、読み耽っている。 そんなリナに対してオレは、横で本を読んでいたリナを、 自分の側へと、招いた。 オレに呼ばれたリナは、本を閉じ、オレの側にやって来て オズオズとオレの所に、寄り添う様に、自分の頭を コテン・・、とオレの胸板に乗っける。 (かっ、可愛い・・・・。) オレは、リナのそんな姿に、ゆっくりと 自分の唇を リナへと、落としていた。 溶けてしまうのでわないかと、思う程、甘い とても 甘い リナとのキス・・・・。 女を抱いた事は、有るが・・ここまで、自分が欲しいと 思った女は、いなかった。 オレのキス攻撃によって、リナの力が抜けていくのが、 分かる。 (クスッ・・・ホント可愛いよなぁ。) 『キス』ってヤツは、どんな魔法よりも、強力なんだなぁ ・・・あのリナが、こんなになってしまうんだからなぁ。 「なぁ?何で、人は、キスをするんだろうなぁ?」 オレは、リナに そんな質問をしてみた・・オレでも 分からん 答え。 ・・・だからこそ、リナに答えてもらいたかった。 当の質問された本人は、クリクリした目で、オレの方を 見て、間を開けず、口を開く。 「・・・好きだから、じゃないの」 へっ? リナの単純な答えにオレは、彼女の方を見る、 何も考えずに、その言葉が口から出たらしい。 ・・・リナが、リナに見えない・・・・ 女の顔をしたリナが そこには、居た。 でも、『好き』って言葉が、リナから スラリと出て しまったのは、オレ自身でも、驚きである。 「そっか、好きだからか」 リナのくれた答えは、オレの求めている答えかも しれないし、違うかもしれない・・・・が、 今 彼女がくれた言葉が、オレにとっての真実。 リナが、オレを好いていてくれて・・何も考えずに その言葉が出てきたらしい彼女。 オレは、そんな彼女に向かって、ニッコリと微笑む。 その彼女は、何かを考えているらしい・・・・ オレには、そう 見えた。 「あたしってば、独占欲 強かったのね」 ・・・・・・は?・・・・・オレの思考は、止まった。 リ・ナ? そして、オレは、リナには、見えない様に笑っていた。 ・・・が、無駄だった。 リナが キツイ目をして、こっちを見ている様な気が・・ でもな、今の笑いは、嬉し笑いなんだぞ。 「リナの口から、そんな言葉が出てくるとはな・・・」 リナに向かって言ってみて、しばし リナを観戦。 おっ!赤くなっていく、赤くなっていく、 からかい過ぎたかな? 自分の目を何処かに泳がして、それでも オレの視線に 耐えられなくなったのか、目を おもいっきり逸らす。 可愛すぎ・・・。 「オレが惚れただけは、あるよなぁ」 このオレの一言が、リナの顔を 更に赤く染めていく、 そんな顔を横目で盗み見つつも、オレは、言い続けた。 (なんで、直視しなかったのか?って、 直視なんてしたら、どんな事になるのやら・・・汗) 「純真で、ウブな所が また可愛くてさ・・・・ そんなリナに、何時の間にか惚れてた」 オレは、言いながら、リナの前髪を手で掻き上げて、 リナのおデコに軽くキスをしてみた。 ・・・・小鳥が餌を啄む様な軽いキスを。 「あたしって、そんなに魅力的?」 リナのそんな問いに、オレの目は、細くなる・・・。 リナが魅力的なのは、リナの事を 少しでも知った人に だけに分かる事。 ・・でもな、リナのヤツ、本当に可愛らしさが上がって 美人になったからなぁ。 内面的に惚れなくても、外面に惚れたヤツがいただろう なぁ。 それが、証拠に オレは、街中でリナに送られる視線に、 嫉妬した・・・・。 リナを上辺だけで、見るな!!(減る!!) リナの良さなんて、知らないクセに!・・って、 保護者の仮面を被りつつ、何度も、何度も 叫んで いたさ。 (公認の仲になるまでは、血の滲む様な生殺しにあい、 もとい 生き地獄だったからなぁ・・ オレは、自分で自分を誉めてやりたいぞ!!) 「魅力的になったさ、オレと一緒に歩いてても、 リナにいく視線が多いしな」 以外そうな、リナの顔・・・。 本当に、リナのヤツ 恋愛沙汰には、まったく 興味が無かったらしいなぁ。 この鈍感なリナの事を好きになったヤツに同情はするが、 ・・・同情だけ・・・なっ!! まぁ、それ以上に 安堵感の方が、その感情を上回る。 リナが、恋愛に関して、奥手で ウブだった事が幸いして オレが、今 そのリナを手にしている。 「ガウリィにいく視線だって、多いわよ」 オレの方を見上げて、リナは、そんな事を言った。 オレに視線って、男からかぁ? うげぇ、気持ち悪りぃ〜!! オレは、女は、相手に するが・・・。 あっ、今は、リナだけだからな。 (って オレ、誰に言っているんだ?) だが、男は、勘弁して欲しいモノである。 オレは、そんな趣味は、無いし・・気持ち悪くて、 そんな事を 考えたくも無いぞ! それ以外の視線って、言ったら 女から・・・・、 そっか リナのヤツ、焼き餅なんてモンをやいてくれて いたんだな。 そんなリナに対して、オレの心の中で、ちょっとした 悪戯心が、フツフツと沸き上がる。 「リナは、嫉妬した?」 リナに聞いてみたい、一言。 問い掛けながらオレは、ゆっくりと リナの手を掴み、 その手の甲に唇を寄せる。 リナが 嫉妬したと言うならば、感無量だな。 だが、この強情な彼女が、素直に 答えを返してくれるか どうかは、多分無駄な結果になるだろうな。 そう、彼女は、答えを絶対にくれないだろう・・・ 嫉妬していたなんて、オレに知れたら、 リナのヤツ、赤くなって 問答無用で 魔法を思いっきり ブチかましそうだからなぁ。 「オレは、したぞ」 リナが、答えをくれないのが、分かっていたので、 オレの心からの本心を彼女に語る。 そして、オレは、自分の心の中に沸き上がる 『好き』と言う感情に、流される様に・・・・ リナの その華奢な身体を、そっと抱き寄せた。 「リナ、ホントに どんどん 綺麗になっちまうん だもんな、・・・・オレが嫉妬に狂いそうだったって お前さんは、知らんだろうなぁ」 まぁ、嫉妬で狂いそう・・では、無くて もう狂っていた・・・って言った方が正しいだろう。 リナの事を好きになってしまった自分に戸惑って、 でも、その事を否定する気も無く、 それを素直に受け止めてしまった自分。 だからこそ、リナにいく視線の数に戸惑って、困惑した。 ・・・リナがオレの言った言葉に、驚いた顔で 見上げてくる。 その瞬間、オレの心臓は、高鳴った。 何気ないリナの表情なのに、その顔に惹かれていく。 「そんな顔されたら、男ってヤツは、イチコロで 惚れちまう単純な生き物なんだよ」 だから、そんな顔を オレ以外の男には、 見せないでくれ! オレは、その姿、声 全てに惹かれた男だから。 今 言ったオレの言葉に、リナが抗議に出ようとしている ・・が、そんな事を聞く様な気分では、今は無かった、 抗議に出る前に、先手必勝で、リナの柔らかい唇を奪う。 「リナは、オレとキスするのが好きだからなぁ〜」 暫くして、リナを開放してみると、 ・・・・ちょっと遣り過ぎたらしい。 リナのヤツ、トロンとした瞳で、力が抜けた様に、 オレの胸に頭を乗っけて、乱れた息を整えている。 ちょ〜っと、苛め過ぎたかな? でも、こんなリナも可愛くて、こんな姿のリナを見れる 自分が幸福でならない。 「はぁ・・・あっ、あんたねぇ、もう ちょっと あたしの事を考えてよねぇ・・・」 リナは、力無くオレに、抗議している・・・・が、 その姿も可愛いぞ。 ますます、苛めたくなる衝動を堪えて、 オレは、なんとか 口を開く。 「リナは、オレとキスをするのが、好きだから その言い分を聞いたってなぁ」 そう・・ リナは、キスをすると大人しくなる・・・ それは、オレの立証済みである。 しかも、キスの回数が増えていくと、リナ自身も 自分では、気付いていないが、 その・・・オレを求めてきている。 「リナが オレの事を見ていてくれているって・・・、 キスするとな・・分かるんだ。 だから、リナが いくら抗議を言っても、可愛い顔に しか見えなくてな・・」 今のオレには、リナを見る余裕は、無かった。 リナの事が、可愛いって 言ったら、キリが無くて 照れちまう。 オレは、たまらず、視線を何処かに、ほおり投げて、 指で頬を ポリポリ と掻く。 そして、ふと リナの真紅の瞳と目が合う。 「更に、リナを好きになってく・・・」 ・・スラッと出たオレの言葉。 ・・・・ボフン!!! んっ? 何か、目の前から音がした様な・・・、 あっ、リナのヤツ、弾けてら・・・・。 下を向いて、真っ赤な顔を見られまいとしているリナ。 「ばか・・・」 そんな事を言うが、それは、リナなりの照れ隠しだって コト、オレは、分かっている。 オレの指が軽くリナの頬に触れ、・・オレは、 リナに想いを込めて キスをした。 オレの人生は、リナによって、これからも 振り回されていく。 ・・・だが、オレは、その事に関して、何も言わないし 不満なんて無い。 オレが惚れたのは、リナだから・・・、 何時までも、側にいてくれ。 そして・・オレの事だけを、見続けてくれ。 「リナ、オレ・・・・」 夜の帳が降り・・オレは、リナを求めた・・・・ それに対して、リナは、頬を赤らめて頷いた。 Fin |