水 母 黙 示 録








「なぁ…リナ……」
金髪の青年が傍らにいる少女に声をかけました。
夜更けの静かな森の中で、焚火の音だけがパチパチとやけに響いて聞こえます。
「……なによ?」
栗色の髪のリナと呼ばれた華奢な感じの少女が不審そうな顔をして青年の方を見
ると、青年は徐に少女の両肩に自分の手を乗せ、少女の瞳を覗き込みながら真剣
な面持ちで口を開き―――
「……いいだろ?」
一言だけ言いました。その声音には、どこか有無を言わさぬものが込められてい
ます。
ピクリと少女が震えます。少女が俯いてしまったので、その顔まではわかりませ
んが、耳が真っ赤に染まっているのは、焚火の炎の照り返しなどではないでしょ
う。
それもそのはず。暗い森の中。見上げれば満天の星空。そして少女を真顔で見つ
める美青年。辺りには他に誰もいない―――
ムード的にはある意味完璧といえるこの状況。
「……ゃ…」
けれども少女はか細い声で拒否しました。
しかし青年は更に言い募ります。
「……頼むっ!」
今度は肩に置いた手にいくらか力が込められていたらしく、少女の華奢な肩に青
年の指が食い込み、ギリリと音を立ててしまいました。
はっとして青年は手を離し、俯きました。
「……すまん……」
ぽつりと呟かれた言葉。
今の青年の気持ちを代弁するなら、「少しでも力を込めれば折れてしまいそうな
この少女にオレは一体なんてことをしてしまったんだ……」……と、いったとこ
ろでしょうか?
「……けど……」
青年はなおも食い下がります。
そんな青年に少女は幾分震えた声で言い返します。
「……だめ……」
少女の口からはやはり拒絶の言葉。
青年は明らかにショックに打ちのめされたようです。
地に両腕をつき、下を向いて肩をがっくりと落とし、哀愁を漂わせ、今にも咽び
泣きそうな状態です。
しかし青年はすぐに顔を上げ、上目遣いでもう一度少女に言いました。
「……リナ…頼むっ!
 もう我慢できないんだっ! 頼むよリナぁ……」
……懇願した、という方が正しいかもしれません。
「……なぁリナぁぁぁぁぁ〜〜〜」
……折角の端正なマスクが、なにやら情けない表情になってしまっています。
そして少女は―――

―――すぱこぉぉぉおおおぉぉぉおおおぉぉぉおおおぉぉぉんっっ!!!!!

懐から取り出したスリッパで青年の頭を思いっきり叩きました……
どうやらこの少女、かなりご立腹のようです。
「っったくあんたはっ!
 なんであたしがあんたのために、んなことしなきゃなんないってのよ!?」
一気にまくしたてます。どうやら真っ赤になっていたのも声が小さく震えていた
のも、怒りを押し殺していたからのようです。と、すると…ピクリと震えて見え
たのも、実はわなわなと肩をいからせていたのだと見るのが正解でしょう……。
「いや…だって……」
青年が何か言いかけますが、少女はそれを遮って怒鳴ります。
「だいったいねぇ〜、また同じやつが来るとは限んないでしょうがっ!」
……いったい何の話なのでしょうか……?
ともかく青年も負けじと反論します。
「いや、ヤツは必ず来るっ!」
このあと1時間ほど彼らの「来る」「来ない」という無謀な議論が繰り返されま
したが……
「っだぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!
 わ〜ったわよっ! 喚べばいいんでしょ!? 喚べばっ!」
……と叫ぶ少女の声によって終止符が打たれたようです。
少女は「あたしの無敵の呪文が……」などとぶつぶつ言っていましたが、諦めた
ように意識を集中させ、何かを唱え始めました。
そして―――

