プレゼント |
「なぁ、リナ」 「何?」 昼食を終え、食後のデザートを頼み終わると、ガウリイが声を掛けてきた。 「なんか欲しいものあるか?」 「は?」 暫く考え、出た声がものすごく間抜け声なってしまった。 何でって…… あの、ガウリイが『何か欲しいものがあるか』って聞いてきたのだから。 紐と対して変わらない生活のこいつに、何か欲しいかと聞かれたら思わず、そう聞き返したくなるだろう。 「なんで?」 「なんでって、 今日は、リナの誕生日だろ?」 えっと? そーいえば、そうだった。 ここんとこ、色々あり過ぎて忘れてたわ…… なんか、不覚…ガウリイに、言われるまで気付かなかったなんて…… でも、 「よく覚えてたわね」 「まぁな」 ガウリイは、自身満万で言う。 思わず、苦笑してしまう。 「んじゃ、多少は復活してんだ、ガウリイの脳みそ」 「あのな…」 「うそうそ」 「ったく」 くすくすっ笑いながら、デザートを食べる。 「で、何か欲しいものないのか?」 食後のコーヒーを飲みながら、ガウリイは再度聞いてくる。 「ん〜〜。 欲しいものたって、急に言われてもわかんないわよ」 「でも、あるんだろ? 欲しいもの」 「いちようあるけど……」 「言ってみろよ」 「良いよ、どうせ買えないもん」 「良いから」 ヴ〜〜〜〜 なんか、今日に限ってしつこい! ちょとだけ渋ってたけど、しぶしぶ話す。 「…指輪…」 「?」 聞こえなかったらしく、不思議そうな顔をする。 だってねぇ。 あんまし、大きな声は恥ずかしいから…… 「何?」 「だから、指輪が、欲しいの」 「指輪?」 「そう」 ちっと恥ずかしくって、ほんの少し目線を外す。 「どんなの?」 「ど、どんなのって……」 ……わかんないかな? 指輪っていったら……欲しいのは、一つなのに…… まぁ、ガウリイだし。 仕方ないか…… 「銀色の指輪がいい…な……」 「んじゃ、見にいこ」 「え?」 驚いて、ガウリイの顔を見上げると、うれしそうにあたしを見ていた。 本気とも思えないような、嬉しそうな顔で…… 何故だか、あたしとガウリイは街中を歩いていた。 ……あの後、支払いを済ませた、あたし達は近くの宿屋に宿をとることにした。 んで、自分たちの部屋に荷物を置き、買い物に出かけたんだけど…… とぉぉぉっても気まずい。 何せ、宿屋を出てから何も話さず、黙々と歩きつづけているのである。 ……何時もなら、ガウリイが、ボケかましてくるのに…… 何となく耐え切れなくなり、声を掛けてみる。 「……で、何処行くの?」 「何処って、宝石店」 なにも、きっぱりはっきりいわんでも…… 目的地はわかってるし…… 「……でも、通りすぎたよ」 そういいつつ、来た道を振り返る。 「いいの」 そう、きっぱりと言うと、ガウリイは又歩き始める。 仕方なく、あたしも付いて行く。 「何処まで、いくの?」 「宝石店」 ??? 宝石店は、もう通り過ぎたのに? それとも、どっか別の場所にあるのかな? 暫くして、街の中心からかなり離れた場所に着く。 こんなとこに、ほんとにあるのかな? 「リナ、こっちだよ」 ぼ〜〜っとしているあたしの手を引っ張り、近くの路地を入っていく。 その通りを見ても、宝石店らしきものは見当たらない。 それどころか、店自体何もない、ただの住宅地。 それを気似せず、進んで行くガウリイ。 あたしは、何となく、ガウリイの袖を引っ張る。 「如何した?」 「如何したっじゃなくて、ほんとに、こんなとこにあんの?」 「ああ」 と言って、ぽんぽんと背中を叩く、ガウリイ。 ちっと不安かも…… 又暫く歩き、一軒の民家に辿り着く。 周りには、小さな小屋と馬車が一台あっただけだった。 それでも、普通の民家よりはちょっとだけ大きいけど、此れと言って変わったものは何も見当たらない。 「ここ?」 「そっ」 嬉しそううに言うと、扉を叩く。 2〜3度叩くと、中から人の気配。 かちゃ 小さな音と共に扉が開く。 