「水母召(ゼラス・ゴート)!」

―――ふおぉぉぉぉぉん…
少女の声に応えて巨大な…何故かあちこち擦り傷だらけのクラゲが姿を現しまし
た……。
「……なぁ…ひょっとしてお前……道に迷ってたのかぁ?」
青年の妙に間の抜けた言葉が、夜の森に響き渡りました―――


数瞬の沈黙。
静寂が夜の森を駆け抜け―――
―――コクリ
クラゲが神妙に頷きました。
青年は「おおっ!」と言いながら手をポンっと叩きます。
「なんだ〜やっぱり道に迷ってたのかぁ〜〜〜」
その暢気な口調に、はっと我に返った少女が青年に怒鳴ります。
「んなワケあるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!」
少女が手にしたスリッパで青年に殴りかかろうとしたその時……
―――ふみょ〜ん…
巨大なクラゲが少女に抱きついて泣きだしました。
どこから涙が流れているのかはかなりの謎ですが、ともかく、滝のような涙を流
し、腕…いや触手に閉じこめた少女をきつく抱き締めて泣いています。
それを見た青年はクラゲを睨みます。かなり殺気の籠もった瞳で。
一方少女は……
「ぐっ…ぐるじぃ……」
顔を青紫にして、触手の中で窒息しかけていました……。
青年は慌ててクラゲから少女を奪い返し、どさくさに紛れて少女を己の腕の中に
抱き締めます。
今度は少女の顔が一気に真っ赤になりました。
「だぁぁぁぁぁっ! 放せぇぇぇぇぇっっ!!!」
じたばたじたばた
少女が藻掻いても暴れても、青年の腕の拘束は緩みません。それどころかいっそ
う強くなっているようです。
少女は腕力では敵わないと悟ると、徐に呪文を唱え始めました。
「――黄昏よりも昏きもの
   血の流れより紅きもの……」
今まで嬉しそうに少女を拘束していた青年の顔が一気に青ざめます。
その横で巨大クラゲもぷるぷると震えながら後退りしています。
青年は慌てて自分の大きな手で少女の口を塞ぎます。
「んぐぅっ! んぐぐぐむぅ…」
「ほら、お前さんまだ体力全快してないんだから、
 おとなしく休めって。な?」
しばらく暴れていた少女でしたが、やがて疲れたのか、おとなしくなりました。
「ぷはっ…」
青年が手を放すと、少女はぐったりとして座り込んでしまいます。
「リ・リナっ!? 大丈夫か?
 やっぱりもう少しあの山小屋で休んでた方がよかったんじゃ……」
おろおろする青年。
「……あんたがばか力すぎるからでしょうが……」
ジト目で青年を睨みつける少女。
―――ふよぉ〜〜〜ん…
二人の間でクネクネ踊っているクラゲ……
彼らは一体何者なのでしょうか……???

「ね、ガウリイ。こいつってやっぱりあの時のクラゲなの?」
その言葉に、クラゲはジェスチャーで彼らとの出会いについて説明し、「リナ」
と呼ばれた少女に証明しようとしはじめました。
少女には上手く伝わらなかったので、「ガウリイ」と呼ばれた青年が通訳を務め
ます。
青年とクラゲによると―――
2日前、少女が何者かに攫われた時に救出先で青年とクラゲは出会い、友情が芽
生えた……という経緯があったようです。
「厚い友情を交わしたヤツを間違えるはずはない!」などと青年は主張していま
すが……通訳の途中で「……だったような気がする……」とか「……そうだっけ
?」などと青年が繰り返していたので、かなり胡散臭い気がします……けど…ま
ぁ……嘘は言ってないようです。
少女は呆れ顔で青年に1つ提案しました。
「手遅れかもしんないけど…ボケ防止に日記でもつけといたら……?」
「……日記ってなんだ? タレの一種か?」
などと言った青年をスリッパで問答無用で黙らせ、少女は分厚い本を渡します。
「……どうしたんだ? これ……」
「ん、とね……あの変な館でただ捕まってるのも癪だったから、
 ちょっぴし…くすねてきちゃった♪ てへっ☆」
「お前なぁ〜」
「だぁって…これ、なんか『いかにも魔道書です』って感じで置いてあったし〜
 ひょっとしたら異界黙示録(クレアバイブル)級の超レアな物かもしんない
 なぁ…って」
「でもこれ、何も書いてないぞ?」
青年が本を開いて少女に見せます。そこには何も書かれていませんでした。
「そうなのよね〜何か仕掛けがあるってんでもなさそうだし……。
 ……でさ……捨てるなんて勿体ないし、重いから……だから
 ガウリイにあ・げ・る(はぁと)」
「………………」
そう言って少女は青年に分厚い本を押しつけました。

「……とりあえず治癒(リカバリィ)かけるわね」
少女が両手をクラゲにかざして何かを唱えます。
少女の手にはほのかに光が宿り、クラゲの傷はみるみるうちに消えていきました

クラゲは律儀にぺこりと頭…ではなく傘を下げて礼をします。
治療が終わったのを見計らって、青年がクラゲに問いかけました。
「なぁ…お前なんであんな傷だらけだったんだぁ?」
クラゲは器用に触手を動かし、なにやらジェスチャーを始めました。
少女は「???」という表情をしていますが……
「道に迷って森の中を彷徨っているうちに、
 その辺の木の枝とかに引っかけて掠ったんだってさ」
青年の言葉にコクコクと頷くクラゲ。
「ははは。オレたちと一緒だなぁリナ?」
笑いながら青年はクラゲに現状を説明しました。
青年の話を要約すると―――
なんでも少女を救出した後、近くの山小屋に1泊したらしいのですが……少女が
「宿に荷物置きっ放しだし、誰も泊まってないのに宿代払うなんて…耐えらんな
いっ!」などと言いだして、まだ体力も全快していないのに強引に宿へ戻ろうと
したのを止められず……道に迷った、とか。
なんとも情けない話です。
「2日振りだな。元気だったか?」
青年はのほほ〜んとクラゲに挨拶し、和やかな雰囲気で肩を叩き合います。
少女はこめかみに手を当てて一言、疲れたように呟きました。
「……で、結局あんたらは何がしたいわけ……?」