70代くらいのお爺さんが顔を出す。 「お久しぶりです」 そう言って、ガウリイはその人に挨拶をする。 「おお。 ガウリイか?大きくなったな、さぁ、中に入りなさい」 その人も、嬉しそうに歓迎してくれる。 「おや?」 っと、あたしの存在に気付いたらしく、ちょっと驚いている。 そっと、ガウリイが、あたしの方に手を置き、 「今日来たのは、指輪を貰いに来ました」 そう言うと、その人は、納得したらしく、 「そうか、やっと取りに来たか」 そう言って、あたしとガウリイを家の中に招き入れてくれる。 中に入ると、廊下には様々な石があった。 多分、何かの原石なんだと思うけど、イマイチどれがどれだか解らない。 あたしが、まじまじとそれらを見ていると、その人は、嬉しそうに聞いてくる。 「面白いかね?」 「ええ、何の原石か解りませんが、面白いです」 「ここにあるものは全て、アメジストの原石だよ」 「ここにあるもの全部ですか?」 「ああ」 「……すごい」 感嘆の声を漏らすあたしに、 「この人はな、昔、この辺りの鉱山の頭領をしてたんだ。 その時、たまたま用心棒として雇われて、知り合ったんだ」 「そうなの?」 「昔の話だよ」 そう言って、その人は笑う。 ――しかし、小さい頃、この辺りの鉱山について少しだけ聞いたことがあったけど、 まさかこの人が、その頭領だなんて…… 世の中って以外と狭いかも…… 「でも、そのことと指輪が、なんで関係あんの?」 「依頼料じゃよ」 そう言いながら、その人は、暖かいホットミルクを差し出してくれる。 「依頼料ですか?」 「そう」 「お金じゃなくて、指輪が、ですか?」 「そう」 イマイチ、よく判らないという顔でその人を見る。 でも、答えてくれたのは、その人じゃなくてガウリイだった。 「頼んだんだ」 「え?」 「お金じゃなくて、指輪が欲しいって」 「何で?」 不思議で、問い返すと、今度は、その人が答えてくれた。 「『いつか、大切な人が出来たら、つれてきます。 だから、お金の代わりに、指輪を作ってください』 って、言われたんだよ」 それって! 思わずガウリイの方を振り向くと、満面の笑顔で頷いてくれる。 顔が一気に赤くなる。 「そう言うわけじゃから、指輪を作らせてもらうよ」 嬉しそうな声で、その人は、あたしの指のサイズを測る。 図り終えると、別の部屋へと行ってしまう。 二人っきりになり、ちっとだけ恥ずかしくなり、何を話したら言いか判らなくなくなる。 暫くそうやって、何も話さずいたけど。 椅子に座っていたがウリイが、あたしの側に来て、 「……貰ってくれるか?」 「え?」 「……指輪、貰ってくれるか?」 あたしの方に手を添え、もう一度聞く。 「…リナに、貰って欲しいんだ。 『約束の指輪』を」 何時ものほえほえしたガウリイではなく、真剣な眼差しで、言うガウリイにドキッとする。 本気なんだ…… でも、嬉しいけど、素直に頷けない自分が、少し悲しい。 「……いいの、あたしで?」 「ああ」 そう言われて、額に暖かい感触。 「リナに、リナだけに貰って欲しいんだ」 嬉しくって、そっと添えられてガウリイの手に、自分の手を合わせて、 「ガウリイの手で、嵌めてね?」 その言葉に、ガウリイは、もう一度キスをくれる。 今度は、額ではなく、唇に。 fin *****その後************************ 出来あがった指輪を約束通り、ガウリイが嵌めてくれた。 何処かは、ひ・み・つ♪ |
うきぁっっkurisutaru様〜ありがとうございましたぁぁぁっっ 甘甘ガウリナぁ〜とろとろ〜(飛鳥とろけ中・・・) ・・・再構成!(おいっ) もうっ最高っっ!とろとろ〜(再びとろけ中・・・) ・・・うりゃっ再々構成(人間か・・・?) むむっ またとろけないうちにお礼を・・・と、 kurisutaru様、飛鳥のいい加減なリクを聞いてくださって本当にありがとうございました! |