「何がしたいって言われても……なぁ?」
クラゲと青年は互いに顔(?)を見合わせます。
それを見た少女は盛大な溜め息をつき、「あんたらに訊いたあたしがばかだった
わ……」などと呟きましたが、やがて「もう寝るわ」と言ってごろんと地面に横
たわりました。
地面はごつごつしていて寝心地は良くありません。
少女は突然ガバッと起きあがり、いきなりクラゲをつつきました。
―――ぷにぃ…
クラゲの寒天質の弾力が、何とも言えずいい感触です。
「ねぇ…さっきあんたに抱きつかれて思ったんだけど……
 あんたってば、いい感触してるわよねぇ……?」
少女の瞳がキラーンと光ります。
「……上、乗っかって寝てもいい?」
少女は少し首を傾げ、可愛らしくおねだりしました。
クラゲはどことなく赤くなりながらも頷きます。
青年は殺気を込めてクラゲを睨んでいます。
「…んしょっと♪」
少女がクラゲの頭上に乗ると、クラゲはますます赤くなりました。
「う〜〜〜んっ…ぷにぷにしてていい気持ち〜〜〜♪
 それじゃ、お休みなさ〜〜〜い☆」
あっという間に少女は深い眠りの国へ旅立ってしまいました―――
そして―――
「……もういいだろ?」
ぶすっとした青年が少女を抱き下ろし、己の膝の上に抱えます。
「寝心地が悪いなら、オレの膝の上で寝てくれればいいのに……」
青年は先程の首を傾げながらおねだりする少女を思い返し、妄想の世界へ旅立ち
ます。彼の頭の中では、「ガウリイの膝って……なんか落ち着くの……このまま
寝てもいい?」などと勝手な妄想がどんどん膨らみ、今にも涎と鼻血の大洪水が
起きそうです。
クラゲはちょっぴり淋しげな様子で、ふよ〜んと触手を伸ばし、少女の頭を撫で
ていました。
それに気付いた青年が、「だ〜め。これはオレの!」と、少女を抱く腕にぎゅっ
と力を込めたので、少女の口から「うぅん…」という声が漏れ、起きそうな気配
になります。
青年は慌てて腕を緩め、少女をそっと抱えなおしました。
「……さてと」
青年はクラゲの方に視線をやります。そしてにこやかに笑いかけました。
「……なぁ……」
クラゲもぽよよんと青年の方へ寄ってきます。
彼らは揃って少女の寝顔を覗き込み―――
「……可愛いよなぁ〜〜〜(はぁと)」
デレ〜っとしながら相好を崩しました。
彼らはこの時を待っていたのです。
「リナは人一倍照れ屋だからなぁ……
 もしオレが『可愛い』なんて言った日には呪文くらうこと間違いないし、
 かといって言いたいこと言えないってのも辛いもんあるし……
 いいかげん我慢の限界だったんだよな〜〜〜
 いやぁ〜お前がいてくれてよかったよ♪」
などと言いながら、青年は顔の筋肉を緩ませまくってクラゲに語りかけます。
クラゲの方も相槌を打ちながら、傘の部分がどんどんトロ〜っとしていき、つい
には地面に着く程にとろけて赤くなっています。
青年の「リナの可愛さ」についての惚気話はしばらく続き、それを聴くクラゲは
ますます赤くとろけていき―――
クラゲの傘が地面に広がり、水溜まりと見紛うようになった頃、青年は少女に渡
された分厚い本のことを思い出しました。
「リナがくれたんだもんなぁ…やっぱりちゃんと使わないと……
 しかしあの時のリナ……可愛かったよなぁ(はぁと)
 少しはにかんで『ガウリイにあ・げ・る(はぁと)』だもんなぁ〜〜〜
 くぅぅぅぅぅぅぅぅっっリナぁぁぁぁぁぁぁぁぁっオレはこんな本なんかより
 お前さんの方が…リナの方が欲しいぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!」
青年の絶叫に、横にいたクラゲが触手で静かにするように訴えますが、青年は気
づきません。
しかし腕の中で少女が身動きすると、はっと我に返り、口を閉ざしました。
そしてぼんやりと虚空を見つめて……
「そういえば……日記って何だぁ?」
青年の呟きに、クラゲが地に突っ伏しました。

「……なぁ〜んだ。それならそうと言ってくれればいいのに」
青年はクラゲの説明を受け、日記がなんであるのかを一応理解したようです。
「けど、オレが毎日書くことなんていったら……」
ちらりと腕の中で眠る少女を見て一言
「リナのことしかないよなぁ(はぁと)」
でれ〜っとした顔で宣いました。
その横でクラゲも力強く頷いています。
「リナの可愛い姿や仕草なんかを毎日書き残す……
 ……いいじゃないか……すごく…いい……」
顔の筋肉が緩みまくり、けれど、ものすごく真剣に青年は少女に貰った本を眺め
ます。
青年の高くすっと整った鼻から、一筋の赤い雫が流れました。
……なんだか日記の用途が違うような気がするのは私だけでしょうか……?
クラゲが本を手に取り、青年に表紙を突きつけます。
「ん?」
青年はしばらく表紙をみつめ―――
「ををっ! そうか!
 表紙に何か書いとかんと、これが何だか忘れちまうもんな!」
そう言ってペンを探します。
ペンをみつけると表紙に「日記」と書こうとしましたが、ふと手を止めました。
「……せっかくのリナのプレゼントだ。
 普通に書くんじゃ芸がないし……
 かといって『愛しのリナの成長記』とか『ラブラブ日記』ってのも……
 リナにみつかったら間違いなく街が1つは消えそうだし……
 なによりこの本捨てられそうだし……」
……どうやら表紙に何と書くか悩んでいるようですが……
「う〜〜〜〜〜ん……
 そういえばリナ、あの時―――
 クレア何とかってやつがどうこう言ってたよな……?」
―――つんつん
クラゲが袖を引っ張りました。
「んぁ?」
見ればどこから取り出したのか、クラゲの手にはしっかりと筆が握られていまし
た。
「……交換日記したい…のか?」
……ちがうだろ(爆)
クラゲは困ったようにほよんほよん揺れています。
「冗談だよ。お前…書きたいのか?」
クラゲはコクリと頷き、サラサラと何かを書いていきました。
―――ふよんっ
書き終わると触手で額(?)の汗を拭います。
本の表紙には、流麗な字で、こう書いてありました。
  『水母黙示録』と―――
「みずははだまるしめすろく?
 ……なぁ、これ何だぁ?」
―――ピキッ…
クラゲは凍りついてしまいました。
………………。
しばらく後、なんとか解凍したクラゲは、気を取り直してルビを振りました。
  『クラゲバイブル』と―――










―――それから幾年もの歳月が過ぎ―――
リナ=インバースやガウリイ=ガブリエフたちが遠い昔の伝説となった頃―――

「……いけませんねぇ。
 素直に渡してくだされば、こんな痛い思いをしなくてもすみましたのに……
 人間、素直が一番ですよ?」
とある神殿に人懐っこい笑みを浮かべた黒衣の神官が現れました。
辺りには夥しい血―――
そして、この神殿を護っていると思われる神官たちの呻き声―――
彼はこの凄惨な中をにこやかに祭壇目指して進んでいきます。
「……これは……当たり、ですね……」
彼の目的は、『異界黙示録(クレアバイブル)』の写本をこの世から抹消するこ
と。
祭壇の前まで行き、目的の品を手に取ると、一応パラパラとめくって中身を確認
し、一瞬でそれを灰にしました。
「今回は、デマじゃなかったみたいですねぇ」
彼は満足げに呟き、そのまま立ち去ろうとしましたが、ふと今自分が処分した写
本の隣に祀られている本が視界に入りました。
「おやぁ?」
彼はそのいつもは閉じられている瞳をすっと開き、その本を手に取ります。
「これはこれは……随分と懐かしい方々を思い出しますねぇ……」
そう言って、数百年前に関わった栗色の髪の少女とその保護者を思い浮かべ、ど
こか懐かしむように苦笑しました。
「しかし……
 『異界黙示録(クレアバイブル)』ならぬ『水母黙示録(クラゲバイブル)』
 とは……」
「紛らわしいですね」と言おうとしたのか、「お笑いですね」と言うつもりだっ
たのか、それとも「面白そうですね……読んじゃいましょうか♪」などと続ける
気だったのか、はたまた何か他のことを言いかけたのか……
パラリと適当な所を開いて読んだ瞬間―――
闇の神官は一瞬にして消滅してしまいました………………

それから数刻の後、瀕死の重傷を負いながらも辛うじて生き残り、一部始終を目
撃していた神官たちは、「あの魔族を滅ぼすような神聖な書籍だ。魔族に有効な
何かすごい呪文でも……」などと期待を込めて、本を開き―――

数日後―――
騒ぎを聞きつけた聖王都の騎士団が、体内の血を一滴残らず鼻から吹き出し気絶
している神官たちを神殿から救出したといいます………………


―――かくして―――
何かを必至に隠そうとする神官たちによって、「魔族を一瞬にして滅ぼす伝説の
本」として『水母黙示録(クラゲバイブル)』は公開禁止で厳重に保管され、リ
ナ=インバース,ガウリイ=ガブリエフ両名の名は、当時とは多少意味合いが違
ってはいるものの、今なおデモン・スレイヤーズとして人々に語り継がれること
となったといいます―――